大会後恒例!RIZIN広報・笹原圭一さんの大晦日総括19,000字です!(聞き手/ジャン斉藤) 


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新年あけましておめでとうございます!

笹原 おめでとうございます。今回の大晦日も本当に疲れました……。

――
いまは1月1日のお昼12時。RIZIN事務所で取材させてもらってますけど、ご自宅には戻ったんですか?

笹原
 いや、さいたまスーパーアリーナから事務所に明け方の4時頃戻っていろいろと雑務をこなして、仮眠していたところを斉藤さんに叩き起こされて、2025年の最初に顔を合わせたのでが斉藤さんという不吉な1年が始まったところです(笑)。

――
七福神っぽい佐伯さんじゃなくてすいません!(笑)。年越しはメインの鈴木千裕vsクレベルの第3ラウンドがちょうど始まったときでした。

笹原
 大会途中に「この進行なら24時前に終わるかもしれない」という話をしてたんですけど、最終的には年を越しちゃいましたねぇ。それでも“許せる時間”に終わったんじゃないかなと。

――
これでも“許せる時間”(笑)。

笹原
 だって深夜2時にメイン開始もありえたじゃないですか。あれだけ1ラウンド決着が続いても、こうして年を越しちゃうわけですから。

――
こないだ飯伏幸太vs佐藤光留の興行は歌舞伎町の深夜2時開始でしたけど、ナチュラルにやりかねなかった(笑)。今回の大晦日はケガ人が続出して予定どおりにマッチメイクが進まなかったんですが、それでも面白かったです!

笹原
 あたりまえじゃないですか。誰がマッチメイクしていると思ってるんですか?

――
もしかして、おとそを飲みすぎてますか?(笑)。

笹原 ハハハハハ。PRIDEの頃からですけど、苦しいときこそ「何かできないか?」ってギリギリまで粘っているので、「あれ?俺は今何をやってるんだろ?」ってわからなくことがけっくあるんですよね(笑)。

――
ライアン・ガルシア戦が消滅した安保瑠輝也は正直、欠場でもよかったですよね。

笹原
 そうなんですよね。カリミアンとの体重差だと安保選手が負ける可能性だってありますし。当初は「無理せずに行こうか」みたいな感じだったんですけど、例によって社長が「笹原、格闘技はギャンブルだからさ」とか言い出したんですよ(笑)。

――
ハハハハハ。地獄のギャンブラーが腕まくりしましたか!

笹原
 そういう会話をしているときって、大会も迫っていて冷静じゃないというか、頭が回ってないので、「ですよね。社長、全額ベットしましょう!」みたいに答えちゃうんですよ(笑)。

――
大晦日っぽいですねぇ(笑)。今回の大晦日は出場選手44名ですけど、計量ミスが1人もいない。水抜きがマストの現代MMAだと2~3名出てもおかしくないですよね。

笹原
 これ、かなりすごいことなんですよね。女子ワールドカップで初優勝した、なでしこジャパンのように選手全員が国民栄誉賞をもらってもいいくらいですよ!(笑)。

――
いきなり国民栄誉賞をもらったら、初参戦のホセ・トーレスも困惑しますよ(笑)。

笹原
 今回一番恐れていたのはインフルエンザです。めちゃくちゃ流行っていたじゃないですか。

――
大晦日にボクシングの井岡一翔がタイトル挑戦するはずだったのが、相手の王者がインフルエンザで土壇場で欠場になっちゃいましたねぇ。

笹原
 いや、他人事ではなかったんですよ。じつは何人か罹った選手もいたんですけど、大会前までに治ってギリギリに間に合ったんです。クリスマスくらいに選手や選手の関係者から電話やLINEが来るとビクビクしていました(笑)。

――
それにしても44人全員がクリアって、誰か危ない選手とかいなかったんですか?

笹原
 伊澤星花選手の相手だったルシア・アプデルガリムが時間ギリギリだったんです。最初は200~250グラムオーバーだったのかな。ルシア側のセコンドが「巌流島は許容してくれた」とか騒ぎ出して、柏木さんが烈火のごとく激怒したんですよ(笑)。

――
「巌流島と一緒にするんじゃない」と(笑)。

笹原
 ルシアは最後は髪を切ったんですよね。藤波辰爾の飛龍革命のように前髪をチョキチョキ切っても、200グラムは落ちないんですけど。柏木さんいわく「後ろ髪は編み込んでいて汗を吸い込んでるから、そこを切ったことで落ちたんじゃないかな」と。

――
藤波さんのばりに「200グラムを許容してくれる巌流島がいい。こんなRIZINやめてやる!」と切ったわけですね(笑)。

笹原
 ブレイキングダウンの選手も、「体重?そんなの関係ねーよ!」とか言ってイスを振り回して暴れ出す人がいるんじゃないかと思ってビクビクしていたら、全然そんなことなくて(笑)。しっかりクリアしてくれました。

――
モラルは「ブレイキングダウン>>巌流島」でしたか(笑)。大会前のドタバタでいえば、ライアン・ガルシアがケガでボクシングマッチを欠場。MMAのハードファンからするとボクシングは見たくないから「よかった」という声があちこちからあがってますよ。

笹原
 来日したらライアン・ガルシアの面倒を見なきゃいけなかった柏木さんが一番喜んだかもしれません(笑)。

――
超RIZIN3をゲスト観戦したときのライアン・ガルシアの素行は酷かったらしいですよね(笑)。

笹原
 たぶん柏木さんが本を1冊出せるくらいの話があると思います(笑)。

――あと笑ったのは大会中に「ライアン・ガルシアからたったいまメッセージが届きました」というアナウンス。そば屋じゃねえんだからと思って映像を見たら、編集も雑で字幕もなしでホントにいま届いたんだなと。

笹原 本当に大会中に届いて、ギリギリ間に合ったんですよ。

――
ライアン・ガルシアvs安保瑠輝也はホントに仕切り直せるんですか?

笹原
 そこは大丈夫です。あとは配信パートナーのファンミオの本拠地のフロリダでやるのか、それとも日本でやるのか、そこの調整と、ライアンのケガの回復状況次第かと思います。

――
この試合が決まったときに、ライアン・ガルシアとプロモーション契約しているゴールデンボーイ代表デラ・ホーヤが「試合をさせない」と発言してましたけど、それが尾を引いてるわけではないと。

笹原
 そこも全然問題ないです。あんまりごちゃごちゃ言うんだったらオスカー・デラホーヤvsカルシャガ・ダウトベックとか組みますよ(笑)。

――
異次元過ぎますよ!ボクシング界からすると「RIZINはめんどくせえなあ」って思ってるはずですよね。

笹原
 国内からも、海外からもそういう目で見られているでしょうけど、ウチは小規模な「お笑い格闘技イベント」なので、そんな目くじら立てなくても大丈夫ですよ、と言いたい(笑)。

――
というわけで、ライアン・ガルシアの欠場でボクシングパートが消えて『雷神番外地』とRIZIN.49の2部構成になりました。

笹原
 3部構成だったときは、『雷神番外地』は4~5試合くらいの構想だったんですよ。

――
穴埋めのために『雷神番外地』の試合数を増やすことになった。

笹原
 そうなんですよ。でも、ブレイキングダウンが12月の頭にあったり、ジョリー選手、井原(良太郎)選手や西谷選手がケガをしていたり、出られない選手が多くて。未来選手はブレイキングダウンの中でも強さが売りの選手やジャパン・トップチーム(以下JTT)の選手を並べたかったんですけど、こっちはノッコン寺田、瓜田純士、こめお、醤油ニキみたいなのを想定していたので、こりゃ全然話が噛み合わないぞと(笑)。

――
さすが「小規模なお笑い格闘技イベント」RIZIN(笑)。

笹原
 当然ブラックローズやK-1さんとの調整もありますし。加えて体重の話や、MMAだけじゃなくてキックルールもある。それもグローブなのかオープンフィンガーグローブなのかも擦り合わせるなきゃいけないし、時間のないなかでよくまとまったと思います。

――そういう無法地帯みたいなところをまとめるのはRIZINの真骨頂ですよね。

笹原
 真骨頂というか、いつもそんなことばかりしているので2025年こそはこの無法地帯から抜け出したいですよ!

――
2025年の笹原さんの目標は「脱・無法地帯」ということですね(笑)。

笹原
 それにしても『雷神番外地』で一番よかったのはK-1の朝久泰央選手ですよね。朝久選手は試合内容も素晴らしかったんですけど、K-1からは他にも候補がいる中、真っ先に手を挙げたんですよ。


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