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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2016/08/08
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おはよう! 岡田斗司夫です。

今回もネタバレなしで、『シン・ゴジラ』を必ず見なければいけない理由を説明します。

7月31日のニコ生ではネタバレなしで、『シン・ゴジラ』を必ず見なければいけない理由を、説明しました。動画はこちら→http://goo.gl/XoUuXQ
会員限定では、ネタバレありで、「『シン・ゴジラ』がダメな5つの理由」の動画もごらんになれます→ http://goo.gl/0zwf6i

合わせて見ると、納得度が倍増です!

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「ネタバレなし!『シン・ゴジラ』を必ず見なければいけない五つの理由・五つ目」

 ゴジラをちゃんと見に行かなければいけない理由。
 今回は最後の五つ目です。

 五つ目は、“シン・ゴジラは興業的に成功しなければいけないから”なんですよね。

 実は興業的に、もっとも成功したゴジラっていうのは、昭和30年の『キングコング対ゴジラ』で、1255万人が見てるんです。

 当時の日本の人口は9000万人ぐらい。
 これを現在の1億3000万人に換算すると、ほぼ1800万人ぐらい見てるんです。

 日本の興業記録というのは、第一位が『千と千尋の神隠し』で、2350万人。
 二位が『アナと雪の女王』で2000万人です。

 さっきの換算方だと、キングコング対ゴジラって、千と千尋の神隠しと、アナと雪の女王の、次にヒットした映画なんですよ(笑)

 おそらく邦画の実写映画で他に例がないぐらいメガヒットした化け物映画。
 それが、キングコング対ゴジラなんです。
 
 人口の比率で考えると、『タイタニック』とか『ハウル』とか『ポニョ』より見た人が多いというメガヒットなんですよね。

 『シン・ゴジラ』は、そこまでのメガヒットは しなくてもいいんですけどもね。

 今回のシン・ゴジラは、家族向けではないんです。
 見た人は分かるとおり、親が子供に見せたい映画ではないんですね。

 だから、ポニョ や 千と千尋 みたいに、親が子供と一緒に見に行くという手は使えないんですね。

 子供に映画を見せると親が連れて行くから、“動員数”が倍になるんですよ。

 『ポケモン』とか『ドラえもん』みたいな子供向けの映画が、何故いつまでも作られるのかというと、親が連れて行くので動員数が何倍にもなるから。

 本当に簡単な算数なんです。

 ではシン・ゴジラはどれぐらいを目指せばいいのか?

 『踊る大走査線』の2が、1280万人ですね。
 『世界の中心で愛を叫ぶ』が620万人。
 『海猿』とか『おくりびと』でも、500万人が見てます。

 この辺が“大ヒット”といわれる作品ですね。

 実はゴジラ映画はかなり動員に上がり下がりがあります。

 第一作の『ゴジラ』は960万人。
 それで『ゴジラの逆襲』がちょっと下がって834万人。

 『キングコング対ゴジラ』でいきなり上がって1250万人。
 それで『モスラ対ゴジラ』で722万人。

 ここから先は、順調に下がります。

 キングギドラが出てくる『三大怪獣 地球最大の決戦』で、541万人。
 『怪獣大戦争』で513万人。
 『ゴジラ・エビラ・モスラ』400万人。
 『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』が300万人。
 『怪獣総進撃』258万人。

 全部が夢オチな『ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』148万人。
 『ゴジラ対へドラ』ちょっと上がって124万人。

 いけるかなー? と思った『ゴジラ対ガイガン』『ゴジラ対メガロ』98万人と、ついに100万人を割ってしまう。

 この『ゴジラ対メガロ』は「どれぐらい安くゴジラ映画は作れるのか?」という実験作といわれたぐらい、本当に安い映画です。

 Huluでやってますから、ぜひ見て下さい。

 「昭和ゴジラに比べて、庵野ゴジラは・・・」と悪口を言ってるヤツに、「じゃあ、『ゴジラ対メガロ』でいいのかよ!」と言い返してやるのに調度いいですよ(笑)

 『ゴジラ対メガロ』が98万人で、『ゴジラ対メカゴジラ』が133万人。
 『メカゴジラの逆襲』97万人。

 100万人を割って、昭和ゴジラシリーズというのは終焉してしまいました。

 “平成ゴジラ”と呼ばれるゴジラは、320万人も来てるんですね。
 もう怪獣ブームの数に近い。

 もちろん第一作のゴジラに比べれば、3分の1ぐらいなんですけど。

 『ゴジラ対ビオランテ』は200万人。
 『ゴジラ対キングギドラ』で逆に上がって270万人ですね。
 『ゴジラ対モスラ』で420万人。

 この辺りからゴジラが変質してくるわけですね。

 『ゴジラ対モスラ』
 『ゴジラ対メカゴジラ』
 『ゴジラ対スペースゴジラ』
 『ゴジラ対デストロイア』

 これらは350万人から400万人の間ぐらい。
 おそらくゴジラ映画史上で、連続して、めちゃくちゃヒットしてた時代なんですよ。

 そのあと『ゴジラ対デストロイア』で400万人動員。
 次のエメリッヒのハリウッド版ゴジラの日本の動員が、360万人しかいなかったんですね。

 まぁ、充分なんですけど。

 そしてギャレス・エドワーズの2014年版のゴジラは、218万人しか入っていないんです。
 なので、ハリウッド版のゴジラをやったからといって、日本で興行成績が取れるとは限らないんですね。

 それよりは、『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』という作品の方が、興行成績的には良いんですよ。

 今回の庵野くんのシン・ゴジラは、予算が13億円ですから、かなりお金をかけています。

 「やっぱりゴジラって、お金をかけて、才能があるヤツにきちんと作らせたら、いいものが出来て儲かるんだ!」
 そう思わせるためには、おそらく動員数500万人が必要じゃないかなと、僕は読んでいます。

 これは、かなりキツイです。

 デストロイアやスペースゴジラの頃のゴジラは、親が子供を連れて行ける映画だった。
 だから動員数400万人から500万人って数字が可能だったんです。

 今回のシン・ゴジラは、1回 見た人が「これは、いい!」と言って、3回も4回も見なければ、なかなか届かない数字なんですね。

 本当に他の人をさそってでもいいんです。
 無理だったら、一人で何回も見に行くしかないと思います。

 マジメな話、シン・ゴジラって、キャラクター人気で引っぱっていけるような作品じゃないんですね。

 ガールズ&パンツァーって延々と続編が作られる形になったんですけど、それはキャラクター商品をどんどん出していけるからなんですよ。

 今回のシン・ゴジラは、見た人なら分かるとおり、キャラクター商品が売れるような作品じゃないんです。
 なので、みなさんがシン・ゴジラを劇場へ見に行かなければ、“こんな映画”が終わってしまうからなんですよ。

 五つ目は、そういう理由です。

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岡田斗司夫
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