岡田:
元々は12月8日に来て欲しかったんですけど、その日は東京コミコンだったんですよね。
どんなコンベンションだったんですか?
高橋:
あれはサンディエゴのコミコンのやり方で、日本に殴り込んできたんですよ。
岡田:
では、あれは海外のイベントが日本に来たんですか?
高橋:
ライセンスを受けて来ているって話ですね。
ただ出資は日本で集めているので、いわゆるフランチャイズですよね。
ディズニーランドと一緒。
日本のディズニーランドだけは日本の資本で、ディズニーはライセンスしてやってもらってるから。
それ以外のディズニーランドは全部、直営ですからね。
その意味では今回もいわゆるライセンスイベントですね。
岡田:
僕の世代にとってコミコンと言えば、サンディエゴでやっている「アメリカ最大のオタク向けの集まり」じゃないですか。
新作のSF映画の宣伝はすべて行われて、新作のゲームもそこでやる。
「なんでこれが日本に無いんだ!?」という究極のオタクイベントですよね。
それが映画の『テッド2』を見たら『ニューヨーク・コミコン』っていうのが出てきた。
「コミコンって、サンディエゴじゃないの!?何でニューヨークで!?」って思ったんですけど、今はどうなってるんですか?
高橋:
今はシーズンを分けて二つやってるんですよね。
岡田:
じゃあ別にシカゴ・コミコンとか、ボストン・コミコンが、あるわけじゃないんですね。
高橋:
二つだけです。
アメリカでも面白いのは、アメコミの市場ってあまり変わってないんです。
部数も落ちてるかもしれない。
バットマンも全世界のライセンスを合わせても5~60万部ですよ。
岡田:
『三月のライオン』と同じぐらい。
『ドラゴンボール』なんて比べ物にならない。
バットマンめ、でかい顔をしやがって(笑)。
高橋:
だけど、この10数年間の頑張りでアメコミ・ムービーが当たっちゃったんです。
だからアメコミ・ムービーを当てるためのプロトタイプとしてマンガがはやされてる。
だから、いわゆる日本の「原作マンガが当たってるから実写映画にしよう」というのとは方向が逆ですね。
逆に言うとアメコミ・ムービーがたくさん当たってるからアメコミも当たるかと思ったら、ぜんぜん伸びなかった。
だからアメリカのコミックショップはバタバタ潰れてるんですよね。
電子化しちゃったし、Amazonで買えちゃうし(笑)。
岡田:
マーベルって会社はディズニーに買われちゃいましたけど、今はもう出版社じゃないんですか?
高橋:
マーベル・スタジオは映画の製作がメインの会社ですね。
「マンガがあってもいいよ」ぐらいです。
マンガがないと反応が分からないので、マーケット・リサーチとして存在してる感じです。
出版と映像のシェアは、売り上げて言うと1対9とかじゃないですかね。
岡田:
彼らが日本のマンガ原作のムービーを作る時も、まった同じ感覚なんですか?
高橋:
これが素晴らしいところで、「いいアイデアさえあれば、そんなにミリオンヒットじゃなくてもいいんだ」というのが、向こうの映画人の考え方なんですよね。
岡田:
日本のコミコンは、今後もやるんですかね。
高橋:
来年もやると思います。
アメコミもですけど、ムービーもゲームも融合して楽しめるので、ジャパン・アニメの対局にあるものとして毎年やるべきでだと思いますね。
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