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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2016/08/06
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おはよう! 岡田斗司夫です。

今回もネタバレなしで、『シン・ゴジラ』を必ず見なければいけない理由を説明します。

7月31日のニコ生ではネタバレなしで、『シン・ゴジラ』を必ず見なければいけない理由を、説明しました。動画はこちら→http://goo.gl/XoUuXQ
会員限定では、ネタバレありで、「『シン・ゴジラ』がダメな5つの理由」の動画もごらんになれます→ http://goo.gl/0zwf6i

合わせて見ると、納得度が倍増です!

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「ネタバレなし!『シン・ゴジラ』を必ず見なければいけない五つの理由・三つ目」

 シン・ゴジラを必ず見なければいけない理由の三番目ですね。
 今回のゴジラは強いんですよ。

 デザインも強さも、桁違いに いい。
 今回は、普通のカッコ良さは、捨てたんです。

 たとえば昭和の後期のゴジラ。
 目がパッチリとして、鼻がブタ鼻みたいになってるやつですね。
 こういうゴジラは、僕はあんまり好きじゃなかったんですよ。

 “ゴジラ”っていうのは、目がパッチリしているような存在ではない。
 怖ろしい獣だろうと思ってたんです。

 「目が小さければいいのか?」というと、エメリッヒ版のゴジラ。
 エメリッヒ版のゴジラは、形としては面白いんです。
 だけど生物感を優先するあまり、怪獣とは違う物になってしまってるんですね。

 ウルトラマンの中にエメリッヒ版ゴジラが出てきたら、人気が出るのか?
 多分、あんまり人気が出ない。
 そんな面白くない形になってしまっていると思います。

 今回のゴジラは、“いわゆる”のカッコよさを、すべて捨てたんですね。

 ここ20年ぐらいのゴジラは、カッコよさを出すために、胸板を厚くして、背筋をピンと伸ばして、格闘家のような体格になってたんですね。

 僕は、それはあんまり好きじゃない。
 “普通のカッコよさ”と、“怪獣のカッコよさ”は、違うと思ってるから。

 昔、江川達也と口論をしたことがあるんだ。
 江川達也が「俺がゴジラを描くんだったら、もっとマッチョに描く」と。
 いわゆるマーベルヒーローみたいに描くべきだと。

 俺は「違うよ!」と。

「ゴジラは、もっと怖いものなんだから、人間の筋肉とは違う。
 異形として描かなきゃいけない。
 どちらかというと、水木しげる っぽく描いた方が、いいぐらいだ!」

 と、いう事で、大喧嘩になった事があるんです(笑)

 今回のゴジラは、あきらかに“異形”の方向で作ってくれた。
 これまでのゴジラから、最初のゴジラに戻れたカッコよさが出たと思うんです。

 次に強さですね。

 これまでのゴジラシリーズでは、“ゴジラの強さ”を間違えてるんです。
 それは、もうモノクロの時代から、現代に至るまで、ほぼ全部です。

 “強さ”を描くには、“敵”をちゃんと描かなきゃダメなんですね。

 ドラゴンボールを見れば分かるとおり、敵が強いから、悟空の強さが分かるんですよ。

 ゴジラ映画で描かなきゃいけないのは、“自衛隊が、どれほど強いのか”
 それをちゃんと描かないと、ゴジラの強さが成立しないんですね。

 「自衛隊の戦車や、超兵器がやってくる。ゴジラはそれにも負けません。」
 そんなことを どんなに描いても、それは絵空事でしかないんですね。

 今回は、ゴジラの敵としての自衛隊が強い。
 「本当に武器を使用するぞ」っていう承認を、何回も何回も取るんです。

 この“武器の承認”のやり取りをするだけで、「えらい事が起きるんだ」というのが、見ている人に伝わるんですね。

 その結果、最終的に“ゴジラの強さ”が、現れるんです。

 具体的なシーンになるんですけど、戦闘ヘリでコブラというのが出てくるんです。
 それが兵装選択をします。

 ゴジラと戦うために、右手の親指で兵装選択トリガーというのを動かすんですね。
 いわゆるゲーム機のジョイスティックみたいなやつ。
 それをコンコンコンと動かして、もう片一方の手で赤い発射レバーを握るシーンがあるんです。

 これをちゃんと描いた怪獣映画って、本当に無いんですね。

 そうやって自衛隊の通常兵器の良さを、ちゃんと描いてある。

 コブラが三連砲ガトリングを使って、次に30mmの機関砲を撃つんですけど、ちゃんとそれぞれの弾が違うんですね。

 ガトリング砲の20mmの弾と、30mmの機関砲の弾が違う音を出す事によって、「兵器が段々とスケールアップしてる!」ってことが伝わるんです。

 そして最後にミサイルが飛んでいって、F2戦闘爆撃機からの爆撃という流れになってるんですね。

 兵器使用の制限を一つ一つ外していくシーンを見せる事によって、自衛隊が持っている武器の強さと怖さが分かる。
 そして、そんな自衛隊でも勝てないゴジラのすごさが、ようやく伝わるんです。

 今回は本当に一作目のゴジラ以来、初めてゴジラが強く見えた『ゴジラ』になりました。

 あとは超兵器を出さなかった事ですね。

 1984年の『ゴジラ』ですら、スーパーXを出してしまったのに、今回は超兵器をいっさい出さずに済んだ。
 それは“ウソは一個だけ”という物語の原則を、ちゃんと守ったからですね。

 「ゴジラに対抗する新兵器を」と言った瞬間に、もう大ウソになっちゃうんです。

 それは、ホラー映画で霊能力者のチームを出すようなもの。
 そんなのは、出しちゃダメなんですよね。

 出したいのは分かるけど(笑)

 霊が出て、そこに霊能力を出したら、ウソが二個になっちゃうからですよ。
 それはダメです。

 ウソは一個までだと思います。

 “ゴジラが強い”という事を、ちゃんと描けたのが、今回のゴジラのすごく良いところ。
 これがゴジラを見るべき五つのポイントの三つ目です。

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『シン・ゴジラ』を一度見た人も、もう一度見たくなる内容です!

 前回の7/31 放送の「『シン・ゴジラを見なければいけない5つの理由』では、ネタバレがなしのまま、絶対にみたくなる見事な解説をしました。
 また限定放送の『シン・ゴジラがダメな5つの理由』は、ネットでも大きな注目を集めています。

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