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最強の地下アイドル仮面女子の川村虹花がMMAデビュー! 12月3日DEEPジュエルス大会の電撃参戦が話題を呼んでいるが、同大会には川村以外にも将来有望な新人選手が続々参加! DEEPの佐伯繁代表にこのサプライズの裏側や、女子格闘技を取り巻く環境について語ってもらいました〜。 


――仮面女子の川村(虹花)さんが12月3日のDEEPジュエルスでMMAデビューすることになりましたね。

佐伯 ボクはね、アイドルはおニャン子クラブで止まってるんですよ(笑)。だから仮面女子のことはよく知らないんですが、アイドルの子が格闘技の練習を始めたという話は噂で耳にしてたんです。でも、アイドルのことはよくわからないし、自分のところからその情報が漏れてもイヤだから、名前はあえて聞かなかったんですよ。その後もあまり気にしてなかった。

――とくに興味がなかったんですね。

佐伯 そうしたら1ヵ月半前くらいに「ジュエルスに出れないか」という話があって、1週間前に練習を見に行ったんですよ。そのときは杉山(しずか)さんと寝技をやってるところとミット打ちを見たんだけど、「あ、意外と普通にできるじゃん」と。新人であそこまで動けない選手もいるからね。

――佐伯さんの目から見ても、デビューさせてもいいレベルだった。

佐伯 彼女を指導する新宿Me,Weの山崎(剛)さんからは「もう少し時間があれば、来年春のほうがいいんじゃないか?」との意見もあったんだけど、川村さん本人は12月にやりたいと。自分も、試合に優る経験はないと思ったんですよ。女の子だって練習だけより目の前に目標があった方がモチベーションが上がると思います。試合をすることでもっと頑張ろうってなる。

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佐伯 でも「いきなりプロのイベントでデビューさせるのか?」っていう声もあると思うんですね。

――「アマチュアからやれ!」と。

佐伯 言わんとしてることはわかるんですけど、それはいまのジュエルスというか、女子格闘技の現実があまり知れ渡ってないんだなって。どういうことか説明すると、昨日、KING(レイナ)選手の家族と食事したんですよ。

――KINGレイナの家族とメシを食った話……って川村さんの話をしてるんですけど!

佐伯 焼肉、宮崎牛ですよ。

――いや、何を食べたかは聞いてないんですが……しかし、いいもの食ってますね!(笑)。

佐伯 今後のことも話し合いながらの焼肉。自分はKINGの親父さんと差しで食べる感じだったんですけど、も〜〜う、とにかくたくさん食べるんですよ、お父さん。

――……川村さんの話に戻ってくるのかな。

佐伯 自分もつられちゃって、大盛りご飯を2杯も食べて、肉もしこたま食べて。胃薬を2袋飲んだけど、夜中に気持ち悪くなっちゃってさ。肉はわさびとかで食べたから、そのときはサッパリして食べれるんだけど。良質な肉って脂が多いから、あとになって身体が反応してくるんですよ。前に飛騨牛を食べたときも4時間後になってゲップが止まらなくなってさ。

――仮面女子の話題がなぜゲップの話になってるんだ(笑)。

佐伯 案の定、昨日の夜中3時頃から気持ち悪くなっちゃって。どんだけ胃薬が飲んでも治らない。アカンね、もう肉は食えないね。適当な量にしておかないとダメだわ。

――強引に格闘技に話を戻ると、10代の若いファイターを使うとなると、親御さんと接する機会が多くなってますね。

佐伯 那須川(天心)選手や(浅倉)カンナちゃんもそうだけど、DEEP JEWELSでデビューしたモモちゃんも12歳じゃないですか。当然親が協力しているから今があると思います。

――逆に親が出てこないと困りますよね。

佐伯 親御さんがPRIDE世代ということも大きい。だって15年前に小学生や中学生が総合格闘技をやってるなんて聞いたことないでしょ。いまは昔みたいにレスリングや柔道から始めなくても、そのまま総合をやる子供も増えてるんだよね。

――野球やサッカーもそうですけど、どのスポーツも親が送り迎えだなんだでサポートする。親御さんの存在は大きいってことですね。

佐伯 お金をかけなきゃ無理ってことでもあるよね。よく言われるけど、フィギュアスケートなんか金がなきゃできないんだから。アマチュアスポーツってそういうところもあるし、そこから才能がある奴が出てくるわけだよね。で、川村さんの話。

――宮崎牛を食いすぎてゲップが止まらない話は必要だったんですかね……???

佐伯 川村さんがデビューする今回のジュエルスは新人ラッシュなんだよ。それはたまたま重なったこともあるんだけど、去年くらいからRIZINの影響もあって、総合をやりたいという子が増えてるんですよ。川村さんというアイドルから、渡辺(華奈)さんや青野(ひかる)さんとか、しっかりとしたベースを持った人が増えてきてる。柔道をやっていたKINGレイナ選手を見て「私もやりたい」という。

――アスリートが女子格闘技に目をつけ始めてるんですね。

佐伯 KING選手は去年の年末のRIZINに出てなくて、ウチのブースを手伝っていたんですよ。そんなKING選手が1年経ったらあそこまでの存在感になって、今年のRIZINの全大会に出るのは彼女だけだから。

――チャンスがあればやってみようとなりますね。

佐伯 でも、川村さんもそうだけど、今度の大会に出る選手の中ではまだ1年も練習してない方も何人かいるんですよね。「そんな子たちがプロの大会に出られるの?」って思う人がいるかもしれないけど、女子は増えてるとはいえまだまだ競技人口が薄いから、アマチュア大会が成り立たないんですよ。アマ修斗の全日本選手権だって男子に比べて少ないですからね。

――試合機会を補う意味もあってか、ジュエルスは大会の中でアマチュアの試合もやってるんですね。

佐伯 そういうこと。アウトサイダーで普通に試合をしてた桃子選手だって、こっちではレガースやヘッドギアをつけて、アマチュアルールから始めたりするし、パウンドなしのルールもやってる。12歳のモモちゃんが出るとなったときにアメリカで大問題になったじゃないですか。

――12歳の女の子がMMAをやるなんてとんでもない!と。

佐伯 でも、こっちからすると「アマチュアルールでしょ?」って。アメリカではアマチュアの試合をプロのイベントの中でやることはないんですけど、ボクらはちゃんとルールで整備しているから。アマチュアの大会が頻繁にあればいいんだけど、そうじゃないから。

――だったらプロアマ混合でやるしかない。

佐伯 アマチュアを含め色々なレベルの試合を組まないと試合経験をさせられない現状なんです。また試合で悔しい思いや嬉しい思いすることで、また練習を続ける。それが女子格の現実。韓国のROAD FCなんて初参戦がデビュー戦の選手がいますからね。

――世志琥もROAD FCでMMAデビューしてますし、相手もMMAデビュー戦だった。世志琥の2戦目は即再戦でしたから、よっぽど選手が足りてないんですね。


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