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那須川天心vs堀口恭司のスーパーファイトを「プロはこう見た!!」――第2弾はJB SPORTS BOXING GYMの山田武士トレーナー。ボクシングやキックのみならずMMAファイターの指導歴も長い「プロ」の分析とは? 


鈴木秀明さんの感想はこちら
【プロはこう見た】「天心vs堀口はキックであってキックではない。まさに異種格闘技戦でした」
http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1679461



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那須川天心vs堀口恭司予想の解説(http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1659534)が大好評だった山田さんに試合の感想をうかがいにきました!

山田
 いやー、スゴかった! 本当にスゴかったですよ。ボクの経験上「ありえないこと」が試合中に起きてましたからね。

――
ボクはド素人なので、あの試合で起きたことすべて「ありえないこと」に見えちゃうんですが(笑)。

山田
 もう、いろいろ語りたい!! まずド肝を抜かれたのは、2人の距離ですよね。ボクは、堀口くんがもっと離れた距離から戦うのかな……って予想してたんですけど、1ラウンド目から「すげえ近えなっ!!」って。

――
堀口選手は遠い間合いから飛び込んで攻撃する……というのが大方の見方でしたよね。

山田
 堀口くんは作戦で近づいたのか、それとも堀口恭司と言えども緊張して那須川天心に吸い込まれるように近づいてしまったのか……どっちなのかを見ていたんですけど。試合開始後に天心が左のハイを蹴ったときに、堀口くんにとっては蹴られる距離だったんですよね。それを受けてのことなのか、1ラウンドの最後のほうはちゃんと堀口くんがパンチを合わせてたので「あ、この近距離は作戦なんだな」って。

――
鈴木秀明さんいわく「堀口選手はもっと近づきたかったけど、那須川選手のジャブで入らせてもらえなかったんじゃない」かって。

山田
 ああ~、なるほどねえ。それは天心のことを倒しにきてるから、あの距離なんだろうけど。天心相手にあの距離で攻めるのはちょっとスゴすぎるんですよ。ありえない!!

――
ひとつの目の「ありえない」いただきました。

山田
 なんでありえないかといえば、天心はサウスポーで、相手が右を打ってきたところに左のカウンターを合わせるのが大得意なんですよ。そのスピードが異次元的に速いし、本人もアレにはスゴく自信があると言っていて。練習でミットを持っている岡本トレーナーにも「もっと速く右を打ち返してくれ」と言っているらしいんですよ。彼が中学生の頃にウチに何度か練習に来たことがあるんだけど、プロボクサー相手でも左のカウンターをガンガン合わせてて。RIZINでも藤田大和もそれで倒してるでしょ。

――
アマチュアボクシング5冠でさえ食らってしまう神技……。

山田
 あの左はサウスポーがよくやる技だから、ボクシング出身の大和は合わせに来ることわかってるじゃないですか。それでも食らっちゃうので、ボクは堀口くんが「近い距離でやるなら、その左を食らっちゃうだろうなあ~」と思って見てたんですよ。ところが!!

――
ええと、2つ目の「ありえない」の準備してます(笑)。

山田
 全部よけてるんですよ、堀口くん。アレはありえない!!

――
ハハハハハハ!

山田 天心は何回か左を合わせてるんですけどね、堀口くんがかわしちゃう。さらにありえないのは、天心のその左に堀口くんが左フックを返していてたことですよお!

――早くもつ目の「ありえない」!!

山田
 ほら、パンチをかわした天心が尻餅をついた場面がありましたよね。天心が堀口くんの右に合わせた左カウンターに、さらに堀口くんが左フックを合わせにいってるという攻防なんです。これは相当スゲえなあって。

――そこまで「ありえない」と言い切るということは、天心選手の左をかわした選手はいないってことですか……?

山田
 そのとおりです!

――
そ、そうだったんですか! ありえない!!

山田
 いままで本当に誰もいないんですよ。天心って30戦ぐらいやっているじゃないですか。ボクは全試合見ていますけど、あの左をかわした選手は1人もいないです。天心を苦しめたあのロッタンにさえも、左はバンバン合わせられてましたからねぇ。

――
堀口選手はキック初挑戦なのに……なんか鳥肌立った!!

山田
 しかもあんなに早いサウスポーと戦ったことないと思うんだよなあ……。天心の左カウンターに左を合わせることが堀口くんの作戦だったとしたら……これは本当に怪物ですよ。もしくは戦いながらひらめいたんだとしたら、もうセンスのかたまりとしか言いようがない。どっちでも、ありえないですよ、これ!

――
もうすべてが「ありえない」ことになってないですか?(笑)。

山田
 たしかにね(笑)。ありえない攻防はそれだけじゃないですよ。


・2度のローブロー、その伏線は堀口恭司の作戦変更にあった?
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