今期の『アニメガタリズ』というアニメで、『ミノア、アニメルーキー!』という話があるんです。
「私、アニメが好きなんです!!」という事で、「アニメの事を語る」という変なアニメなんですけども、 これは原作が無いので僕はちょっと面白いなと思って。
“ミノア”という名前からして、M I N O Aだから、たぶん“アニメ”のアナグラムなんですね。
一話ではぜんぜん出てないけども、「どう考えてもお前のお父さんかお母さんは、めっちゃアニメファンだろう!」というような、絶対に「思いも寄らないヤツが、実はアニメファン」というのが、次々とバレていく話になって行くんだろうなぁと思います。
伏線も何も無いんですよ?
これは俺の直感なんですけどもね。
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それで、第一話のしょっぱなの冒頭に、主人公の阿佐ヶ谷 未乃愛(あさがや みのあ)が見た夢っていうのが、もうパロディの連発。
それを見て俺は、凄いズッコケたんですけども。
どんな夢を見ていたのかっていうと、いきなり少年がロボットに乗り込んで、レバーを操作するんですね。
それで、レバーを操作するときに、指でガシャっと前に持ってくると同時に、指でカチャカチャカチャっと操作するんですよ。
「ちょっと待てよ! このシーン、俺は知ってるぞ!」と思ってですね。
それと後ろで爆発して、アルプスの少女ハイジの“おんじ”みたいな爺さんと一緒に映っている女の子を、「この女、何かどこかで見た事あるぞ!」と。
で、女の子が歌っていて、その後ろでロボットが出て行くシーンで「ちょっと待て、これ、見たぞ!」と。
もう、みなさんも分かりますよね?
分かるのは前列ヤンキーだけか。
この世界にアニメは数多くあれど、頭にハチマキを巻いている女の子の主人公が出てくる頭の悪いアニメは、『トップをねらえ!』だけなんですよ。
こんなに頭が悪いのは、うちの子だけなんですね(笑)。
この「レバーを操作しながら、指でスイッチをカチカチ」っていうのは、俺が庵野秀明にわざわざ指示したんですよ。
「このシーンで、ロボを操縦するときに指でカチャカチャと動かして」って。
なんでかと言うと、ロボットアニメの中でレバー操作だけでロボットが動くのは変じゃんと。
あそこで色々と武装チェンジを、いわゆる「どの兵器を選ぶのか?」という兵装モードの切り替えとか。
あとは腕とか足とかは全部、ギアの切り替えとかがあるべきだろうから、そういうものをいちいち切り替えながら、やらなきゃいけない。
僕らだって、ブレーキを踏みながらウィンカーの操作をして、ワイパーをちょっと強いのから弱いのに切り替えてぐらい、やるだろうと。
ロボットに乗ってるヤツも絶対にそれぐらいやるから、レバー操作だけのはず無いじゃんと。
「ギアチェンジみたいな複雑な事やってるよ!」と、庵野をすごく説得して、庵野も「あぁ、そうですよね」って言ってくれたから、このシーンを入れてくれたんですよね。
オープニングにも使うぐらいの作画密度なんですけども。
まぁ、そんな事をやるのは『トップをねらえ!』しか無いから、「これは『トップをねらえ!』だ!」と思って。
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次に、アニメ界 広しと言えども、首の所に輪っかを付けて、耳にでっかいイヤリングを付けている頭の悪いヒロインは、うちの子しかいないんですよ。
『ふしぎの海のナディア』しか(笑)
あと、白いブラみたいなものに赤い上着みたいなものを着てるから、これもやっぱり、うちの子なんですね。
それと、これは うちの子じゃないんですけども、歌を歌っているときの右手のポーズ。
これは劇場版の『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』のリン・ミンメイのクライマックスの腕の動きしかないんですよ。
クライマックスのところで、一条輝くんがリン・ミンメイに対する恋心を諦めながら「行きます!」と言って発進する。
その時に、「今、あなたの♪」あたりでミンメイが腕を伸ばしている この腕の角度と、完璧に同じなんですよね(笑)。
『ミノア、アニメルーキー!』っていうのは、未乃愛が見ている夢で、「その作品は、いったい何なのか?」というのがメインストーリーの一つの柱になっているの。
それで、いつか「あれは『トップをねらえ!』だ!」とか、「リン・ミンメイの劇場版だ!」というのが出てくるのかなと思って、俺、すげぇ期待してるんですよね(笑)。
髪の毛の色とか服が『クリーミーマミ』で、腕の伸ばし方がリン・ミンメイという、この巧みな合成。
それで、吹っ飛んでいくお爺さん。
あれはアルプスの少女ハイジの“アルムおんじ”に見えて、後で天使が出てくるから、「いや、あれは『フランダースの犬』でネロを最後に迎えに来た天使と、ネロの家のお爺さんに違いない!」とか、しょうもない事をいっぱい考えてるんですけどね。
もう本当に、中年オタク クイズと化してるんですよね。
だから、もう誰が対象なのかっていうのは、推して知るべしなんです(笑)。
・・・
それで、ここまで言っておいてですね、僕も中年ですから最後に文句を言います。
文句はこれです。
後でアニメ部の顧問になるのが丸出しの先生がいて、これが古典の先生なんですよ。
黒板を見ると“ラ行変活活用”が書いてあります。
「有(あ)り」「居(を)り」「侍(はべ)り」「いまそかり(いますがり) 」 ですね。
もうね、アニメ・マンガ界で古典の授業と言えば、あり・をり・はべり・いまそかり ですよ。
使うの、禁止しましょう。
これは、みんな楽をし過ぎです(笑)。
「授業と言ったら何なのか?」という事で、この「あり・おり・はべり・いまそかり のラ行変格活用を書けば、なんか授業っぽくなる」と思ってる怠慢が許せない。
このシーンを描くんだったら、もっとちゃんと高校のときの古典の授業がどんなのだったのかを思い出して、資料ぐらいは調べろと(笑)。
アニメであれだけ調べて、くだらない設定を山ほど注ぎ込んでるんだから、高校の授業もちゃんとしろと。
「単なる“お約束”だけでやったら、“段取り”になっちゃうよ」というのが、俺の注意であります。
注意と言うか、文句ですね(笑)。
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