それは「明治維新のときに、坂本龍馬が頑張ったから、日本は開国した」と言うのと同じぐらい、「結果として見ると、そう言えるかもしれないけども、史実としては単純化しすぎじゃないの?」という辺だと思います。
何でかと言うと、いかにファンの人気があろうとも、視聴率は悪いしオモチャは売れないんだから。
ファンの人気は、何の力にもならないんですね。
でも、シャアにファンの人気があって、「シャアを復活させてくれ」っていうファンの声は、絶対に製作者には届いてるんですよ。
なので、製作者は何が何でもシャアを復活させようとしてた。
具体的に言うと、富野さんは何が何でも復活させようとしてた。
これはもう事実だと思います。
だから結果として、「ファンの人気があったので、シャアは復活した」というのは、事実関係で言うと、そうなるんです。
けども、実は、この間に直接的な因果関係は無いんですね。
それで、おそらく現実としてあったのは、スポンサー側から「シャアは殺せ」と言われた。
これは事実だろうと。
それで、その結果、シャアは退場させざるを得なくなった。
その時に、スポンサー側からは「殺せ」と言われたんではなくて、「もうシャアは、いらない」と言われた。
なので、後で復活させるように富野さんは、いちおう布石を打ってシャアを外した。
そして「メーカー側が諦めた瞬間に、もう一回、どこかで出そう」と虎視眈々と狙ってた。
それで富野さんは、途中からガンダムに、毎週 新型のモビルスーツを出している期間があったんですね。
それは『復活のシャア』から始まる、ゴック・ズゴック・ゾック・アッガイなど水中用が連続して出たジャブローまでの間。
毎週、新しいモビルスーツを出していますね。
メーカー側が言うとおりに。
なので、富野さんは「はい、メーカーさんの言うとおりに顔を立てましたよ」と。
「その代わり、僕が大好きなシャアを、もう一回 出させてください」というのを、ちゃんと大人の取引としてやってるんですね。
なので、ファンの声が強かったので、富野さんは自分がやりたい事に自信を得て、何が何でもシャアを復活させる事にした。
でも、その為には、新型モビルスーツを毎週 出すしかなかった。
それでシャアが復活してきて、「いよいよジオンの大攻撃が始まった」っていう演出上の流れに持って行った。
おそらく、そんな流れが実際の事だと思います。
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