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「【捨てられないTシャツ・シリーズ】 『ジョーズ』の怖さの本質はスピルバーグ監督の悪意にある」
(前回からの続きです。)
『ジョーズ』がなぜそんなに怖かったのか。
一人で夜の海を泳いでいたら、下からサメが襲って来ていきなり下に引っ張られ、まず脚を食いちぎられる。
このシーンでも、脚が強調される。
ビーチボートから出てパシャパシャしている男の子の脚が、水中でゆっくりアップになっていく。
次の瞬間、カメラが引くと、水面にガーッと赤い血が噴き出し、男の子が襲われたことが観客にわかる。
三人目は漁師。
船着き場で漁師が肉の塊に、すっごいでっかい釣り針みたいなものに刺して、海の中にどーんと投げ入れる。
漁師二人が「やった!」「やった!」と釣り上げようとしてるんだけど、すごい力で引っ張られて、船着き場が壊れだす。
慌てて2人が逃げるんだけど、焦った一人が海に落ちちゃう。
そうすると、向こうの方に持って行かれていたタイヤがダーッと手前に戻って来るのが見えるんだ。
そのタイヤが、ドンドンこちらに近づいて来る。
船着き場に残っている1人が助けようとするんだけど、海に落ちている方が焦って、壊れた船着き場に上がれない。
そのとき水面から足先が見えた時にさぁ、すっごく安心するんだよね。
4歳か5歳くらいの、まだちっちゃい子供なんだよ。
その子供が、安全なところでオモチャみたいなボートに乗ってるんだよ。
やっと助けられている自分の息子を見つけるんだけど、グターッと倒れたまま水面の上をずーっと引きずられてるんだよ。
小さい子供が引きずられているのをカメラが頭からゆっくり舐めるように撮っていく。
胸、腰と撮って、脚から足先まで映って、ようやく無事なのがわかる。
それまでが、すっごく怖い。
でもスピルバーグのこの演出は悪意があるよね。
それって、「脚が食われているんじゃないか」と、心のどっかで期待もしてるからこそ感じる恐怖なんだよ。
その両方の感情があるからこそ、このシーンが怖く見える。
映画ってこんなこと出来るんだって驚いた。
主人公が焦ってる顔。
その子供を頭から足元までカメラが舐めて行く。
そうやって、自分の中の残虐性とか、それに対して期待している己というのを思い知らされて、ぞっとする。
うわーっ、これってすごいなあー!と思った。
『ジョーズ4』くだらないよ!
本当に。
2、3と回を追うごとにくだらなくなっていくんだよ。
このTシャツ https://goo.gl/a4R3db を買ったのは10年位前、通販で見つけたんだよ。
アミティーアイランドで一番 有名なビジュアルは、砂浜を女の子が寝そべっていて、向こうにサメのヒレだけ見えていてというやつね。
ユニバーサルスタジオジャパンのアミティーアイランドの看板も、やっぱり寝そべっている女の子がそのまま描いてある。
太陽にかかっている雲を横線で表現するという、いわゆる70年代のサーフカルチャーっていうのかな、サーフィン文化というのを前提としたデザインで、アミティーアイランドって入れてるだけ。
まったく『ジョーズ』人気にあやかろうという気がない。
そういうデザインの潔さに惚れて買ってしまいました。
「え?!それってどういうこと?」「そこのところ、もっと詳しく知りたい!」という人は、どんどん、質問してみて下さい。
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