みなさんに読んで欲しいマンガがあります。
大童澄瞳さんの『映像研には手を出すな!』です。
pixiv(ピクシブ)で始まって、月刊スピリッツの方に場を移してるマンガなんですけども。
これ、読んだ人も かなりいると思うんです。
単行本は二巻まで出てるんですけども、メチャクチャ面白いんですよね。
ちょっと読みにくくて、マンガをそんなに描きなれてない感じなんですけどね。
週刊マンガのペースで描いている分かりやすいマンガじゃないんですね。
どちらかというと、月刊誌の密度の濃いところの描き方に近いんですけども。
女子高生の話です。
高校のアニメ研。
で、この高校にはアニメ研がすでにあるので、自分たちは女の子三人で映像研というのを作って、その中でアニメを作ってる。
その中の一人が、とてつもない天才で。
とにかく何を見ても ものすごい設定とかを思いついて、そのメカニック設定が ものすごい面白いんですね。
それでもう一人 女の子がいて、もう一人の女の子は美少女で、女優というかモデルをやってるんですよね。
それでお父さんもお母さんも俳優さんで、いわゆる美形の家族に生まれて。
で、親からは「アニメとかマンガとか、ああいうオタクのものに手を出すな!」と。
「跡をついで女優とかになってくれれば、それでいい」って言われてるんですけども、それが嫌。
とにかく絵を描きたくて描きたくて、動かしたくて動かしたくて仕方が無い。
これ、アニメ化は出来ません。
何でかっていうと、いろんな事件があるたびに、主人公の宮崎駿が美少女になったようなヤツが出す妄想のメカニックの設定と、その動きの指定が細か過ぎて。
これを毎週、アニメでオンエアするのは不可能なんですよね(笑)。
だからアニメをやるんだとしたら、かなり準備をする必要がある。
これはいわゆるギャグアニメというかコメディアニメのくせに、毎回毎回 少しずつ設定を変えてるんです。
何でアニメで学園モノが多いのかっていうと、設定一つで何話も転がせるから。
作りやすいんですよ。
でも、映像研には手を出すな! みたいな、一話ごとに設定がガンガン変わっていくような話っていうのは、本当に難しいんですよね。
作中で「普通のロボットアニメでは こう ごまかすんだけども、本当は このように動かなくてはいけない!」みたいな事を言ってるから。
自分たちでハードルを凄く上げてるんですよ(笑)。
すごい面白いです。
Kindleでも二巻まで出てます。
あと もう一人が、エゲつない やり口で、その二人を追い詰めていって仕事をさせる、プロデューサーみたいな目つきの悪い女の子が出ててですね。
これ、内容は宮崎駿と岡田斗司夫と手塚治虫が美少女に転生してアニメを作ってる話って呼んでるんですけども、すごい面白いです。
岡田斗司夫の部分を、鈴木敏夫に変えても可能です(笑)。
頭が おかしいような才能のあるヤツらが、丁々発止(ちょうちょうはっし)と周りと戦いながらアニメを作っていく。
そのアニメが、案外 時間が取れないからショボいものになってしまいガチだけど、ココだけは こだわるっていう。
そういうのが、ちょっとアニメを作っていた身としては、やたらとリアルで燃えるんですよね(笑)。
まぁ、こういう一昔前なら男子でやっていた内容を、何で女子高生でやるのかっていうのは、いろんな評論家の方に頑張って分析していただきたい所だと思います。
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