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スーパーアトム級GP準決勝に進出した
パク・シウインタビューです!(聞き手/松下ミワ)


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――
浅倉カンナ戦では、パク・シウ選手の圧倒的な強さに驚かされました!

パク フフフフ、思いどおりにうまくいきました(ニッコリ)。

――
浅倉選手のタックルにことごとく対処していたのが印象的でしたが、やはりタックルは想定済みだったんでしょうか?

パク
 タックル自体は絶対にくるとは思ってましたけど、カンナ選手は打撃もできる選手なので。もうちょっと打撃と混ぜて戦ってくるかなと思ってたんですが、思った以上にタックルに徹してきてた感じでしたね。

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――
それは、パク選手の打撃を避けたかったんですかね?

パク
 さあ、そこらへんはよくわからないですけど、それがカンナ選手の作戦だったのかもしれないです。ただ、カンナ選手とはけっこう練習も一緒にしていた仲で。トータル的になんでもうまいですし、打撃もレスリングもできる選手だと思って警戒していました。

――練習仲間だったとなると、浅倉選手との対戦が決まったときは、やはり複雑な心境がありました?

パク
 まず、ワタシが最初に聞いていたのは、トーナメントの1回戦は浅倉選手か浜崎朱加選手のどちらかという話で。なので、どっちも想定しながら練習していたんですけど、最終的にカンナ選手に決まって。正直、いつもの試合より緊張もしたし、集中もできなくて。それはやっぱり他の選手より親しいということもありましたし、ちょっと複雑ではあったのかもしれないです。

――
ただ、結果的にはやりたいことは全部やれたという。

パク
 今回、伊澤星花選手をのぞけば、日本人選手は自分よりキャリアのある選手ばかりだったと思いますが、いままでの試合の中では身体も軽くていいコンディションで、いいパフォーマンスができました。

――
ちなみに、試合を見ていて気になったんですけど、パク選手へのセコンドの指示ってほとんど日本語でしたよね?

パク
 ニホンゴ、スコシ、ワカリマス(日本語で)。

――
おお~!

パク
 基本的に日本語と韓国語は単語が似ているのもありますし、山本美憂選手を含めてセコンドに入ってもらっている人とは普段からトレーニングしているので。まあ、言葉だけじゃなくても、ジェスチャーなどを見ればだいたいわかりますね。

――
山本美憂選手とはクレイジー・ビーで一緒に練習されていますが、普段のコミュニケーションも日本語なんですか?

パク 日本語と、英語と、あとはボディーランゲッジです(笑)。もう、単語単語で。でも、日本語はいまだにうまいわけじゃないですけど、日本語ばっかり使っていたら、逆に英語が出なくなっちゃいました。もう英語は覚えてないです(笑)。

――
そういうものなんですね(笑)。試合後のマイクも日本語でキメてましたが、「まだまだパク・シウはこれからです」と言われていて。本当に怖い存在だなと感じましたが、ご自身の中でもまだまだ未完成ですか。

パク
 はい。もっともっと怖くなります。でも、怖いのは試合でだけです(笑)。

――
あ、普段はそんな怖くない?

パク
 フダンハ、ヤサシイデス(日本語で)。

――
ハハハハハ! もともと、パク選手ってどういう性格なんですか?

パク
 ええっと、基本的には恥ずかしがり屋ですね。

――
ああ、なんか無駄なことはしゃべらないみたいな雰囲気がありますよね。

パク
 でも、親しくなればけっこうフレンドリーです。でも、そこまでがちょっと時間がかかるかもしれません。

――
そんなパク選手は、MMAをスタートしてからいまどのぐらいなんですか?

パク
 もう8年ぐらいです。

――プロフィールによると、一番はじめはテコンドーということですよね?

パク イチバン、ハジメハ、サッカーデス(日本語で)。

――え! サッカーだったんですか!? それは何歳ぐらいの時期に?

パク 10歳から14歳。

――
へえ~! それは日韓ワールドカップの影響とか何かきっかけがあったんですかね?

パク
 いや、ユニフォームがかわいかったからです(笑)。

――
あ、そんな理由で(笑)。

パク
 当時、サッカーは選抜チームに入れるぐらいうまかったので、中学はスカウトで入学したんですけど、日本でいうところの……ヤンキー?

――
ヤ、ヤンキーとは?

パク
 中学でちょっとグレちゃいました(苦笑)。

――
ああ、そういうことですね(笑)。

パク
 それでサッカーもやめて、学校もやめて。そのあとは日本でいう夜間学校みたいなところに通うようになったんですけど、そこではじめたのがテコンドーです。

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――グレてやめたとはいえ、サッカーに未練はなかったんですか?

パク
 まあ、最初はあったんですけど、それより当時は遊ぶことのほうが好きだったので。あと、家族もあまりスポーツを勧めてなかったです。

――
ただ、結果的にはスポーツを続けることに。

パク
 じつは、そのぐらいからもう一人暮らしをしていて。だから、テコンドーも含めて自分がやりたいことをやっていました。

――
そこから大学までテコンドーに打ち込んで、そのあとはキックボクシングやってたんですよね?

パク
 大学が4年制だったんですけど、また大学も1年で合わなくてやめてしまいました。

――またしても(笑)。

パク
 で、ワタシの地元はプサンなんですけど、そこからソウルに行ってテコンドーのコーチとして仕事をするようになって。そのときに趣味ではじめたのがキックボクシングです。当時22歳くらいですかね。ただ、キックボクシングをやってたと言っても、本気の殴り合いというよりは、ポイントゲームみたいな競技でした。

――
顔面にヒットしたら何点とか。

パク
 そう。テコンドーがベースのルールだったので、それを“キックボクシング”と言っていいのかどうかはちょっとわからないですかね。

――
そして、MMAをはじめたのは、大学時代の先輩に連れられてジムに訪れたのがきっかけだったと聞きました。

パク
 ハイ。その先輩が、いまのワタシの所属先であるTEAM MADに所属していて。それが24歳ぐらいの頃です。

――
TEAM MADは、ハム・ソヒ選手が所属しているジムですよね。連れて行ってくれたのは女性の先輩だったんですか?

パク
 いや男性で、ジョ・ナンジンという選手なんですけど。日本でも修斗などで試合をしたことがある選手です。

――
その当時、ジム内に女性の所属選手ってけっこういたんですか?

パク
 ハム・ソヒ選手だけでした。なので、女性ファイターはつねにワタシとハム・ソヒ選手のふたりでしたね。

――
そういう中で、初めてMMAというのもに出会った印象はどうでした?

パク
 ワタシも練習に加わっていましたが、1年半ぐらいずっとボコボコにされてて。それも、ハム・ソヒ選手に(笑)。
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