中国では始皇帝が紀元前221年に中華を統一して、それから440年たって世は乱れに乱れました。
いわゆる「三国時代」です。
三国時代では、誰もが「始皇帝は天下を統一したんだから、また中国を統一しなきゃいけない」と思ったんだよね。
でも三国志を描いた『蒼天航路』というマンガでは、劉備玄徳は「“天”は一つじゃない」って言ったんだよ。
この作品の主役は曹操だから、劉備はたまに出てきて名セリフを言うぐらいしか役割が無いんだけどね(笑)。
諸葛孔明が唱えた「天下三分の計」とは、「蜀は中立を保って三国時代を作る」という戦略だと思ってた。
そこに劉備は「そうじゃないよ」と言ったんだ。
劉備は「“天”が三つあったら、どの世界に住むのかを選べて、みんな豊かになるじゃないか」という、すごく面白い事を言い出したんだよね。
それに曹操は「あれ!? 面白い!」って思っちゃったんだ。
「これより“天”は三倍に増えて、未曾有の成長の時代がやってくる」
これを負け惜しみと捕らえるのかイノベーションと捕らえるのかは、その人の考え方 次第だよね。
今の日本には“リア充”と“非モテ”と“ドロップアウト”の三種類の民族がいるんだ。
だけど、この三つは対立しないんだよ。
「正義は三つになる」「三倍増しの世界がやってくる」と考えると、未曾有の成長の時代がやってくる。
みんな信じたいものを信じればいい世界。
僕はそれが“乱世”だと思ってる。
僕が考える“乱世”の定義とは、「たった一つの、これまで信じていたもの」が崩れていくこと。
一つの事に無理にこだわっちゃうと「侍になりさえすれば幸せになれる」と思ってた新撰組のような悲劇が起こってしまうんだよね。
“乱世”とは、あらゆる価値観が混在して、どれが正しいとは言えない状態。
それはポリティカル・コレクトネスの思想とは違う。
ポリティカル・コネクトとは、政治的に正しい、男女やあらゆる民族は平等じゃなければいけない、差別をしてはいけないっていうヤツ。
もう面倒だから、これからポリティカル・コレクトネスのことを「ポリ・コレ」って言う事にするよ(笑)。
ポリ・コレとは多様性を認めるように見えるけど、実は違う。
これは「多様性を認めなければいけない」って思想なんだ。
でも、この世界は「白人男性が一番偉い」って考え方もアリだし、「あらゆる民族は平等である」って考え方もアリ。
すでに“価値観”が何倍にもなった世界になってる。
それを分かっているかどうかで、未来の格差まで発生しちゃうと思いますよ。
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