多くのMMAファイターをマネジメントするシュウ・ヒラタ氏が北米MMAシーンを縦横無尽に語りまくるコーナー。今回のテーマは井上直樹はRIZIN残留か、UFCかです!!(この記事はニコ生配信されたものを編集したものです)



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RIZINのバンタム級トーナメントについてですが、最近は朝倉海選手が出場するのかどうなのかが注目されていますが、井上直樹選手も出るか出ないかは微妙な状況である、と。

シュウ まあ、直樹選手も海選手も同じですけど、いずれにしても、これ16人トーナメントだから、4試合やらないと優勝できないですよね。そして、優勝したら堀口恭司選手とチャンピオンシップをしなくちゃいけない。そうなると5試合。さらに、普通だったら王者になると防衛戦をしなくちゃいけないから、結局6試合ですよ。でも、6試合というのはけっこう契約としては長いんですよねえ。

――
業界のスタンダードとしては。

シュウ
 これはボクの勝手な予想だけども、朝倉海選手の契約が6試合も残っているとは思えないんですよ。それは直樹選手も同じで、正直に言っちゃうと直樹選手はあと2試合しか残ってないです。そこからまた契約更新したり、別のトーナメント契約を作らないといけないという話なんですよね。

――
一筋縄にはいかないわけですね。

シュウ
 こんなときに多くのファンが言うのは、「じゃあ、朝倉海選手も井上直樹選手も、UFCに行けばいいじゃん」と。そういうことを軽く言われるんですけど、じつはいまUFCはファイトアイランド大会をやるかどうかわからなくなっているじゃないですか。

――
これまではアブダビの無人島を借り切ってやってましたけど、いまのところ大会実施の予定はないですね。ラスベガスのUFCエイペックスだけの開催で。

シュウ
 アブダビでの試合なら、オンラインでチョロチョロっと手続きするぐらいで簡単に就労ビザを取れるんですけど、今度からはビザを取る作業が面倒くさいことになってしまう。あと、これはいままで公にされていないことなんで、ここでプチ・スクープということになるんですけど、UFCは海外からベガスに訪れた選手に対しての2週間隔離ルールを放棄できる権利を特別にアメリカ政府から与えられていたんですけど、これが最近になってなくなったんです。そうなると、いまのUFCのトレンドとしては、よっぽどのことがないかぎり非アメリカ人は契約するのかな?……と。

――
連勝中の井上直樹選手はともかく、ここ1年間で堀口恭司選手とマネル・ケイプに負けている朝倉海選手はけっこう難しいかもしれませんね。

シュウ
 そう思いますね。で、これは彼らがハッキリ言っているんですけど、非アメリカ人選手でもアメリカですでにビザを持っていて、アメリカに住んでいるんだったら話は別だよと。じつは、直樹選手はコロナ前にO-1ビザというのを申請していて。これ、コロナでストップしていたんですけど、最近になって再開したんですよ。だから、ヘタしたらあと2~3ヵ月でビザが取れるんじゃないかという感じなんですね。

――
となると、UFCの契約の可能性がないわけではない?

シュウ
 ただ、2ヵ月後にビザが取れたとしても、UFCのマッチメークなんてもう5月、6月までやっているじゃないですか。ヘタしたら、年末まで試合ができない可能性も出てくるので。

――
しかも、最近はコロナのリスクもあって、試合が飛ぶことも頻繁ですし。

シュウ
 あまりにもイレギュラーなので、難しい状況の中でどういう判断を下すか。そうなると、プロとしてどういうふうに進めるかというと、やっぱりお金と条件の話し合いになってきちゃうんですよ。実際にUFCに出たらいくら稼げるのか、RIZINに出たら優勝賞金含めてファイトマネーはいくらになるのか。何ヵ月のあいだに何試合できるのか? 契約上の最後の1試合が終わった時点からスタートするマッチング期間は何ヶ月なのか?ということを並べて考えなくちゃいけないということです。

――
トーナメントに出場するとなれば、長くて2~3年の契約を結ばないといけなくなるということも含めて。

シュウ
 まあ、そうですね。ボクは長期契約を望むRIZINやプロモーターの意見も凄くわかるんです。なので、トーナメントに出るとなったら2年とかはコミットするのはビジネス上の礼儀だと思います。ただ、ビジネス上の礼儀だからこそ、こっちも納得できるオファーを出してくださいという交渉もできると思うので。でも、やっぱりポイントはね、直樹選手が23歳ということですよね。

――年齢的に重要な時期ですよね。
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