本命RENAを破ってRIZINスーパーアトム級GPを制した“初代女王”浅倉カンナインタビュー!! レジェンド藤井惠のサポートから、浅倉が「救われた」というRENAの言葉まで、ジョシカクの歴史を大いに感じせる優勝の裏側に迫りました(聞き手/松下ミワ)
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――浅倉選手、あけましておめでとうございます。ベルトを持って新年を迎えられるなんて、最高のお正月ですね!
浅倉 ホントですね!(笑)。でも、自分ではまだベルトを獲ったという実感がまったくわいてこなくて……。
――へえ~、意外とそういう感覚なんですかね。
浅倉 ただ単に2試合、無事に戦えたなあ……という感じなんですけど、自分がチャンピオンになった実感は全然ないんですよ。唯一、SNSの通知が昨日からブーブーブーブー鳴りっ放しなので、それを見て「あ、じつは凄いことをしちゃったのかな?」というのはあるんですけど(笑)。
――大晦日地上波の反響は凄いんですね。じゃあ、昨日の夜は興奮して眠れなかったりして。
浅倉 実際、寝たのは2時間ぐらいです。というか、じつは昨日の夜にちょっとしたうれしいサプライズもありまして。
――なんですか、サプライズって?
浅倉 試合後に家族とご飯を食べにいったんですけど。そのあとに一人暮らしの自分の家に帰ったら、友達が家の中から急に出てきて、クラッカー鳴らしてお祝いしてくれたんですよ! 「おめでとー!」って。
――えっ! 友達が自分の家の中に?
浅倉 そうなんです! うれしかったなあ……。
――ちょ、ちょっと待ってください。セキュリティは大丈夫なんでしょうか???
浅倉 私、一番仲の良い友だちに家のカギを預けているんです。
――なるほどぉ(笑)。
浅倉 その友達がみんなを集めてくれたのか、4人ぐらい家の中で待っていてくれたんですよ。
――でも、大会後に食事して帰宅となると、夜もけっこう深い時間ですよね?
浅倉 たぶん3時ぐらいだったかなあ。でも、みんなでお祝いしてくれたので、ホントにうれしかったです。試合の興奮とそのサプライズで、やっぱりあんまり眠れなかったですね。
――なかなか寝付けないと、試合のこととか何度も頭の中でリプレイしちゃうんじゃないですか?
浅倉 しました、しました。でも、昨日の試合は集中しすぎていたのか、不思議と試合の詳細ってあんまり覚えていないんですよ。
――あんなにタックルがバンバン決まったのに。
浅倉 そのへんはぼんやり覚えているような……。
――とくに、準決勝のマリア・オリベイラ戦の最初のタックルはかなりエキサイティングでした!
浅倉 あの、持ち上げて叩き付けたヤツでよね? たしかに自分でも「いったー!」と思いましたね(笑)。試合のときって、最初のアクションって凄く怖いんですよ。しかも、今回の相手は打撃の圧もあったし、身長差も10センチ以上あったし。だから、打撃には一切付き合わず、自分の得意なテイクダウンから一本極めにいかないとなってと思っていたんで。
――その気持ちが、あのタックルにつながったんですね。
浅倉 レスリングは子供のころからずっと続けてきたことなので、それが総合格闘技の試合で通用するというのは、やっぱりうれしいかったですね。
――そのタックルも決まり、準決勝は見事な腕十字で一本勝ちしました。が、いつもの試合と違うのは、次に決勝を控えるトーナメント戦だったことですよね。
浅倉 そうですね。レスリングをやっていたときは1日に何試合かやることもあったんですけど、打撃ありの総合格闘技の試合を1日に複数回するのは初めてだったので、 「どんなふうになるのかな……」と大会前はけっこうソワソワしていましたね。ただ、私の試合の前がRENAさんのが準決勝だったじゃないですか。あの試合にも、かなり刺激を受けまして。
――RENA選手の準決勝はアイリーン・リベラ戦で、1ラウンド終盤でのKO勝利でした。
浅倉 私、その試合をアップスペースのモニターでチラチラ見ていたんですよ。で、RENAさんが1ラウンド、しかもノーダメージで決勝に上がってきてたのを見て、「これは自分が3ラウンドまで戦ったら不利になるな」と思ったので、そこでスイッチが入ったんです。
――結果、準決勝は2ラウンド中盤での一本勝ちでしたが、見事に計画を実行できたという。
浅倉 準決勝のあと、決勝までの時間も、鶴屋(浩:パラエストラ千葉ネットワーク代表)先生に「まだもう1試合あるから集中しろ!」と言われて、凄く集中できていましたし、精神的にも肉体的にも決勝のほうが調子がよかったですね。
――RENA選手が相手でも、気負いするところもなかった、と。
浅倉 逆に、RENAさんだったからこそ、しっかり集中して気持ちを高められたんだと思います。
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