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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の解決!ズバっと 2016/06/12
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おはよう! 岡田斗司夫です。

昨日のメルマガで朝日新聞『悩みのるつぼ』の相談文をお届けしました。
今日は、いよいよ回答文もお届けします

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相談 「独身生活の知恵教えて」

 47歳の独身男性です。
 1度、結婚生活をしたこともありますし、今まで女性を切らしたことがありません。

 お付き合い期間中は誠実に一人の女性を愛してまいりました。
 そして、お付き合い期間中、彼女とべったりするだけではなく、ボランティアをしたり、ジムへ行ったりするなどで自分の時間も作ってきました。

 先日、2年間付き合った彼女と自分からお別れし、急に将来不安に駆られています。
 今までそのような感情に落ちいった経験が1度もなく、彼女を作る自信もあったのですが、47歳で彼女もなく、独身であることが不安でたまらなくなりました。

 結婚もしたいし、子どもも持ちたいと考えていますが、これからの残りの人生を考えたときに、結婚生活を1からやっていけるのか、また出会いはもうないかもしれないかも、などと考えてしまいます。

 さいわいなことに、親は元気で過ごしてくれているのでそこだけは感謝しています。
 最悪のシナリオとして、これからの人生を、一人で生きていくかもしれないと思うと夜も寝付けません。

 結婚をあきらめた人は、どのような取捨選択をし、気持ちを切り替えたのか。
 また、独身でも充足した人生を送れるような、の心のもちようを教えてください。
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岡田斗司夫の回答文


 ヘンなたとえ話します。

 アマチュア野球って、甲子園目指して、終わったら18か22で普通に進学や就職です。
 プロ野球に行く人は野球を続けますが、それでも30才ぐらいでプロを引退し、第二の人生を始めます。

 野球のたとえで考えると、若いうちに結婚する人たちは、甲子園という「若い頃の恋愛」が終わったらさっさと結婚に切り替えます。
 早いうちに選手引退して、家族を作り、第二の人生を始めます。

 もちろん結婚しない人も多くいます。
 そういう人たちは20代後半~40代後半までにゆっくりと「ひとりで生きるかも知れない人生」の覚悟と準備を進めているんです。

 家族を作る人も、ずっと生涯を独身で過ごす人も、統計データで見れば、いまや「当たり前」です。
 でもあなたはそういう「当たり前」になれない。
 「家族を作るという第二の人生」も「ひとりで生きる人生」も、準備も覚悟もしてなかったからです。
 たぶんあなたは「プロ恋愛選手」だったんですよ。
 47才まで現役、つまりモテ続けてしまった。
 だから引退を意識もせずに、バツイチなのに恋愛をずっと続け、彼女の切れ目がずーっとない状態を維持してきました。
 
 これ、プロ恋愛選手としては、すごく優秀な成績です。
 だからこそ引退が怖い。

 プロ棋士や落語家は「引退したら自分がカラッポになる。だから生涯、現役でいたい」と語ります。
 あなたも同じです。
 
 モテなくなったあなたは、恋愛以外、何も無いカラッポなんですよ。
 仕事しか生きがいの無いお父さんが、定年の後、妻に熟年離婚を言い渡されてしまったような気持ちでしょうか。

 そりゃがっくりくるし、不安になって当たり前です。
 
 となると、やることはひとつ。
 カラッポな自分をなにかで満たしましょう。
 趣味を始めてもいいし、なぜかこの相談文にひと文字も出てこない「仕事に打ち込む」もできるはずです。
 若い頃から「プロ恋愛選手」として生きてきたあなたは、やっと自由になれました。
 これからは「好きなこと」を見つけ、恋愛に奪われた人生を取り戻してください。
 ちなみに僕があなたなら、とりあえず離婚した元妻に相談してみると思いますよ?
 これまで作ってこなかった「友達」を作るチャンスですから!