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世紀のアップセット! RIZIN&ベラトールの2冠王・堀口恭司を撃破した朝倉海インタビュー! 日本の格闘技史に残る大勝利は必然だった!(聞き手・松下ミワ)


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――
今日は「キュルルンかいピョンご主人様」にお話をおうかがいしたいと思います!

 ハハハハハ! いやあ、その名前で呼びます?(笑)。


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https://www.youtube.com/watch?v=eLeZ0MOiYbE


――
あのYouTubeを見たら、もう、その名前でしか呼べません!(KAI Channel『プロ格闘家をメイドカフェに連れて行ってみた』参照)。

 じゃあ、あの動画は大成功ってことですね(笑)。あれ、試合で勝ったあとに、メイド喫茶に行った動画をアップしたらもの凄くウケるだろうなあと思ってやったんですけど、実際に反響は凄いし、もうボクのウィキペディアのニックネーム欄にもその呼び方が記載されていて(苦笑)。

――
海選手どころか、お兄さんの朝倉未来選手のニックネームまでいじられてて「キュルルンかいピョンご主人様の兄」になってました。

 そうそう、兄貴も「巻き込まれた」と言ってました(笑)。でも、どうでした? あれ、じつは試合の前に収録していたんですよ。

――
あ、やっぱり! 動画がアップされたスピード感的に、きっとそうなんじゃないかなと思っていました。しかし、試合前にアレをやっていたんだとしたら、かなり凄いですね。

 今回は絶対に勝つつもりでいたんで。だから、勝ってすぐにアップできるように1週間前に収録して編集して。いつでも上げられるように準備していたんです。

――
そんなに周到に。

 まあ、YouTuberは身体を張ってナンボだと思うので。メイド喫茶に連れて行かれるなんて想像していなかったですけど、経験がないことに挑戦するということをずっとやりたいと思っていたので、やってよかったですね。

――
その反響の大きさも、堀口恭司に勝利したからこそですね。

 そうそう、やっぱり試合の反響もホントに凄くて。ボク、試合のあとに実家に寄って、そのあと金沢旅行に行っていたんですけど。地元の豊橋なんて、歩いていたらすぐに声をかけられて、まともに歩けない状態だったんですよ。金沢のほうでもメチャメチャ声をかけられて「あ、みんな知ってるんだなあ」と思いました。

――
今回、地上波ゴールデンでの放送じゃなかったのに、それだけ反響があるわけですね。

 SNSでも試合映像が3万リツイートされていましたし、トレンドにも上がっていたし。さすがに、これだけ声をかけられるとけっこう不便だなと思いますけど、自分が有名になって格闘技が広まることはうれしいですね。そこが一番だなって。

――
そこまで熱心な格闘技ファンじゃなくても、何かが起こっていることを感じ取っていたということですよね。

 まあ、みんなこの結果は想像していなかったと思うので。ボクらチームの中では「勝てる」という自信や根拠はあったんですけど、言っても堀口選手は世界チャンピオンで、ずっと負けずに13連勝しているわけじゃないですか。「絶対に勝てない」という声が多かった中で、あの勝ち方ができたんでね。

――
そういった戦前の下馬評はどう受け止めていたんですか?

 やっぱり悔しかったですよ。SNSでも凄く書かれていたし、自然とボクの目に入ってきてしまうわけで。でも、俺は絶対に試合で証明するって決めていたんで、グッと堪えて「試合で認めさせてやる!」という思いでいました。

――
率直に一番の勝因はどこだったと思います?

 やっぱり、あのカウンターですべてが決まったと思います。そして、カウンターを当ててからの動きも想定したいたことも勝因かもしれないですね。カウンターが効いたあと、そこからいかに冷静に打撃を当てていくか……を考えていたので。そこもよかったのかなって。

――
試合展開としては、まずカウンターの前にもいろんな駆け引きがあったという話ですよね。

 そうですね。フェイントの掛け合いで。

――
とくに、堀口選手のフェイントに対して、あえて海選手がフェイントで返していたということですが、それっていったいどういうことなんですか?

 堀口選手ってだいたいフェイントをかけて相手のリアクションを見るんですけど、これまで戦っていた選手って、そのフェイントに対してオーバーリアクションをしちゃうんですよ。そこでグッと身体が固まったところに打撃を打ち込まれて倒されるというパターンが多かったので。だから、ボクはそのフェイントに対しては最小限の反応にして、あえて逆にフェイントを返す。そうすると、向こうは「あれ? なんでフェイントが効かないの?」と。

――
いつものペースではなくなるわけですね。

 しかも、ボクが「打つぞ」というフェイントをすることで、堀口選手に「カウンターもあるぞ」と思わせる。その動きで、もうすでにいつもと違う感じになっていたと思いますね。

――
それがパニックのカラクリなんですね。そのあとのカウンターも本当にドンピシャでした。

 ボクは堀口選手の技術を徹底的に研究していて、ステップのパターンまでしっかり読んでいたんですよ。堀口選手っていくつか決まったパターンがあって、たとえばうしろにステップした瞬間に入ってくるパターンとか、横に踏んだあとに入ってくるパターンとか……。そういう癖をボクは見抜いていたんで、もう入ってくるタイミングがわかっていたんです。

――
カウンターを合わせた堀口選手の右も「このパターンか」と。

 ちゃんとわかっていたし、実際に入ってきたときに合わせる準備もしていたんでね。

――
そこまで見抜くのは、相当研究されたんでしょうね。

 映像は数えきれないぐらい見てますからね。ボクの場合、そもそもRIZINに出はじめた頃から堀口選手を分析していたんで。

――
そんな前から!

 それはいつか堀口選手と対戦するためという理由もありますけど、堀口選手のステップを見て「これは使えるな」ってことで取り入れていたので。

――
堀口選手の動きを自分のモノにしていた。

 自分が真似して使っているから、堀口選手の入りがわかるんです。だから、今回「まぐれだ!」という人もいるかもしれないですけど、たぶんもう一回やっても同じ入り方はできると思いますね。堀口選手がまた同じ戦い方できたら、また当たります(キッパリ)。

――
カウンターを出せば絶対に当たるという確信もあったんですか?

 ありました。外れることはないですね。あのタイミングで来てくれたら当たります。まあ、ボクは相手のパンチを避けながらカウンターを打っているんでね。もし当たらなかったとしても、ボクも相手の打撃を食らうことはなかったと思います。

――
そして、さらにそのカウンターだけでは倒れないことを想定していたわけですよね。

 堀口選手はこれまでの試合でももらっているパンチはあるんですけど、目がいいから効いてなかったりするんですよね。だから一撃で倒れることはまずないなと思ってました。

――
そのあとに組み付いてくると予想してたんですね。

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 それは、那須川天心くんとの試合で気づきました。天心くんに後ろ回し蹴りでけっこう効かされていたシーンがあったんですけど、そのあとの攻防で堀口選手は組み付いていくシーンが多かったんですよね。だから、効いたらああいう展開になるんだなと。

――天心戦から「ダメージを受けた堀口恭司」のその後がわかった。

 でも、そのとき天心くんは焦っちゃってたんで倒しきれていなかったんですよ。だから、焦っちゃダメだなって。ああいうふうになったらヒザや細かいパンチを入れたり、プッシングして距離をしっかり取るということを頭の中に入れていました。

――
ヒザにプッシングって、まさに海選手が実践していたとおりですね。

 ヒザはタックルに入られないようにするためでもあるし、組み付いてきたときの対処法でもあったし。実際、途中でボクのヒザがおもいきりボディに入ったんですけど、あれは相当ダメージあると思いますよ。

――
逆に海選手がもらった打撃もありましたが、あまり効いてなかったんですか?
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