プロ9戦無敗。倒した相手は牛久絢太郎、斎藤裕、中島太一と名だたる選手。なのに2019年から試合に遠ざかっていたユータ&ロックが突如としてDEEP初参戦。ユータ&ロックは実在した!! フェザー級・裏最強を囁かれる男の実態に迫った(聞き手/ジャン斉藤)
ユータ&ロック(以下Y&R) こういう取材を受けるのは初めてなんですよ……。
――あ、そうなんですか。
Y&R はい、こうやって対面では……。
――初取材はとても光栄です! この時代に「まだ見ぬ強豪」感溢れているユータ&ロック選手にいろいろとお聞きしたいと思ってまして。
Y&R こちらこそよろしくお願いします。
――待ち合わせ場所にいらしたときに無敗のプロ格闘家らしからぬ雰囲気だったので。声をかけるのをためらったんですけど。
Y&R ああ、もう一般人みたいですもんね。リングに上がるともうちょっと精悍な顔になってると思うんですけど(笑)。
――なかなか試合されてなかったのは、お仕事の都合だったようですね。
Y&R そうですね。コロナもあって人がいっぱいいるところで練習できなかったり……
――お仕事は○○なんですよね。
Y&R えーっと……。
――あれ、明かしちゃマズいんですか?
Y&R ボクがこういう格闘技をやってるとは公には言ってないんですよね。職場の格闘技好きの人には教えてるんですけど。
――なるほど。 隠してるわけではないんだけど、おおっぴらには言えない雰囲気なんですね。
Y&R もしかしたら、格闘技より仕事をガンバレって思う方もいらっしゃるかもしれませんし……。あんまり公にはしてないんですよね。
―― こういうインタビューも本当はよくないってことなんじゃ……。
Y&R まあ、そこは大丈夫です。
――そういう職場の都合もあったことで試合ができてなかったんですね。修斗新人王トーナメントで優勝した2013年以降、9年間で5試合なのはそういう事情ですか。
Y&R 仕事しながらコンディションを整えることがなかなか難しかったので。いいタイミングで出られるときに出ようと。 なので試合に勝ってもボクのタイミング次第なので、なかなか呼ばれづらいというか。 「この選手とやらせよう」というわけにはいかないので……。単なるワガママな選手じゃないですか(笑)。
――団体からするとストーリーが作りづらいと。
Y&R そして、そのうち忘れ去られて「誰だコイツ」みたいな感じになったと思うんですけど。働きながらだと難しいところはありますね。
――今回のDEEPに出ることになったのはタイミングが合ったからですか?
Y&R それもあります。
――いつもはどちらで練習されてるんですか?
Y&R 練習場所は勝村(周一朗)さんのグランドスラム、リオン武さんのライジングサンですね。もともと神奈川県の相模原市にあった秋本じんさんのジム(秋本道場 Jungle Junction)に通っていたんですけど、仕事の都合で横浜に転居することになって。横浜近辺の練習先を秋本さんに紹介していただきました。なので出稽古中心というかたちにはなりますね。
――お仕事ってけっこうハードですよね。
Y&R 現場のときは大変でした。
――夜勤もあるわけじゃないですか。
Y&R はい。夜勤明けに練習に行ったりすることもあって。今年の3月まではそんな感じでした。 コロナになる前の3試合はすべて夜勤明けに……。
――えっ、試合前後に休みは取らないんですか?
Y&R 試合後はお休みをいただいてるんですけど。
――なるほど。どちらも休むことは簡単にできないんですね。
Y&R 練習の予定も立てづらいところもありまして。 となると試合の調整も難しいですし、休日を取れるかどうかもわからない。そういった勤務体系もあってなかなか試合ができなかったですね。
――ユータ&ロックさんの都合が良くても、大会がない場合もあるわけですもんねぇ。
Y&R そうですね(笑)。先に年間スケジュールを出していただけると「ここに出れるかも……」と目星はつけられるんですけど。 そんな感じなので年に1~2回できるかどうかですね。まあ年に1回もできてないんですけど……。
――言葉は悪いですけど、団体側からすると……
Y&R ひじょうに使いづらいですね(笑)。
――ハハハハハハハハ。
Y&R それで面白い試合ができればいいんですけど、めちゃくちゃ手堅いので。判定勝ちしかしてない最悪の格闘家です(苦笑)。
――扱いづらい格闘家だという自覚はあるわけですね。
Y&R もちろんです。だから扱われ方に文句ないです(笑)。同じ職業の格闘家も何人かいるみたいで。ボクが知ってるだけでも3人くらいかな。みんな日程調整は大変だと思いますね。やっぱりハードな仕事なので、格闘技をやってるヒマがあったら……と言われても仕方ないかなあと。
――肩身の狭い思いをして、格闘技にトライしてるわけですねぇ。今回はDEEPのビッグマッチに出場されるということで。
Y&R マネジメントしてもらっているシュウ・ヒラタさんに聞いたら、7月のDEEPに出られるかもしれないと。こんなチャンスはないとお願いしたら中村大介選手というすごい相手で。DEEPは初参戦なのにこんないい扱いで本当にいいのかなって。 ボクとしてはタイトルマッチ以上に価値のある試合だと思ってます。
――格闘家人生で最大のチャンスというか。
Y&R そうですね。 SNSでも、いままでで一番反響がすごくて。
――なんでこんなに反響が大きいかわかりますか?
Y&R ええと、わかんないです。DEEPのビッグマッチで相手が中村大介さんだからですかね?
――ユータ&ロックさんが2019年パンクラス中島太一戦を最後に仕事の影響で試合ができないあいだ、かつてユータ&ロックさんが勝った斎藤裕や牛久絢太郎が RIZINで活躍してチャンピオンになったり。彼らに勝ってるユータ&ロックは何者なんだ……と幻想がどんどん高まっていったんですよ(笑)。
Y&R ああ、そうなんですか。つまり相対的に評価が上がってるということですね。……試合をやってないのにめちゃくちゃおいしい立場ですね(笑)。
――ハハハハハハ!斎藤選手たちの活躍する姿を見て何か思うところはありました?
Y&R 単純にすごいなって思いました。努力したうえで試合で勝ってるので、そこはすごいなって。勝手に評価が上がるボクは運がいいかもしれないです。
――そもそも「ユータ&ロック」というリングネームはどういう由来なんですか?
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試合が楽しみになりました。
ユータアンドロックの方が、語呂が良い感じがしました。