ではでは、「Tシャツコーナー」ですね。
今回取り上げるのは、M.I.T.(マサチューセッツ工科大学)のTシャツです。
ええと、2003年9月の末に、僕アトランタであった「アニメ大会」に呼ばれたんです。
M.I.T.の学生さんから、「遊びに来ませんか?」って言われたんですよね。
で僕、二つ返事で「行く行く」って。
その時はまあオオゴトになるとは思ってなかったんですよ。
M.I.T.のアニメ研が作ったホームページが、これ。
「オタキング岡田斗司夫がやってくる!」と書いてあります。
SFサークルから「なんか話してくれ」っていう呼ばれ方だったから、これはもうてっきり、SFサークル内での講義とか、いわゆる漫研の部室でやる話ぐらいに思ってたんですよね。
ところが行ったら、ガチの講義が3日間もあるんですよ。
というのは、僕を呼んだのは確かにM.I.T.の学生なんですけども、大学院生だったんです。
M.I.T.では大学院生は、教授相手にも講義をするんです。
あの大学、何が面白いかって、先生と生徒の立場が、僕らが考えているのとは全然違うんですよ。
教授より優秀な生徒がいれば、そいつは教授に教えるんです。
教授が、その件に関して自分は詳しくないなと思ったら、平気で生徒を先生に指名するんです。
そういう構造でできているところだから、ものすごい講義が変則的なんです。
おまけに24時間大学で講義をやってるんですね。
普通、僕らの知っている学校というのは朝の9時とか8時半に開いて、夜の何時かに閉まるじゃないですか。
そうじゃないんですよ。
マサチューセッツ・メディアラボっていうところは24時間営業。
だから僕がやった最初の講義午前1時半ですよ。
信じられますか?(笑)。
午前1時半からの110分の講義で、前列は全員50代ですよ。
50代のM.I.T.の教授、助教授連がズラーッといて、その次に助手講師がいて、奥の方に大学院生がいるっていう(笑)。
それが午前1時半ですよ。
それが当たり前だっていうんですよ。
とにかく面白すぎる、あの大学(笑)。
今日の話はそこのSF研の話です。
とにかく3日間も講義やるんですけど、自分の講義 以外は暇です。
だから、遊びにおいでと呼んでもらったのを幸いに、M.I.TのSF研に遊びに行ったんですよ。
そしたらもう、ものすごい羨ましい!
サークルの部室がものすごく広いんです。小学校の図書室くらいのサイズがあるんですよ。
M.I.T.のSF研っていうのは、伝統があるから部室も大きい。
というのも、OBたちが寄付してくれるっていうのがあるらしい。
学校もそういう、SFとかの研究活動にはすごく熱心なので、大きめの部室を与えてくれたそうなんですけどね。
その小学校の図書室くらいのサイズの部室に、蔵書がとんでもなくたくさん並んでるんですよね。
たぶん、ターミナル駅の本屋さん。地方で一番大きい本屋さんくらいの蔵書量があるんです。
それを見て「すごい!」って言ってたら、「それは岡田さん、ハーバードを知らないからですよ。」って言われたんです。
で、次の日、歩いてハーバードまで連れて行ってくれたんですよ。
M.I.T.とハーバードって歩いていける距離なんです。
ハーバードに着いたら、もう本当に雰囲気から違うんです。
M.I.T.は24時間営業で、全員がボロボロのシャツ着てました。
ところがハーバードに行くと、24時間営業はやってない。
そして、全員が小ざっぱりとしたシャツとか、ハーバードって書いたトレーナーとか着てる。
もう本当に、何だろうね。
学費の違いというんですかね。
これは、目指しているものが違うわ。
というか、お互いそりゃあいろいろあるはずだと思いましたよ。
で、ハーバード大学でも、ハーバードのSF研に表敬訪問したんですけど。
ハーバードのSF研の部室は、もう建物1つあるんですよ(笑)。
ちいちゃめの建物1つあって、上の階にはソファーがあって、そこでみんなコーヒーとか飲みながら、談笑しているんです。
下の階には、2フロアーぶち抜き位の凄いデカい図書スペースがある。
まあ本当にすごいSF研の部室でした。
聞いてみたら、これはハーバードとかM.I.T.に限らず、コロンビア大学でもイエール大学でもどこでも同じらしいです。
あっちの文化系のクラブ、それはもうSF研に限らずアニメ研にしても何研にしても、まず蔵書ありきなんですよ。
全て本ありきなんです。
どれくらい本を持っているのか。
自分たちの寄付とかも含めて、どれくらい本を所有して運営管理しているのかが、文科系サークルのポイントになるんです。
体育会系のサークルというのが、どの大会で優勝したかとか、試合が中心にあるのに対して、文科系のサークルはとにかく凄い蔵書量がキモなんです。
少なくとも僕が見てきたあちらの大学のSF研とか、アニメ研とか、あと現代文化研究会みたいなところも全てそうでした。
本棚をダーッと並べて、そこにいっぱい本を集めて、どの本は誰それからもらった本だということも表記がされている。
貸出リストがあって、その大学の関係者だったらいつでも借りられる。
そういうことを学生たちが自主的に管理している。
もう20年も30年も、ずーっと先輩から後輩に代々受け継がれて、図書館みたいに管理運営している。
そこが凄いと思ったんですよ。
日本でも、いわゆるサークルビジネスとかサロンとかあるじゃないですか。
そういうのはあるんですけど、図書館というのを持っているところって見たことがないんですよね。
六本木ヒルズに、月会費1万円、年会費十何万円くらいのサロンがあります。
そこは図書館があるんだけど、やっぱり「見せる図書館」でしかないんですよ。
「こういうのが好きだから、これを研究します」という視点でずーっと維持管理して増やしていく図書館ではないんですよね。
それは蔵書と僕は呼べないと思っているんです。
「俺たちで作ろう」(コメント)
今、コメントで流れたけど、本当に僕もそう思う。
2020年くらいですか、3年後くらいを目標に、僕もう都内に図書館作りますわ。こうなったら。
みんなから集めている金っていうのがあるじゃないですか(笑)。
月500円という細々としたやつ(笑)。
これを使って、とりあえず東京のどっかに図書館みたいなのを作る。
そこで、本とかDVDとか漫画とかを置いといて、見れるようにしないと何にも始まらねえわ。
M.I.T.に行って、俺何がショックかっていったら、あの図書館がショックだったんだわ。
ということを、今回M.I.T.のTシャツを紹介する時にしみじみ思ったんだよ、本当に。
漫画喫茶とか、そういうものじゃダメで、とりあえず蔵書を集めて、それを維持してそれを来る奴に「見ろ!」といって見せないと、何も話が進まないわと思ったんです。
このゼミで、毎週毎週「この映画を見てくれ」みたいな話を僕はしているんですけど。
本も、そういうふうにするしかないなと。
来た奴に「スティーブン・キング読め!」とか言っていくしかないなと思ってるんです。
つまりね、M.I.T.のSF研も図書館が目的というよりは、SF研活動が目的なんですよ。
僕が言ってるのも、サロン活動が目的な訳で、そのサロンには蔵書がないと話にならない。
自由に見れる蔵書を置こうと思います。
いわゆる出版社とか公共事業との協力とか、協賛とか考えてもしょうがないと思う。
個人が金を出す。
個人が、もう自分の金でなんとかしようと考えるしかないと思うんです。
場所とか提供するよという人がいれば、そういうお誘いには乗ります。
でも、あんまりプロジェクトとしてプロっぽくやろうとは思ってません。
まあ、お待ち下さい。
「岡田斗司夫コーナーに18禁コーナーありますか」(コメント)
ありますよ、そりゃ。
俺のKindleはすごいことになってるんだからね、もう本当に。
そうそうiPadね10台くらい並べておいてね、その中に俺のKindleを同期しておこうと思ってるんだけども(笑)
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