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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の解決!ズバっと 2016/05/15
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おはよう! 岡田斗司夫です。

昨日のメルマガで朝日新聞『悩みのるつぼ』の相談文をお届けしました。
今日は、いよいよ回答文もお届けします

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相談 「母親が『大学院に進め』と言ってきます」

 4月で大学3回生になりました。
 20歳の女性です。
 
 今までの大学2年間はあっという間に過ぎていきました。
 そろそろ、就活のことも考えないといけない、将来したいことを明確にしなければならないな、と近頃思っていました。
 そう思っていた矢先、母親から電話がかかってきて、「大学院に行って」と言われました。

 母親が言うには、私がいま通っている大学を卒業して、それがそのまま私の最終学歴になることが許せないというのです。

 つまり、今通っている大学以上のレベルの国立の大学院に進みなさい、とのことでした。
 私はそのあと、悲しくなりました。
 
 自分の人生であるのに、どうして親に言われた通りに生きなければならないのでしょうか。
 そして、学歴だけで人は判断されてしまうのか、と。
 やはり社会に出ると、周りの人はみんな学歴しかみてくれず、学歴で判断するのでしょうか?
 それとも親の意見に構わず、自分のしたいことに突き進んでいってもいいのでしょうか?

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岡田斗司夫の回答文


 「学歴だけで人は判断されてしまう?」
 「社会に出ると、みんな学歴で判断する?」
 
 答えはすべてノーです。
 私が低レベルの人生回答者なら、うっかり「なぜ違うのか」をえんえんと語ってしまうところでした。
 私が中レベルの回答者なら、「でも実は、あんがい学歴って大事かもよ」と語るでしょう。
 ずば抜けた実績や能力、またはコネがない限り、学生の就職活動は学歴に頼るしかないのも事実だからです。
 
 さて、自分で言うのもなんですが、私は高レベルの回答者です。
 なので低レベル・中レベルの回答を踏まえた上で、お答えしたいと思います。
 
 まずは低レベル。
 
 あなたは傷つき、怒ってムカついています。
 母親に「今の大学になんか卒業してもムダ」と言われ、あなた自身も心の一部で「そりゃそうだ」「でも、いまさら言われても困る」と思っちゃったから。
 
 自分の実績を否定されたら悲しいですけど、もっと悲しいのは、自分でもなんとなく納得できちゃうからです。

 次は中レベル。
 
 「学歴だけかよ」という嘆きはどれぐらい正当なのか?
 母親の「もっとレベルの高い大学院に」という発言に動揺しちゃうのは、説得力はあるけど「なんか違う」と思うからです。
 
 過去の学歴社会しか知らない母親は「レベルの高い学歴は有利だ」と主張する。
 でも最新の就職戦線に生きるあなたは「いまさら大学院に行っても、逆に不利だ」という知識を持っている。
 
 ところが、「違う」と反論はできても、「じゃあこうする!」という明確な進路は出せない。
 だから母親の言うことに対して疑問や反対しか言えず、将来がものすごく不安になっちゃうわけです。
 
 ここからは高レベルの答え。
 準備はいいですか?
 
 学歴とは「売り=セールスポイント」のひとつです。
 学歴・実績などの「わかりやすい売り」がない人には買い手がつきにくい。
 だから「やりたいこと」を探して就活しても買い手がつかず、しんどいだけ。
 
 逆を考えましょう。
 
 どこでも構いません。雇ってくれる会社でもお店でも見つけたら、とりあえず働いちゃうんです。
 「やりたい仕事で働く」ではなく「とりあえず働いた先で、やりたいことを見つける」がポイント。
 母親や自分のプライドを納得させるのは、ずっと後回しにしましょう。
 本当にしたいことよりも「自分はどう役に立つのか」を考えた方が、たぶん幸せになれますよ。