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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2018/04/02
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今回は、ニコ生ゼミ3月25日(#223)から、ハイライトをお届けいたします。

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 漫画家の顔出しや お絵かき配信をどう思いますか?

質問:
 ある漫画家のpixiv『お絵描き配信(声付き生放送)』を目にしました。

 その先生が描いてるのは日常系のちょいエロ漫画なのですが、「うわ、意外とチャライ喋り方してる」とか、「メッチャ修正してる」とか、映った手の結婚指輪を見て「あ、結婚してたんだ」とか、「わあ、トークも結構面白い。でも、ちょっと引く」という感じで“うわー”の連続でした。

 漫画家側だけが意識する裏話的なことも語っていて、そういう話が面白いので、後日、配信しているのを見かける度にチェックするようになりました。

 ……が、かといって、僕は、この先生の漫画を買おうと思わないのが問題なのです。


 漫画家さんを先に見てしまったため、漫画を読んでも「でも、ちょっとチャラい兄ちゃんが描いてるんだよな」という、不必要な先入観が入ってしまうからです。

 たぶん、今の若者が蛭子能収さんや、やくみつる の漫画を買わないのは、作品より先に本人のイメージがメッチャ残っているということもあると思うんです。

 そこで、岡田さんが新人漫画家にアドバイスするなら、漫画家の顔出し、声出し、作業配信は、どこまでするのがグッドだと思いますか?

 漫画家もインスタ映えの時代なのでしょうか?

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 僕の考えを、結論だけ最初に言っちゃうと、漫画家さんにしてもイラストレーターにしても、とりあえず顔が良いなら出した方がいいですよ。

 この場合の「顔が良い」というのは、「普通 程度なら」という意味です。
 普通よりブサイクだったら、やめた方がいいと思います。

 なぜかというと、漫画やイラストというのは、それ自体が “見た目” のものだからです。

 そういった “見た目こそを評価するジャンルの作品” を世に出していて、自分の見た目を乗せることでさらなる加点が望めるんだったら、そりゃ、乗せた方がいいでしょう。

 だって、ここで「漫画家や絵描きは見た目じゃない!」と言うのは、自分の描いている “絵” という媒体自体を否定していることになるんだから。


 見た目は良いに越したことはないと思うんですよ。

 ただ、「ブサイクはやめたほうがいい」とは言ったんですけど、往々にして、作品単体の売上よりも、作者本人の人気とを合算した合計の売上の方が大きくなるのが常なんだから。

 僕は基本的には、みんな出すべきだと思うんですけどね。

・・・

 質問にあった、蛭子さんとか、やくみつるさんの漫画を誰も買わない理由については、単に「漫画が面白くないから」であって、「作者を先に知っているから」ではないんですよ(笑)。

 さらに言えば、面白い漫画を描く人とか、売れてる漫画を描く人というのは、滅多にテレビなんかに出ないし、pixivで配信もしないんです。

 面白い人っていうのは、それくらい作品を描くだけで一生懸命だからね。

 面白いだけあって、やっぱり「面白いものを作り続けなければ!」という意識に追い詰められているものですから。

 そりゃ、自分の作品がアニメ化された時に、その脚本に口出しをしたりとかはあるかもしれないけど、自分が描いているところを配信するというところまでの暇はないというのが現実だと思います。


 「基本的に、テレビには一流の人は出ない」ということだけは押さえて欲しいんですよ。

 まあ、あくまで「基本的には」だし、テレビ屋さんは一流の人や本物の人を出したがるものなので、一概に「テレビに出てるから、あいつは二流」なんて言うつもりはないんですけど。

 でも、まあ「本当にすごい人というのは、自分がやっていることだけに一生懸命だから、テレビには出ない」というところは、基本として覚えておいてもいいと思います。


 「じゃあ、作家であるにもかかわらず毎週生放送をしている岡田斗司夫、お前はどうなんだ?」と言われたら、僕の場合は、自分の本業は このニコ生だから、いいんです(笑)。


 今の僕は、本を書くよりもニコ生をやるということが本業だと思っているから、本については “ニコ生で喋ってることのスピンオフで商品” として出てるものくらいの考えなんですよ。

 だけど、そんな僕でも、もし、今「日曜日の夜8時から、生放送テレビ番組に出演してください」と言われたら、絶対に断ります。

 なぜなら、それは “本業を疎かにする行為” だからです。

 僕程度の人間でも、本業というものに対してはそんなふうに考えてるんですから、漫画を真面目に描いていて、なおかつ十分に売れている人は、意味もなくテレビに出ないと思いますけどね。

 ということで、まだ売れておらず、顔が普通以上なんだったら、新人漫画家は配信をした方がいいと、僕は思います。

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