わからないことがあったら佐伯さんに話を聞こう! というわけで骨折した足が完治したDEEP佐伯繁代表に「なぜ◯◯はRIZINに出られないか」問題等をうかがいました〜!!
佐伯 なんで取材に来たのかわかるよ。(パンクラスとの)対抗戦の話じゃないでしょ。
――そんなことないですよ!
佐伯 そう? どのみち面倒くさい話を聞きに来たんでしょ?(笑)。
――ハハハハハハハ!
佐伯 なんかね、面倒くさい話を振られがちなんですよ。それくらい信頼されてるっていうふうに解釈してるけど(笑)。
――佐伯さんは身体も信頼もブ厚い! ボクが知りかぎり、日本の格闘技プロモーターで一番“盛らない”のは佐伯さんだと思ってます。いや、ほかの人たちが嘘をついているというわけじゃないんですけど(笑)。
佐伯 ウチは観客数の発表も盛らないしね!
――うむむ……ノーコメントでお願いします(笑)。
佐伯 だって消防署が調査に来たら大変なことになるよ。ヨソの数字を聞いて「キャパを超えている数字だけど、消防法は大丈夫なのかな?」ってビックリするときがある。
――ちなみにプロレス興行はとうの昔に実数発表になってるんですよね。観客動員でいえば、最近の後楽園ホールの格闘技興行って北側を潰すことが多いですが、後楽園クラスでも厳しくなってきてるんですか。
佐伯 いや、後楽園って北側を潰しても1100席ぐらいあるんですよ。ディファ有明とあまり変わりません。
――あ、けっこう入るもんですね。
佐伯 でも、後楽園ホールは半日しか借りられないから、試合をたくさん組めないでしょ。選手の手売りがそんなにできないんだけど、興行をやるほうからすると“後楽園マジック”っていうのがあってね。やっぱり後楽園の盛り上がりにはどこの会場も敵わないから。
――盛り上がりやすい会場、それが後楽園ホール。
佐伯 そうなんだよ。興行をやっていく以上は後楽園に拘っていきたいですよね。
――ところで修斗、パンクラス、DEEPの中では、DEEPだけabemaTV等のライブ配信をしていないですよね。露出してないことで焦りみたいなものはないんですか?
佐伯 まったくないよね。やっぱりさ、物事にはいいところと悪いところがあるから。ライブ配信するから会場に来ないファンもいるだろうし、ライブ配信がきっかけで会場に来る人もいるかもしれない。その効果はいろいろあるでしょ。
――「多くの人にライブ配信で見てもらえる」という選手のモチベショーンに関わらないですか?
佐伯 無料で見られると選手もチケットを売りづらい部分もあるんじゃないですか。
――あ、そうか。
佐伯 それにやっぱり会場観戦の素晴らしさもあるし、ウチはサムライTVやDEEP FIGHT GLOBALでも試合を流してるから。この業界で17年やってきたけど、どのやり方も一長一短あるし、どれが正解だなんてないと思うんだよね。なによりもチケットを買って会場に来ていただいてるお客さんがいる中で、無料でライブ映像が見れるのはどうなんですかね? いろんな理由で会場に来れない方には後日配信の方がバランスがいい気がします。
――RIZINが2016年の年末に始まって、地上波に格闘技が戻ってきて2年近く経つわけですけど、DEEPに何か変化は表れていますか?
佐伯 これはUFCの悪口じゃないけど、RIZINとUFCではまったく反響が違うんですよ。冗談抜きでゴールデンタイムで試合が流れることって凄く大きいです。
――テレビの影響力は強いんですね。視聴率が悪いと言われていますけど。
佐伯 その反響をダイレクトに感じているのは女子だよね。RIZINは女子が主役な一面もあるけど、DEEPジュエルスにもその波が来てるというかね。「出てみたい」という売り込みも多いし、なにより「見てみたい」という声が凄いよ。総合に限らず、ボクシングやキックだって選手がチケットを手売りしてる成り立ってるわけじゃないですか。
――格闘技興行は基本的に手売りが支えている。
佐伯 昔はPRIDEやK-1がチケット発売したらプレイガイドで売り切れたという時代があったんだけどさ。それでも最近のRIZINは伸びてきてるんじゃないですか。去年のRENAvs山本美憂の大会から雰囲気が変わった気がします。
――あのへんからRIZINのPRIDEの“使い古し感”が薄れていきましたね。
佐伯 DEEPジュエルスの会場キャパは、新宿FACEだから立ち見も含めて600人くらい。もちろん選手の手売りもありますが、一般のプレイガイドや事務局で売れる比率が男子に比べてかなり高いんです。これはいまの格闘技興行の中では異常なことだと思う。事務所にチケットの問い合わせの電話がしょっちゅうかかってくるし。しかもたった6試合だよ。そのうちアマチュア2試合ですよ(笑)。
――その試合数で売り切っちゃうのは凄いですね!
佐伯 この前の大会のときに浅倉カンナちゃんとKINGレイナのサイン会をやったんだけど、グッズ購入者限定なのに並びまくって終わらない。17年間この業界にいるけど、うちではこんな光景は見たことないよ。
――金の雨が振ってきた!
佐伯 いや、それが金になってるかと言えば別の話だけど(笑)。ウチには売り上げは入りませんから。
――肌にポツリと感じて始めた程度ですかね(笑)。
佐伯 でも、いまは凄く手応えはあるよ。尾園さんからジュエルスを引き継いでからの2年間ぐらいは何度もやめようかと思ってたんだけど。お客さんの数も厳しいし、選手も少ない。
――ヒャッ!?(笑)。
佐伯 マジメにやってると、いいことがあるもんだねぇ……(しみじみと)。まあ選手のおかげですよ。
――いまは新宿FACEですけど、さらに大きな会場にステップアップするつもりはないんですか? たとえばディファ有明。
佐伯 ディファなら10試合くらい組めればなんとか……いまの調子でも、あと1年はかかるかなあ。無理に広いところでやっても熱気が薄まるだけだもんね。超満員のほうが雰囲気はよかったりするじゃん。でも、目標は後楽園ホールでやりたいですね!
――なんとかなるんじゃないかという熱は感じますね。
佐伯 マスコミの取材申請も凄いんだよ。これもいまの格闘技では異常なことだと思う。それなのに、ジュエルスの中継はどこもやってないんだよねぇ。
――おかしいですよ!(笑)。
佐伯 DEEP FIGHT GLOBALではあとで見れるんだけど。
――なんとか生中継してください! 金の雨ですよ、金の雨!(笑)。
佐伯 ぜひお話があれば!って感じですけど。それで今日取材に来た理由のひとつは、その女子格闘技の件でしょ。浜崎朱加やV.V Mei、ハム・ソヒなんかがRIZINになぜ出られないのか?ってやつ。
――“女子格の支配人”佐伯さんの意見を聞きたいなと。
佐伯 意見というか自分が思うことを説明するよ。この件はマスコミ、関係者、選手たちからいろいろと批判されてるよね。
――「なんでこの選手を出さないんだ!?」と。
佐伯 凄く簡単な話。
――簡単ですか。
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