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「ジェダイが滅びたのはどう考えてもヨーダが悪い」
背負ったじいさんからの説教を延々と聞きながら、アスレチックをやるという、“説教アスレチック”っていう新しいジャンルの修行だね。
そして、ひとしきりアスレチックを終えたら、「今日はここまでじゃ」と、すぐに休みを入れてくれる(笑)。
このまま修業を続けていたとしたら、この先、どんなことをさせるつもりだったんだろうな?
あったらいいのにな。
「じいさんを背負って走るのは、もうスター・ウォーズの伝統芸なのです!」ってなったら面白いのに(笑)。
これについては、「人の心の中にある、敵意とか、野心とか、向上心みたいなものが、フォースの暗黒面だ」って言ってるんだよね。
フォースの暗黒面というのは本人の中にあるものであり、暗黒面に引き込まれる人というのは自分の暗黒面に引き込まれるだけであって、別に外にあるものに誘われて入るんじゃないんだよね。
ここで、スローモーションになって、ライトセイバーを持ったダース・ベイダーが出てくる。
よくよく注意して見ると、ここでのダース・ベイダーは、ルークがライトセイバーを抜くまで、手を出さないんだ。
今、ブゥンって音がしたよね。
この音はルークがライトセイバーを抜いた音。
ルークが構えて、初めてダース・ベイダーも抜くっていう。
ここらへんも、実は「ルークが攻撃してくるまで、ダース・ベイダー何もしてこなかった」っていう、たぶん最初の試練なんだろうね。
だけど、これに関しては『スター・トレック』のコバヤシマル問題と同じように、正解がないんだよ。
だからといって、じゃあ、どうすりゃいいんだ?
ヨーダの言う通り、恐れなきゃよかったのか?
でも、恐れる心を持っていない知性がない生物はジェダイになれるはずがないし、そこら辺は解答のない疑問なんだろうな。
この辺りのマーク・ハミルの演技って、すごく良いんだよな。
何かあった時の悩みの表情とか、絶望の表情とか。
でも、それ以上に、ヨーダを下から操っているフランク・オズがすごい。
こう、地面を杖でひっかいてるだけの動きで、深く考えてるヨーダというのを表現している。
しかし、「あっ、乗ってきた宇宙船が沼に沈んじゃう!」と思った瞬間に、ルークの集中力が切れてバランスを崩してしまう。
そして、パニックになるヨーダ。あそこまでいろいろ言っておきながら、下にいる弟子が逆立ちを失敗しただけで、ものすごくパニくって「うわーっ!」って悲鳴上げて落ちる。
かわいいよな(笑)。
「やってみます」とルークが言うと、「“やってみる”ではない! “やる”んじゃ!」って言われる。
まず「なんで出来ないんだ! こうだから出来んのだよ! お前はいかん! 貸せ!」って言って、結局、全て自分でやってしまって。
「これが出来ないからお前はいけないんだ!」って言うだけ言って帰ってしまう。
後に残された人は、みんな絶望するしかなかったのであった……っていう。
宮崎駿の説教だよな(笑)。
フォースというのは、物事の繋がり、因果関係みたいなものだ、と。
「関係」と言うと抽象的なもののように感じるんだけど、それを物理的なものとしても捉えるということなんだろうね。
だからこそ、重さやサイズは本当は関係ないんだ。
ところが、フォースを使える者というのは、知性を持っている者であるから、それ故に、物質には質量があったり、サイズの差があると知っている。
こういう“西洋人が一生懸命に考えた東洋的な考え”っていうのが、フォースの原点だと思うんだよな。
そして、沼の中からドロドロになったXウィングが、段々と浮かび上がってくる。
ということで、Xウィングは無事、沼から出ました。
そして、ヨーダがゆっくりと目を開ける。
もう、この辺は貫禄の横綱相撲だよね。
あれだけ「石と違わん!」と言ってたんだけど、宇宙船を持ち上げた直後のヨーダは、メッチャ疲れて、メッチャ溜息ついてるよね(笑)。
いかがでしたか?
「え?!それってどういうこと?」「そこのところ、もっと詳しく知りたい!」という人は、どんどん、質問してみて下さい。
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岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2017/12/11
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今回は、12月1日に行われた『スターウォーズ/帝国の逆襲』の実況放送から、ハイライトをお届けいたします。
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「ジェダイが滅びたのはどう考えてもヨーダが悪い」
ということで、ヨーダの言っていた“厳しい修行”のシーンだね。
その厳しい修行とやらの正体は、蓋を開けてみると、ただ単に「じいさんを背負って山の中を走るだけ」だったっていう(笑)。
背負ったじいさんからの説教を延々と聞きながら、アスレチックをやるという、“説教アスレチック”っていう新しいジャンルの修行だね。
背負われたヨーダは、本当に、ずーっと喋ってる。
なんか子泣き爺っぽいよな。
ずーっと耳元で、「ダメじゃ」とか、「こんなことが起きる」とか言われながら、アスレチックを続ける。
なんか子泣き爺っぽいよな。
ずーっと耳元で、「ダメじゃ」とか、「こんなことが起きる」とか言われながら、アスレチックを続ける。
そして、ひとしきりアスレチックを終えたら、「今日はここまでじゃ」と、すぐに休みを入れてくれる(笑)。
このまま修業を続けていたとしたら、この先、どんなことをさせるつもりだったんだろうな?
基本的に、今やってるエピソード7以降の新しい『スター・ウォーズ』って、初期の作品のパターンの踏襲のはずなんだけど。
まさか、エピソード8では、新シリーズの主人公のレイという女の子が、ジジイになったルーク・スカイウォーカーを背負って走る、なんてシーンは流石に出てこないよな。
あったらいいのにな。
「じいさんを背負って走るのは、もうスター・ウォーズの伝統芸なのです!」ってなったら面白いのに(笑)。
・・・
その後の修行として、ヨーダは、「その洞窟の中にフォースの暗黒面がある。中に入ってみろ」って言うんだけども。
これについては、「人の心の中にある、敵意とか、野心とか、向上心みたいなものが、フォースの暗黒面だ」って言ってるんだよね。
フォースの暗黒面というのは本人の中にあるものであり、暗黒面に引き込まれる人というのは自分の暗黒面に引き込まれるだけであって、別に外にあるものに誘われて入るんじゃないんだよね。
さてさて、洞窟の中に入って行くルーク。
もう、この辺は神話構造だよね。
「洞窟の中に入って行くと、自分が最も恐れている敵が出てくる」というやつ。
もう、この辺は神話構造だよね。
「洞窟の中に入って行くと、自分が最も恐れている敵が出てくる」というやつ。
ここで、スローモーションになって、ライトセイバーを持ったダース・ベイダーが出てくる。
よくよく注意して見ると、ここでのダース・ベイダーは、ルークがライトセイバーを抜くまで、手を出さないんだ。
今、ブゥンって音がしたよね。
この音はルークがライトセイバーを抜いた音。
ルークが構えて、初めてダース・ベイダーも抜くっていう。
ここらへんも、実は「ルークが攻撃してくるまで、ダース・ベイダー何もしてこなかった」っていう、たぶん最初の試練なんだろうね。
だけど、これに関しては『スター・トレック』のコバヤシマル問題と同じように、正解がないんだよ。
だからといって、じゃあ、どうすりゃいいんだ?
ヨーダの言う通り、恐れなきゃよかったのか?
でも、恐れる心を持っていない知性がない生物はジェダイになれるはずがないし、そこら辺は解答のない疑問なんだろうな。
そして、切り落としたダース・ベイダーの首から、わりと出来のいいマーク・ハミルの顔のレプリカが出てくるね。
これ、すごいよね。
作り物なんだけど、リアル。
これ、すごいよね。
作り物なんだけど、リアル。
この辺りのマーク・ハミルの演技って、すごく良いんだよな。
何かあった時の悩みの表情とか、絶望の表情とか。
でも、それ以上に、ヨーダを下から操っているフランク・オズがすごい。
こう、地面を杖でひっかいてるだけの動きで、深く考えてるヨーダというのを表現している。
・・・
逆立ちして、足に乗せてるヨーダから「意識を集中しろ!」って言われながら、近くの岩を念力で持ち上げて、積み上げているルークのシーン。
これもね、厳しいはずのジェダイの訓練なんだけど、ここで描こうとしているフォースっていうものの本質っていうのは、なんだろうね?
しかし、「あっ、乗ってきた宇宙船が沼に沈んじゃう!」と思った瞬間に、ルークの集中力が切れてバランスを崩してしまう。
そして、パニックになるヨーダ。あそこまでいろいろ言っておきながら、下にいる弟子が逆立ちを失敗しただけで、ものすごくパニくって「うわーっ!」って悲鳴上げて落ちる。
かわいいよな(笑)。
沼の中にXウィングが沈んじゃったので、ルークが落ち込んでいると、ヨーダがまた怒る。
そして、「あんな沼に沈んだものをフォースで持ち上げるなんて出来ませんよ、石とかとは違うんですから」と言うルークに、「違うんじゃない! お前がそういうふうに思っているだけだ!」という説教が始まる。
「やってみます」とルークが言うと、「“やってみる”ではない! “やる”んじゃ!」って言われる。
・・・
ここまでの修行では、ルークはわりと成功してるんだから、そこを誉めてやりゃあいいのにね。
ヨーダって“誉めて伸ばす”という発想が全くないよね。
「一か所でも欠点があったら、必ずボロクソに言う」という修行法(笑)。
「一か所でも欠点があったら、必ずボロクソに言う」という修行法(笑)。
俺ね、ジェダイが崩壊したのは、絶対にこのヨーダの教え方に問題があったからだと思うんだけどね。
ジェダイの偉大なるマスターかもしれないけど、もう本当に、教え方が下手。
長嶋監督みたいなもんだよね。
「野球は上手いかもしれないけど、監督をさせたらどうよ?」っていう話だよな。
長嶋監督みたいなもんだよね。
「野球は上手いかもしれないけど、監督をさせたらどうよ?」っていう話だよな。
弟子が「できません」って言ったら、「お前は出来んけど、わしは出来る!」って。
本当にこれからやって見せるんだけどさ。もう、他人に対する怒り方が、完全に宮崎駿だよね。
本当にこれからやって見せるんだけどさ。もう、他人に対する怒り方が、完全に宮崎駿だよね。
まず「なんで出来ないんだ! こうだから出来んのだよ! お前はいかん! 貸せ!」って言って、結局、全て自分でやってしまって。
「これが出来ないからお前はいけないんだ!」って言うだけ言って帰ってしまう。
後に残された人は、みんな絶望するしかなかったのであった……っていう。
宮崎駿の説教だよな(笑)。
・・・
おっ、ヨーダがフォースの根本の話をしている。
フォースというのは、物事の繋がり、因果関係みたいなものだ、と。
「関係」と言うと抽象的なもののように感じるんだけど、それを物理的なものとしても捉えるということなんだろうね。
だからこそ、重さやサイズは本当は関係ないんだ。
ところが、フォースを使える者というのは、知性を持っている者であるから、それ故に、物質には質量があったり、サイズの差があると知っている。
そういう辺り、本当は、知性のない者の方がフォースを上手く使えるんだろうけど。
しかし、知性がなければ、「フォースを使う」という発想に至らない。
ここら辺の難しさ。
しかし、知性がなければ、「フォースを使う」という発想に至らない。
ここら辺の難しさ。
こういう“西洋人が一生懸命に考えた東洋的な考え”っていうのが、フォースの原点だと思うんだよな。
・・・
ということで、「そんなの無理です。できませんよ」と言うルークに、ヨーダが宮崎駿 的に見本をみせるシーンだ。
ルークが「何が起こったんだろう?」と見ていると、ヨーダは一度、下を向いて、目をつぶったままで顔を上げる。
このシーンは、言っちゃえばパペットを使った単なる人形劇なのに、こうやって、顎をぐーんと上げてるだけで、何かが起こりそうな、すごく力強い感じがするよな。
このシーンは、言っちゃえばパペットを使った単なる人形劇なのに、こうやって、顎をぐーんと上げてるだけで、何かが起こりそうな、すごく力強い感じがするよな。
そして、沼の中からドロドロになったXウィングが、段々と浮かび上がってくる。
ここで、ヨーダの指の爪がすごく大きいのがわかるね。
この指の数が少なくて爪が大きい手を見ていると、「本来はそんなに高度な知的生命体ではないんだけども、その分、フォースを扱う精神性が高い」みたいな気がしちゃうよな。
この指の数が少なくて爪が大きい手を見ていると、「本来はそんなに高度な知的生命体ではないんだけども、その分、フォースを扱う精神性が高い」みたいな気がしちゃうよな。
ということで、Xウィングは無事、沼から出ました。
そして、ヨーダがゆっくりと目を開ける。
もう、この辺は貫禄の横綱相撲だよね。
……そして、実はメチャクチャ疲れているヨーダ。
あれだけ「石と違わん!」と言ってたんだけど、宇宙船を持ち上げた直後のヨーダは、メッチャ疲れて、メッチャ溜息ついてるよね(笑)。
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