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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の解決!ズバっと 2016/06/01
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おはようございます。

今日は『解決!ズバッと』はお休み。
岡田斗司夫が、1995年から2001年に「テレビブロス」誌で連載していた『オタクの迷い道』から、セレクトしてお届けします。

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連載第32回「面白いけどツラいマンガの話」 

 
 NHK・BS放送の「BSマンガ夜話」という番組に出演した。
 毎回一つのマンガをネタに、数名のマニア達が徹底的に読み込む、という深夜番組の生番組だ。
 
 水が上から下へ流れる如く、話は濃い方へ濃い方へ流れる。
 番組に花を添えてくれるハズの女性陣は口をはさませてもらえない。

 何しろ番組が終わっても深夜の吉祥寺のファミレスでマンガ話の続きをするほどの「語り好き」ばかりである。
 楽屋も高校のマン研みたいな雰囲気だ。
 

 そんな楽しい仕事にも辛いことは待っていた。
 1月7日放映分のネタが「スラムダンク」なのだ。
 「スラムダンク」は昨年連載が終了した、コミックスの売り上げ一位(初版部数230万部!)という超メジャーマンガ。
 ところが平均年齢40歳のオジサン出演者達は、70年代のマンガなら資料も見ずに朝まで語れるのに、誰もスラムダンクをちゃんと読んだことが無かった。

 当然、まず全31巻を読むことから始めなければならない。

 「正月休みに読んどこうと思ってたのに、今日一日で読むことになっちゃったよ」と嘆く大月隆寛。
 「オレもまだ1/3しか読んでないよぉ」といしかわじゅん。
 「そんなこと言って、もう2/3位読んでるじゃないのぉ?」ほとんど試験勉強か宿題のノリだ。
 
 「おれ、明日出演じゃなくて良かった」という夏目房之助は、世界史を専攻してなくて喜ぶ理系学生。
 「そんなことよりエヴァの話、しようよ」という大月は、つい得意な教科ばかり勉強していまうタイプ。
 僕も今、一夜漬けの最中。
 予想以上にすごく面白いんだけど、放映まであと2時間で、今15巻目。
 ずぇったい間に合わないよぉ。


以上、『オタクの迷い道』よりお届けしました。