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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
岡田斗司夫の毎日ブロマガ 2016/08/03
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おはよう! 岡田斗司夫です。
今日は、5月22日(日)ニコ生 岡田斗司夫ゼミ のハイライト動画をお送りします。
岡田斗司夫の最新生放送はこちらです⇒http://ch.nicovideo.jp/ex
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3分動画「『ナディア』とは何か?3分アニメを4クールアニメに!」
(※3分動画は、3分では無い場合があります)文章はこちらに掲載しています↓
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元々、『不思議の海のナディア』 という作品は、ダイコンⅢオープニングアニメのリメイクなんです。
もちろん誰も、こんな事は言ってない。
これは「僕はこう思っている」というだけの考えですよ。
ダイコンⅢのオープニングアニメっていうのは、いろんな場所に女の子が行く。
後ろからロボットが追いかけてくる。
そこで、いろんな破壊が行われて、最後にその女の子は一人で立ち尽くす。
滅びた世界で呆然としながら、ダイコンに水をあげる。
するとと、そこに宇宙船が出てくるという奇跡が起こる話なんです。
水をあげたからって、ダイコンが宇宙船になる理由は無いですよね。
でも、それをした事によって、まるでストーリーが繋がってるように見えるんです。
おそらく、これは山賀と赤井が作ったストーリーライン。
だけど、庵野のDNAに、ものすごく刻まれちゃったと思うんです。
不思議の海のナディアでも、ナディアがいろんな世界に行って、後ろから いろんなヤツが追いかけてくる。
それによって、行った世界では破壊しか生まれないんです。
それはナディアが一緒に乗っている船でも潜水艦もそうです。
アトランティスの基地もそうですけど、すべて崩れていく。
ナディアは、死の女王みたいなものですね。
特徴的なのは、庵野秀明という監督は、ナディアの“ブルーウォーター”にまったく興味がないんです。
「ザ・シークレット・オブ・ブルーウォーター」というのが、不思議の海のナディアのサブタイトルなんです。
だけど“ブルーウォーター”が、何だったのか、最後の最後まで一秒たりとも解説を入れないんですよ。
これは最初から、そうだったわけではありません。
僕とか貞本義行とか前田真弘は、「ブルーウォーターとは、実は○○だった」ってストーリーを入れてたんです。
けれども庵野秀明は、それよりも登場人物が最後に誰と結婚したかとか、そっちの方に分数を使った。
結局、そのアトランティス人って何だったのか?
ブルーウォーターとは何だったのか?
庵野秀明は、その事にまったく興味を持たないんですね。
その辺が、庵野秀明とSFとの差なんですよ。
スティーブン・キングに『トミーノッカーズ』という小説があります。
遥か昔に宇宙人が来て、宇宙人の宇宙船が地面に埋まってた。
その宇宙船から、変な電波みたいなものが出てる。
アメリカの田舎町の人達が、宇宙人の宇宙船のために、奴隷になる洗脳をされていくって話です。
主人公は宇宙船の近くに住んでいて、その力と戦うという話なんです。
これはSF小説に見えながら、ホラー小説なんですね。
最後まで、“トミーノッカーズ”という存在が何なのか、分からない。
その宇宙人の目的も何も書かれていない。
ただ単に、ホラーの素材として、吸血鬼とかゾンビとかと同じように宇宙人が使われている。
「宇宙人が、地球人の体を徐々に変えていったら怖いよね」という設定の為に使ってるんです。
同じように、庵野秀明にとっての『不思議の海のナディア』の“アトランティス人”や“ブルーウォーター”は、すべてはシチュエーションを作るための道具にしか過ぎないんですね。
「SFはホラーに近い」
貞子と同じようなものです。
貞子を殴ろうとする人は、あまりいないですよね。
「貞子なんて、単にテレビから出てくるだけの女じゃないか」
そう思って、貞子を殴ろうとする人はいない。
そうじゃなくて、不気味で怖くて絶対に敵わないものとして考えちゃうんです。
僕は、「ナディアは、ダイコンⅢのオープニングアニメだ」と言いました。
さっき言った、ダイコンⅢのオープニングアニメの中のストーリーの破綻。
「なんで水をダイコンにかけたら、宇宙船になるんだ?」
それを僕たちは「これは3分のミュージックビデオだから」という事で、解釈したんです。
それを、30分ドラマにして全39話かけてやる度胸は、僕らになかった。
だけど、庵野くんにはあったんですよね。
庵野くんの中では、そんな理屈を描くよりは、シチュエーションが優先だった。
『トミーノッカーズ』のように、説明しなくてもよい。
キャラクター達は、どう振舞うのか?
論理性は置いておいて、奇跡が起きる瞬間で、人を感動させたい!
そう強く思ってるんですね。
すごく変わった作家です。
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