非会員でも購入できる大好評インタビュー詰め合わせセット! part43は大好評インタビュー12本、コラム7本、12万字オーバーで540円!!(税込み)
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part42
◎これを読めば総合格闘技の成り立ちがわかる――!!
「ヒクソンを日本に呼んだ男」中村頼永ロングインタビュー前後編!
「ヒクソンを日本に呼んだ男」中村頼永ロングインタビュー前後編!
・「佐山先生に言われたんです。俺の影になってくれと」……<シューティング黎明編>
・運命のバリジャパ、安生道場破り、幻の長州戦真相……<ヒクソン来襲編>
◎斎藤文彦INTERVIEWS
怪死、自殺、大事故……呪われた鉄の爪エリック一家の悲劇
◎「頑張った先にRIZINがあるとは、いまのところ思えない」…RIZINのモヤモヤは何なのか?■大沢ケンジ
◎「UFC日本大会に選手を貸してもいいくらいです!」/笹原圭一の「理想と現実の間のRIZINトーク」
◎小佐野景浩の「プロレス歴史発見」
オシャレでスマートな昭和の頑固親父! グレート小鹿
◎佐伯繁DEEP代表インタビュー
「何度もやめようと思ったけど、DEEPジュエルスを続けて本当によかった……」
◎事情通Zの「プロレス 点と線」
好調・新日本と全日本の交流/アイスリボン逮捕事件
◎格闘技は世間とどう向きあえばいいのか■中井祐樹
◎小佐野景浩の「プロレス歴史発見」
オシャレでスマートな昭和の頑固親父! グレート小鹿
◎佐伯繁DEEP代表インタビュー
「何度もやめようと思ったけど、DEEPジュエルスを続けて本当によかった……」
◎事情通Zの「プロレス 点と線」
好調・新日本と全日本の交流/アイスリボン逮捕事件
◎格闘技は世間とどう向きあえばいいのか■中井祐樹
◎堀口恭司「UFCに残留していたら、まだ1試合もしてなかったかもしれない……」
◎天才が敗北!? 那須川天心「車の免許を取ったんですが、仮免で2回も落ちてしまって……」
◎【RIZINバンタム級GP】石渡伸太郎「堀口選手がいなければ、出る価値はなかったかもしれない」
■オマスキファイトのMMA Unleashed
・あの人はいま……姿を消したMMAファイターの第2の人生
・「ONEにはコナー・マクレガーはいらない」 UFC中国大会発表に先立ち、UFCとONEの広報戦争勃発!
・メイウェザー対マクレガー直前情報総まとめ
■ズンドコ・トラブル興行研究会
・小島聡まさかの「四冠王者誕生」ズンドコ模様<漁師JJ・編>
・あの伝統芸能が!? 史上最低の馬場vsブッチャー<小泉悦次・編>
・どうにもできない肩書「格闘家」の犯罪報道について/高崎計三
・二階堂綾乃・どうにもできない肩書「格闘家」の犯罪報道について/高崎計三
2人でできる! 楽しく疲れる運動!!/「プールに浮かぶようじゃ、まだ甘い。さあ、沈め!」…トレーニーが放つパワーワード!
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80年代からコラムやインタビューなどを通して、アメリカのプロレスの風景を伝えてきてくれたフミ・サイトーことコラムニスト斎藤文彦氏の連載「斎藤文彦INTERVIEWS」。マット界が誇るスーパースターや名勝負、事件の背景を探ることで、プロレスの見方を深めていきます! 今回のテーマは「怪死、自殺、大事故! 呪われた鉄の爪エリック一家の悲劇」です!
イラストレーター・アカツキ@buchosenさんによる昭和プロレスあるある4コマ漫画「味のプロレス」出張版付き!
――今回のテーマは「鉄の爪エリック一家」についてお聞きします。鉄の爪5兄弟が長男(実際は次男)を除いて怪死しているというエピソードは、プロレスファンの心の引っかかってるんですね。
フミ 鉄の爪一家を語るなら、まずその父親であるフリッツ・フォン・エリックの説明から始めないといけないですね。フリッツは第2次世界大戦後、1950年代のアメリカマットに登場したんですが、最初は“ナチスの亡霊”キャラクターだったんです。
――現代の倫理観からすれば、とてもできないギミックというか……。
フミ 現在はナチスのことを肯定的に取り上げることはもちろんのこと、ナチスのシンボルマークだった鉤十字いわゆるハーケンクロイツはアメリカやヨーロッパではその使用が違法になっていますから。当時、グレート東郷ら日系人レスラーが敵国ジャパンの“悪い日本人”を演じていたのと同じように、観客はその“ナチの亡霊”にブーイングを送ってたんです。
――娯楽として成立してたんですね。
フミ 戦争は1945年に終わって、50年代から70年代くらいまで“ナチの亡霊”がリング上を闊歩してたんですが、そのキャラはフリッツのオリジナルではないんです。オリジナルがカール・フォン・ヘスという人物で、“地獄の料理人”ハンス・シュミットを筆頭に、もうたくさんいたんです。カールとクルトのスタイガー兄弟、ストロハイム兄弟、バロン・フォン・ラシク、新日本プロレス創成期に猪木さんのライバルだったキラー・カール・クラップもそう。
――昔のプロレスでは定番キャラだった。
フミ 正体はアメリカ人やカナダ人なんですが、ドイツ人をそれらしく演じていて、フリッツも本当はテキサス生まれのアメリカ人。本名はジャック・アドキッセン。194センチ125キロの巨体で、単なるナチキャラではなく、鉄の爪アイアンクローという必殺技で一世を風靡した超大型ヒールだったんです。
――実力派だったんですね。
フミ フリッツはカナダのフットボールリーグでプレイしていたんですが、引退後はのちに自分のライバルとなる荒法師ジン・キニスキーと共にスチュ・ハートさんにプロレスを教わったんです。
――師匠はハート一家の名伯楽。カナダの地でプロレスに巡り合ったと。
フミ デビューしたフリッツはドイツ人という設定で活躍し始めます。鉤十字のマークが付いたマントを羽織って、頭は軍人カット、ナチス親衛隊のようなアヒル歩きをする。お客さんからすれば「本当にドイツからやってきたんじゃないの……?」と思わせる迫力があったんです。
――あのアイアンクローという必殺技もフリッツのキャラにぴったりでしたね。
フミ フリッツは手を広げると、親指と小指のあいだが30センチもあったと言われています。それくらい手が大きかったから、相手の顔を掴むと画的に強烈だったんんでしょうね。有名なパブリシティの写真では、エリックが相手の顔を掴んだ指と指のあいだから血が吹き出しているものがあって。
――ああ、鉄の爪の象徴的なシーン!
フミ 1950年代当時はまだテレビはモノクロだったんですが、テレビの力によって第一次プロレスブームが起きるんです。そこでフリッツはギミックというよりは実力でスターになっていきます。バーン・ガニアを倒してAWA世界王者にもなってます。
――フリッツは日本プロレス時代に来日していますね。
フミ 初来日は1967年。どういう年かというと、初来日したビートルズが日本武道館でコンサートをやったんです。外国人のミュージシャンとして初めてビートルズが武道館を使用しましたが、プロレスの武道館初進出はジャイアント馬場vsエリックなんです。
――鉄の爪はビートルズだった(笑)。
フミ プロレスはそれまでも蔵前国技館などで興行はやってましたけど、当時の武道館進出は90年代でいえば東京ドームで初めて興行をやるくらいの大ニュース。大興行に見合う超大物を連れてこよう。それが鉄の爪エリックだったんです。その強敵を当時インターナショナル絶対王者、ジャイアント馬場が迎え撃つ。
――超大一番だったわけですね。
フミ 当時は事前に映像でどんな選手かを確認する術はなかったですから、東スポやプロレス誌に載ったモノクロ写真数点だけでイマジネーションを膨らませていたんですね。フリッツの主な技はアイアンクローにストマッククロー(胃袋掴み)、そして馬のような足での蹴り。
――フリッツのビッグフットは強烈だったそうで。
フミ 馬場さんとの試合でもやってみせたんですが、場外にいた馬場さんの顔をアイアンクローで掴んでトップロープをまたがせてリング中央まで引きずり込んだ、と。
――凄い!!(笑)。
フミ トップレスラーに昇りつめたフリッツは、60年代前半には生まれ故郷テキサスに帰って、エド・マクレモアというNWA系のプロモーターから興行地盤を引き継ぎます。フリッツ自身がダラスのプロモーターになるんです。団体名はNWAビッグタイム・レスリング。
――フリッツはナチキャラのヒールでしたけど、地元ではどういう扱いだったんですか?
フミ テキサスではアメリカ人であることをカミングアウトしてるんです。というのは、ジャック・アドキッセンはカレッジフットボールで地元ダラスでは有名な選手でしたから。ダラスに腰を落ち着かせたフリッツはプロモーターとしても成功して、1975年にはサム・マソニックのあとを受けてNWAの会長にも就任してるです。馬場さんとも仲が良くて、全日本プロレスのレスラーがダラスで試合をしてましたね。
――ここまでは順風満帆な人生ですが……。
フミ 鉄の爪一家の悲劇のプロローグは1959年、昭和39年に起こります。フリッツがニューヨーク遠征中に長男ジャッキーくん6歳が、雨の日に家のそばで遊んでいたところ、高圧電流に触れて感電死してしまうんです。プロレス史では「鉄の爪5兄弟」と言われていますが、じつは6兄弟だったんですね。
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