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「【捨てられないTシャツ・シリーズ】 こだわるくせに手を動かさない庵野秀明監督」
これは大阪の僕の店「ゼネプロ(ゼネラルプロダクツ)」というところで売っていたTシャツで、1985年製です。
これがどんな機体でどんな映画かというのは、YouTubeで探して見て下さい。
「帰ってきたウルトラマン、庵野秀明」とかで検索すると、すぐ出てきます。
その映画の中に、MATARROW1号という飛行機が出てきます。
これがその映画の1シーンですね。
セットもミニチュアもこれ全部紙です。
庵野秀明はその頃、「ウルトラマンは大好きなんだけど、いくつも嘘がある。その典型的な嘘が、ウルトラマンがジェットビートルを持った時の大きさだ」と言ってました。
実際、ミニチュアは1mくらいあってですね、ものすごく大変だったんですけども、作りました。
庵野もそういうふうにデザインしたんですけど、この写真のミニチュアを見てわかる通り、紙でその下がった機首を再現するのは無理だったので、わりと下半分が平べったい感じになってます。
DAICON3の翌年、82年の夏に、東京のSF大会で実写映画『帰ってきたウルトラマン』を宣伝のために華々しく公開するはずでした。
ところが、夏になっても映画は完成しなかったんです。
あと、後に実質 後半の監督を引き受けた赤井に言わせると、「庵野が働かないからだ」と(笑)。
「これはダメ」「あれはイヤ」と言いながら、実は自分はあんまり動かないという、高畑勲みたいなヤツなんです。
こだわり過ぎて遅れるんだったら、誰も怒らないんです。
こだわり過ぎるクセに、手を動かさずに遅れるから、みんな怒るんですよね(笑)。
この2本に関しても気になる方ははネットで調べてみて下さいね。
次号につづく。
いかがでしたか?
「え?!それってどういうこと?」「そこのところ、もっと詳しく知りたい!」という人は、どんどん、質問してみて下さい。
番組内で取り扱う質問はコチラまで!
岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2017/09/08
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今回の記事はニコ生ゼミ8/27(#193)よりハイライトでお送りします。
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「【捨てられないTシャツ・シリーズ】 こだわるくせに手を動かさない庵野秀明監督」
では【捨てられないTシャツ】コーナー。
今回は「MATARROW1号」。
これは大阪の僕の店「ゼネプロ(ゼネラルプロダクツ)」というところで売っていたTシャツで、1985年製です。
左上に、「Photo~H.ANO」って書いてあります。
このイラストを描いた庵野秀明のサインですね。
よーく見ると85年4月15日と読めます。
85年4月15日に庵野くんがこれ、このイラスト描いたんですけど、Illustrated ではなく、 Photoとしています。
このイラストを描いた庵野秀明のサインですね。
よーく見ると85年4月15日と読めます。
85年4月15日に庵野くんがこれ、このイラスト描いたんですけど、Illustrated ではなく、 Photoとしています。
庵野君は、“庵野秀明”というミリタリー写真家がこれを撮ったという体(てい)で記してるわけです。
その辺ちょっと凝ってます。
その辺ちょっと凝ってます。
これがどんな機体でどんな映画かというのは、YouTubeで探して見て下さい。
「帰ってきたウルトラマン、庵野秀明」とかで検索すると、すぐ出てきます。
(中略)
『帰ってきたウルトラマン』は、第22回日本SF大会DAICON4の宣伝のためという名目で作り始めた8ミリの特撮映画です。
その映画の中に、MATARROW1号という飛行機が出てきます。
これがその映画の1シーンですね。
セットもミニチュアもこれ全部紙です。
この飛行機、ちょっとわかりにくいんですけども、全長1m近くあります。
なぜこんな大きなものを作ったかというと、庵野秀明がすごいこだわったせいなんですよ。
庵野秀明はその頃、「ウルトラマンは大好きなんだけど、いくつも嘘がある。その典型的な嘘が、ウルトラマンがジェットビートルを持った時の大きさだ」と言ってました。
ウルトラマンがジェットビートルを持つシーンで、ジェットビートルはいわゆるミニチュアっぽいサイズになっています。
「でも違うだろ!」と言うわけです。
「ウルトラマンの身長40mから換算すると、ジェットビートルはかなりデカくないとダメだ。こういう部分で嘘をつくから、子供だましになってしまう」
「だから俺がちゃんと作る『帰ってきたウルトラマン』は、きちんとスケール合わして作りたい」
そう主張したんですね。
そう主張したんですね。
ところが、ちゃんとウルトラマンにスケール合わせてMATARROW1号を作ると、1メートルくらいになっちゃう。
庵野の身長が約175cmだから、ウルトラマンの身長設定の30分の1とか28分の1です。
そのスケールで現用機のジェット機作ったらとんでもない大きさになるんです。
庵野の身長が約175cmだから、ウルトラマンの身長設定の30分の1とか28分の1です。
そのスケールで現用機のジェット機作ったらとんでもない大きさになるんです。
一抱(ひとかか)えくらいの大きさになっちゃうんですよ。
実際、ミニチュアは1mくらいあってですね、ものすごく大変だったんですけども、作りました。
庵野のデザインでは、完全にその当時の現用機、それも海軍機F-4Jのファントムあたりの機首が下がった感じで描かれています。
これもネットにあるからいくつかみてもらえばわかります。
これもネットにあるからいくつかみてもらえばわかります。
六神合体ゴッドマーズとか、超時空要塞マクロスとかもそうだったんですけど、あの当時のカッコいいアニメの戦闘機というのは、全部、機首が下がり気味でした。
庵野もそういうふうにデザインしたんですけど、この写真のミニチュアを見てわかる通り、紙でその下がった機首を再現するのは無理だったので、わりと下半分が平べったい感じになってます。
僕は、この感じが好きだったんですけどね。
DAICON3の翌年、82年の夏に、東京のSF大会で実写映画『帰ってきたウルトラマン』を宣伝のために華々しく公開するはずでした。
ところが、夏になっても映画は完成しなかったんです。
まず、あまりに庵野が凝り過ぎたというのがあります。
あと、後に実質 後半の監督を引き受けた赤井に言わせると、「庵野が働かないからだ」と(笑)。
「これはダメ」「あれはイヤ」と言いながら、実は自分はあんまり動かないという、高畑勲みたいなヤツなんです。
たぶん今、樋口真嗣は同じ苦しみを味わっていると思うんですけど(笑)
もうホントに遅れに遅れて、遅れるんですよ。
こだわり過ぎて遅れるんだったら、誰も怒らないんです。
こだわり過ぎるクセに、手を動かさずに遅れるから、みんな怒るんですよね(笑)。
もう間に合わないということで、その夏のSF大会では『帰ってきたウルトラマン』の完成を一度あきらめて、『愛國戰隊大日本』と『快傑のーてんき』の2本だけ完成させて、SF大会に持っていきました。
この2本に関しても気になる方ははネットで調べてみて下さいね。
『帰ってきたウルトラマン』は、一時凍結。夏休みから庵野はそのまま東京にマクロスを手伝いに行ってしまい、しばらく作業が止まったという状態でした。
次号につづく。
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