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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2016/11/24
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おはよう! 岡田斗司夫です。

今回もトランプ大統領誕生について語ります。

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「トランプが勝てたのは大統領選挙がキャラ投票だったから!? トランプ大統領誕生!その理由④」

 キャラ投票というと、「ポピュリズムだ!」と反論する人も多いんですね。

 “ポピュリズム”とは何かと言うと「大衆ってのはバカだから、人気で判断しちゃう」って考え方。

 今回のアメリカのトランプでも、「大衆はバカだから、ヒラリーが言ってる難しい政策がわからない。だからトランプが言ってる『アメリカ・グレイト・アゲイン』とか『移民を排除する』ってアジテーションにのっかって、投票したんだ」という浅い分析をする人が、かなりいたんですよね。

 でも実際は違う。

 トランプの当選っていうのは、従来の選挙や政治のあり方に、ワシントン主導のという言い方もできるんですけど「政治家の、政治家による、政治家のための選挙」という仕組み自体に、「NO(ノー)」が出たんじゃないかなと思います。

 これまでの政治家に必要だったのは、政策と人格だったんですよね。
 それは専門バカの視点なんですよ。

 それにプラスして派閥とか、支持層っていう考え方があります。

 たしかにそれも大事なんですけど、大統領選で必要なのは、政策と人格だけじゃ十分じゃないんです。

 これからの選挙に必要なのは、「キャラクター」です。

 たとえばトランプだったら、暴言王というキャラクター。
 本音を話すというキャラクターなんですね。

 ヒラリーはおそらく、キャラクターとして、「自分の夫はホワイトハウスで女子大生に○○させて大統領クビになっちゃった。そんなろくでなし。でも支えるわ!」というキャラクターの方が良かったんですよ。

 「だって悔しいじゃない、ちくしょう!」
 「絶対にアメリカの大統領になってやる!」
 「そのあとで、あの、ビル・クリントン野郎と離婚してやるわ!」

 その方が、キャラが立ったんですね。
 「それだったら大統領に当選できた」と、言ってるわけじゃないですよ。

 ただ、「キャラクターを立て」るという意味では、そちらのほうが、正しいんです。

 実はトランプというのは、その「キャラクター立て」をやってるんですね。

 「4回も破産して、立ち直った」っていうのを「不屈の男」みたいに言ってるんですけど、それは弱点を、ちゃんとキャラとして出してるからなんです。

 普通は、そんな離婚してたり、軍隊に行った事もないっていうのは、「大統領選には不利だ」と思って、隠すんですよ。
 それはワシントン的な考え方なんです。

 それよりは、自分のキャラクター。
 あの変な髪型にしても、暴言にしても、キャラクターとして守るんですよ。

 トランプの大統領になるまでの演説も、二転三転してます。

 あるときは、本当にスピーチ・ライターが書いた、まともな、共和という候補としてふさわしい、ふつうの演説をするときもあった。

 でも「メキシコ人は全部、追い出す」とか、「イスラム教野郎はアメリカに入れない」とか暴言も吐く。

 政治評論家の人は、これを評して「スピーチ・ライターが書いている通りに言えばいいのに、トランプは、ときどき本音が出てしまう。」と言うんですけど、そうじゃないんですね。

 キャラクター付けとして、本人はちゃんと考えてやってる。

 後の調査で分かったように、ヒラリーよりも、そういうキャラ付けをしたトランプの方が、ツイッターとかの発言数の引用が圧倒的に多い。

 その分みんなの印象に残った。
 つまり、キャラクターがついた。

 そういう「キャラクター選挙」というのを読み違えたのが、ヒラリーの敗因ではないかと僕は考えています。


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