2cea3314b9ff4c23749d890d0c1b864df0ab7421
北米MMAを知り尽くした男・水垣偉弥が語るケイプと夜叉坊はなぜ負けたのか(この記事はニコ生配信されたインタビューを構成したものです)


【1記事から購入できるバックナンバー】

・【BIG COMEBACK!!】堀口恭司「海くんもATT来ちゃえば? と思いますけどね」



――
水垣さん!今回はマネル・ケイプと石原夜叉坊の敗戦について伺います。

水垣
 よろしくお願いします!

――
まずはUFCデビューのケイプですが……残念ながらパントージャに判定で敗れてしまいました。

水垣
 ケイプは打撃戦で押されて負けてしまったことがキツイですねぇ。パントージャは打撃はそこそこできるけど、 寝技のほうが得意なので最終的には組みで勝負すると見てたんです。

――
ケイプはかつては佐々木憂流迦選手に寝技で封じ込まれましたね。

水垣
 でも、予想は外れて意外な展開になっちゃいましたね。 パントージャは1ラウンドにテイクダウンを仕掛けたんですけど、ケイプに切られちゃったんですよね。簡単にはテイクダウンができないということで、打撃のほうにシフトして。ローキックでケイプの左足をかなり効かせてましたね。

――
あのローは相当、効いてましたね。

水垣
 効いていたからケイプは左足を蹴られないようにスイッチしましたね。あれでパントージャからすれば、打撃を起点にすれば……と戦略を定めて。一方のケイプからすれば、パントージャの組みのプレッシャーが強かったこともあって、打撃がやりづらくなったと思います。

――
ケイプはスイッチしてローを回避しましたが、今度はミドルキックを被弾するようになって。

水垣
 ケイプはサウスポーのほうが前に出れそうな雰囲気はあったんですけど、パントージャは冷静にミドルを蹴り始めて。それでケイプはまた前に出れなくなって、またオーソに戻して。

――
水垣さんすると、ケイプはどういう戦略を立てていたように見えましたか? 

水垣 基本的にテイクダウンをしっかりと切って、相手のテイクダウンのタイミングが見えてきたら打撃で勝負する狙いだったと思うんですよね。ところが打撃戦でも分が悪いことになってしまって、 2ラウンドと3ラウンドはポイントを意識して残り10秒ぐらいでテイクダウンを取りにいって。 ポイントメイクに作戦変更したことが見えましたね。

――
テイクダウンが成功したことで、3ラウンドは2人のジャッジがケイプを支持していますね。戦略的には健闘したと言えるんですけども、ケイプの爆発力を期待していたRIZINファンからすると、ちょっと……という感じで。

水垣
 そうですよねぇ。ケイプの頭の良さ、 機転の良さで粘った感はあるんですけど、根本的な面、打撃戦で不利になってしまったのはケイプの今後にとって厳しいというか、課題が大きいですよね。グラップリングの選手だと見られている相手に対して、自分の勝負すべき打撃で戦えずに判定負け。そこはケイプにとって痛いところですね。

――
テイクダウンディフェンスの意識が強すぎて打撃で勝負できなかったところもありますか?

水垣
 思ったのはケイプでRIZINでKOが増えていた時期は、シューズを履いていたんですね。ボクはその影響がすごく大きいんじゃないかと思ってて。テイクダウンを警戒するメンタル的なところも加えて、裸足のグリップ感が合わないことで、飛び込みとかおもいきったことができなかったんじゃないかなって。 

――
それくらいシューズのあり・なしは大きいということですね。ケイプってパフォーマンスの派手さが目に付きますけど、試合自体は慎重ですよね。

水垣
 慎重ですよね。本人もツイッターで「2ラウンド目にKOする」と予告していて、そこは非常にケイプらしいなと。ケイプは1ラウンドに見せてない武器を使ったり、リズムやテンポを変えて攻めるのが得意な選手なんです。ボクがケイプと戦うときに、伊藤(盛一郎)選手戦の映像を見返したんですが、2ラウンド目はリズムを変えてくるなと思ってたんですよ。飛び込みのスピードや距離も変えてくる。 実際に戦ったときは1ラウンド目は真っ直ぐとフックだけでアッパーを使ってこなかったんですよね。で、2ラウンド目は飛び込んできたり、アッパーを振ってくることを意識してたんですよ。
この続きと、佐藤大輔と煽りV、パンクラス詐欺、浜崎朱加、宮田充、菊地成孔…などの2月更新記事が600円(税込み)でまとめて読める「13万字・記事17本の詰め合わせセット」はコチラ
 

この記事の続きだけをお読みになりたい方は下をクリック! 1記事100円から購入できます!