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岡田斗司夫のニコ生では言えない話
 岡田斗司夫の解決!ズバっと 2016/05/11
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おはようございます。

今日は『解決!ズバッと』はお休み。
岡田斗司夫が、1995年から2001年に「テレビブロス」誌で連載していた『オタクの迷い道』から、セレクトしてお届けします。

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連載第24回「インディペンデンスディはサイコー!!」 

 その昔、「スーパープレジデント」というアメリカ製TVアニメがあった。
 アメリカ大統領がいざとなるとスーパーマン(!)に変身するというすごい設定だ。
 
 やっつけるのは、宝石泥棒からギャング団、宇宙人、海底人まで節操がない。
 もちろん秘密基地はホワイトハウスの地下にあり、空飛ぶ車で現場まですっ飛んでいく。
 アメコミ調の絵で、ノーテンキな話。
 
 このトンデモ感が結構気に入っていた。

 さてこの間、アメリカで「インディペンデンスディ」という映画を見た。
 最新のSFX技術を駆使した娯楽映画で、全米興行記録を次々と塗り替え続けている超ヒット作である。
 まず、NYやロスが宇宙人の攻撃によって次々と廃虚にされていく描写が驚くほどリアル。
 大統領の政治的判断のシーンもステロタイプじゃなくリアリティがある。

 感動、感動で見ていると、その映画のクライマックスシーン「よ〜し、いよいよ人類の反撃だぁ」というところで、アメリカ大統領がいきなり、押入から銀のヘルメットを出して来るのだ。
 
 「まさか!!」と思う間もなく、ジェット戦闘機に乗り込み「オレが先頭だ!」と叫んで、ミサイルをバンバン撃ちまくる。
 
 コードネームはイーグルワン。
 かっちょいい〜!!

 映画館中のアメリカ人が大感動で目がウルウルしている中、僕は「スーパープレジデント」を思い出して大爆笑してしまった。
 気がつかなかったが、僕の笑い声は映画館中に響きわたって、何人ものアメリカ人が不快そうに振り返っていたいたらしい。
 一緒にいた友人に「あの時は暴動が起きるかとハラハラしましたよ」と忠告された。
 そうだったんだ。生きててよかった。ドキドキ。


以上、『オタクの迷い道』よりお届けしました。