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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の解決!ズバっと 2016/06/28
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おはよう! 岡田斗司夫です。
メルマガ読者の方から、多数質問をいただいています。
かたっぱしから答えてみましょう。

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「『シン・ゴジラ』の予告編が3.11を彷彿とさせます」

 岡田さんは『シン・ゴジラ」の予告編は見ましたか?
 個人的には“3,11”の震災を彷彿とさせるイメージを多く使って、災害を表現しているように見えました。
 このような表現を取る以上、今回の熊本の震災を受けて、公開延期やシーンのカットなど、自粛などの対応も考えられると思うのですが、岡田さんはどう考えますか?
  
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 それとこれとは別の問題でしょう。
 
 「第二次大戦を経験したので、戦争映画は作れない」という理屈は成立しません。
 同じように「大災害があったから、その表現を自粛しましょう」というのは問題が別だと思うな。

 表現の自粛はしなくていいけど、震災を受けた人たちに気を使うのはアリだと思うよ。
 たとえば映画のCMの自粛はアリかもしれない。
 でも映画の表現の自粛はやるべきではないんだ。


■表現と宣伝・告知の自粛は別で考えるべき

 表現の自粛は誰の幸せにもならない。
 その辺は、みんなが間違えちゃう所だよね。
 宣伝や告知の自粛レベルで考えるべき事と、表現自体を自粛するべき事。

 コメント「警鐘にはならないの?」

 そんなことを言ったら「怪獣映画で震災を語るな!」という面倒くさいヤツがいっぱい出てくる。
 だから宣伝や告知は、本当に気をつけたほうがいいと思う。
 でも映画の表現は、ゆるめるべきじゃない。

 これは漫画や小説を書くときも同じだよね。
 漫画や小説の表現は、だいたい何を書いても許されるべきなんだ。
 でも、それを宣伝したり、本屋さんのどこに置くかは、また別問題だと思う。

 これがコミック規制の問題に繋がってくるわけだよね。
 コミックで何を描いてもいいけども、本屋さんのどこに置くかは規制をかける。
 これが、おそらく一般的な良識になってきてると思う。

 それらをすべて自由にしようとすると、極端な人しか付いて来ない意見になっちゃう。
 でも内容まで規制するとなれば、漫画を好きじゃない人の意見になってきてしまうからね。

 
【まとめ】
 表現の自粛と宣伝・告知の自粛は別の問題と考えるべきです。
 表現に関しては何をしてもいいと思いますが、それを宣伝するには気をつけることが必要です。