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米MMA記者が選ぶ、深イイ話で振り返るUFCの2016年■MMA Unleashed

2017/01/01 00:00 投稿

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Omasuki Fightの北米MMA抄訳コラム――新年一発目のテーマは……「米MMA記者が選ぶ、深イイ話で振り返るUFCの2016年」です!




昨年、2016年はUFCにとって激動の1年だった。会社のオーナーが代わり、これまでUFCの立て役者だった経営者やマッチメーカーが去っていった。40億ドルという巨大な会社売却額が報じられると、選手たちの不満が高まり、労働組合医結成の動きや、フリーエージェント選手の増加という舞台裏での変化が活発となった。長年MMAが禁止されていたニューヨーク州ではようやく法律が改正され、UFCがついに格闘技の殿堂、マジソン・スクエア・ガーデンで初めて大会を開催した。一昨年のUSADAによる薬物検査強化に続き、昨年は減量に対するルールが改正され、選手の安全管理への配慮が一層高まった。UFCでは記念すべき200回大会をラスベガスの新本拠地Tモバイル・アリーナで開催。オクタゴン上ではコナー・マクレガー、ネイト・ディアスらが大いに気を吐き、UFCは記録的なPPVセールスを達成した。

米MMAメディアでは年末年始にかけて、これらの動向を振り返る「2016年MMA界10大ニュース」「2016年ベストファイター」「もっとも驚いたアップセット・トップ10」など、さまざまな年間ランキング系のまとめ記事がネット上をにぎわせた。そこで今回はそのような記事の中から、筆者がもっとも共感したMMA Junkieの記事などを参考に、年間ベスト10にはならないようなニュース、日々のニュースに流されてつい忘れそうになってしまう話題、しかしどこか心が温まったり、前向きな気持ちになれるエピソードをもう一度味わってみたい。


●挑戦し続ければ、成功することもあるのだと思わせてくれたミーシャ・テイトのタイトル奪取

UFC 196では、ミーシャ・テイトが当時のUFC女子バンタム級王者ホリー・ホルムを5ラウンド、リアネイキッド・チョークで締め落とし、ベルトを獲得した。ミーシャ・テイトの勝利は、まさに9回裏のサヨナラホームランのようであったが、さらに味わい深かったことは、彼女の人生そのものが、たくさんの挫折を味わい、KO負け寸前になりながら、けして諦めることなく戦い続けてきたことにある。そして最後の数分、ホルムの連打が止まった刹那に、テイトはデビュー当時には想像も付かなかったような夢を実現させたのだった。

私がテイトを初めて見たのは、ほかの多くのハードコアファンと同じく、Bodogでケイトリン・ヤングのハイキックを顔面に食らって鼻を骨折、悶絶(もんぜつ)したシーンだった。テイトのプロファイターとしての船出は順調とはいい難いものだったのだ。しかしテイトはトレーニングを辞めなかった。デニス・ホールマンのジムの外に止めたトレイラーハウスで、恋人のブライアン・キャラウェイと暮らしながら、トレーニングを続けた。やがて彼女はストライクフォースとの契約を勝ち取り、タイトルを獲得する。そこにやってきたのがロンダ・ラウジーだ。

ラウジーに負けたことは取り返しの付かない挫折にも思えたものの、何しろテイトの本領はカムバックにあった。高校時代、男子にいじめられてもレスリングを続け、州のチャンピオンになったこともある。キャラウェイから、自分と付き合うのなら格闘技を辞めろと迫られて、いったんは格闘技を選んだこともある。ラウジーに連敗したテイトは、そこから復活を果たし、その後キャット・ジンガノに再び鼻を折られても、またそこから復活してきた。


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