映画『カーズ/クロスロード』を見てきました。
凄いんですけど、1ほど凄くない。
でも2よりはマシ。
やっぱりラセターが偉大 過ぎるんですよ。
ジョン・ラセター。
監督でありプロデューサー。
『トイストーリー』を監督した男でもあるんですが、こいつがもう本当に凄すぎるんです。
自ら「宮崎駿の1番弟子」と言うだけあって、本当にジブリと同じ状況になっているんですよ。
ピクサーには他にも有能なクリエイターがいっぱいいるんだけど、ラセターと比べられるとキツイんですよね。
それは、ジブリにも有能な人はいっぱいいるのに、宮崎駿と比べられると辛いのと同じでですね。
宮崎駿がいるばっかりに、ジブリからは2番手3番手が育ちにくい。
結局、面白そうな企画は宮崎駿がやっちゃうのと同じ。
ラセターも、それを感じてたと思うんですね。
それでもやっぱり、すごい企画はラセターがやっちゃうんですよ。
でも今回のラセターは「これを俺がいつまでもやっていたらダメだ!いつまでも俺が現場やっていたらダメだ!俺はサポートする側にまわらなきゃダメだ!」ということで、自分の考えたカーズ3のストーリーを他人に任せたんです。
早目の引退宣言ですね。
こんなトコも宮崎駿の弟子なんですよ。
「俺も、いつまでも現役をやってられないから、早めに引退して、もっと若いヤツにチャンスを与えねば!」ということで『カーズ3』をやらせた。
その『カーズ3』のお話というのが、「確かに主人公のマックィーンは偉大だけども、いつまでもそういうわけにはいかない」という。
『ロッキーシリーズ』みたいに、マックィーンは後から来るものに座を譲って、現役のレーサーでありながらも、彼等を応援する立場にもなるんだという。
なんかね、ラセターの人生一代記みたいな話。
「そんなの、ラセターがやれよ!」と思うんですけどね(笑)。
それを後輩に監督をやらせることで、「どうだ!」という感じだったんですけど、そんなモノを任せられた後輩は「はぁ?」ですよ。
脳では分かってるけど、身体では分かってない。
だから、マックィーンが引退する理由とか、マックィーンに応援されてレースを走る車の交代劇っていうのが、見ている人間の感情レベルで繋(つな)がってないんですよね。
カーズは、ロジカルな部分は整合性があって、セリフも間違いないんです。
でも、見ている人間の感情が乗っていかないので、理屈で説得された不思議なモノになっちゃってる。
それは、監督とか作っているスタッフが、まだラセターの引退を本気で信じてないから。
「ハヤオ・ミヤザキが引退しなかったのと同じように、どうせラセターも現場に帰って来るだろう」と思っていることが関係してるんじゃないかな。
僕は、そう邪推しております。
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