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「『シン・ゴジラ』の 石原さとみ は“ミスキャスト”ではない」
この蒲田くん、ボディのサイズに比べて皮膚が揺れすぎてるんだよね。
CGで生物感を出そうとして頑張り過ぎてて、なんか「ダイエットに失敗して、皮がタルンタルンになってるヤツ」みたいに見えちゃうのが、ちょっとウザい。
生物の身体って、軟らかいところと硬い部分があるからね。
エラの部分とかはタルタルしててもいいんだけども。
……ほう、肝心なところでは、やっぱり初代『ゴジラ』の音楽が流れるんだよな。
ここで、蒲田くんの立ち方と足の形状が変わる。
偏平足みたいだったものが、つま先立ちの、いわゆる“鳥足”に変わる。
この辺の、変形するところって、こんなにね身体の表面にザワザワとエフェクトを入れなくてもいいと思うんだよね。
でも、咆哮する時の口の開き具合はメチャクチャ良い。
あとは、ここで入る、主人公の「すごい、まるで進化だ」っていう素の人間っぽい感想は、なかなか気持ちいい。
だけど、立ち上がると同時に、尻尾が急に宙に浮いちゃうのは、イマイチよくないね。
前足の弱さと同じように、この段階での尻尾は、たぶん垂れてる方が、第3形態としては正しいと思うんだけどね。
この電車の飛び方がこんなに軽いのは、半分ギャグのつもりなんだろうな。
まあ、でも、電車が出てくると、怪獣映画は燃えるよね。
あはは、やっぱり“特撮赤ペン先生”みたいな言い方になっちゃうよな(笑)。
わかりますか?
この、必要もないのにカットを割っている感じ。
もう本当に、セリフの1言1言とか、アクションの1つ1つごとにカットを細かく割ってる。
「カットを割る」っていうのは、「見せるものに自信がない」とか、「演技が甘い」、「内容がない」という時にやることであって、やっぱり一つ一つの演技をできるだけ長く見せたくなるのが普通だから。
そこを、あえて……ほら、今なんか「安田が手を上げる」という動きのためだけに、2カットに割ってるじゃん?
そして、この「お姉さん(尾頭)が割り込んで喋る」というだけで、また1カット使ってる。
このカットの割り方の細かさ!
ほら、1言ごとに割ってるでしょ?
この映画の異常さはこれなんだよ、絶対に!(笑)
ほら、単調なくらいに、1言ずつカット割りを入れてるよね。
これが、特有のリズムを作っているんだ。
おお! ここもいいね。
何かに気がついた安田が、報告のためにダーッと画面の奥に走って行くと、横からお姉さん(尾頭)がスッと入ってくる。
で、「後ろの方で安田が話していることと、手前でお姉さんが話していることが、実は同じ」ということで、このお姉さんの有能さを見せている。
引き立て役というのをコミカルに動かしつつ、見ている人間が感情移入するような役を正義の味方みたいに描くことによって、「どういう感情を観客に持たせるのか?」っていうベクトルが、すごいはっきりしている。
大勢が長セリフを言うようなカットを撮ろうとすると、1人か2人がセリフを間違えても、そのままスルーすること多いんだけど。
この撮り方だったら、気に食わないことがある度に、監督が「すみません。こういうふうにやり直してください」って言えるから、本当に監督の思い通りに撮れるよな。
出た!
石原さとみ!
ここでの石原さとみは「日本的な演技で、英語喋り」なんだよ。
だから、チグハグに見えるんだよ。
これは完全に演出ミスだと思うな。
怪獣のシーンだけじゃなく、もうちょっと役者に対する演技指導もやれよ!(笑)
というよりも、「ああいうキャラクターがお好みなんだったら、こういう出し方しかない」でしょう。
つまり、「石原さとみはミスキャスト」なんじゃなくて、正しくは「庵野秀明の女の趣味が悪い」って言うべきなんだよ、この場合は。
みんな、石原さとみを責めるのはやめて、庵野の女の趣味を笑え!(笑)
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