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「【捨てられないTシャツ・シリーズ】 魚が怖い岡田少年が『ジョーズ』と出会う」
「Amity Island NEW ENGLAND・USA」(アミティーアイランド、ニューイングランド、USA)。
夏になったら皆が遊びに行くような島がサメに襲われ、パニックになるというのが『ジョーズ』です。
そこの街に行った時の土産物屋に売っているという体でで作られたTシャツです。
だから、1975年。確か年末だったと思う。
その頃、うちは家族で揃って映画に行くのが当たり前だったからね。
映画館についているレコード屋だから、絶対に上映中の映画のサントラ盤を売っているんだよ、当たり前だけど。
で、毎回それを買って帰るというのが習慣になっていたわけ。
ビニールシートみたいなのを広げて、300円とか250円位でカセットテープを売ってるんだ。
僕はレコード買ってもらったんだけど、僕の姉ちゃんは自分のおこづかい250円出して、その『ジョーズ』のカセットを買ったんだよ。
怖かったから。
僕の姉は隣の部屋で、そのカセットテープを聴いてたんだよ。
そしたら姉の部屋からものすごい笑い声が聞こえてきて(笑)、なにかな?と思って走って行ったらさぁ。
♪サーメッ、、サーメッ、、サーメッサーメッサーメッサーメッ、サメサメサメサメ、サメメ~♪
っ女性コーラスで歌ってるのが入ってて大爆笑(笑)!
その他に何が入ってたかな?
『サウンド・オブ・ミュージック』とか、口だけでやってるやつが6曲くらい入っていたなぁ。
もうそのテープがホントに欲しくてね。
俺だったら絶対大切にしたのに。
もうiPodに落としてでも持ってたのにと悔しかったです。
もともと魚とか苦手でさぁ。
怖いんだよね。
怖いから海の映画というだけでもまともに見れないところに、『ジョーズ』が怖いからね。
こうやって(身を斜めにひきながら横目で)見てたので、『ジョーズ』見てすごく面白いって思ったと言いつつ、その実、画面は半分くらいしか見れてなかったんだよ。
彼女と言わないのは、その子と付き合ってたのか、俺、いまだに分かんないからなんだ。
なんでガールフレンドかって言うと、その子と一緒にやったのは、2日に1回くらい高校からその子の家まで一緒に歩いて帰る、っていうのだけだったの。
その子の家ってのが、高校から歩いて10分くらいなんだよね。
2日に一度の10分だけ。それしかしてないから(笑)。
あれは付き合ってないんじゃないかなぁ? と思うんだけどね。
とにかくその子と1回だけ映画に行ったの。
僕は『ジョーズ』が本当に怖かったから、「じゃあ一緒に見よう」と誘ったわけ。やっぱり梅田OS劇場。まだリバイバルでやっていたからね。
「怖いー!」と女の子。
のはずだったわけ。
ところが、一緒に見に行ったらその子がさ、全然反応しない。
最後まで見てから、その子は真顔で「これ怖いかぁ?」とか言ったんだよ(笑)。
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