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大好評アジャ・コングインタビュー第4弾! 今回は全女退団!


<これまでのアジャ・コングインタビュー>
①「全女はAKB48やジャニーズだった」
http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1087876

②「恐るべし全女の異種格闘技戦/ダンプ松本、究極の親分肌」
http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1112784

③偶然と必然が折り重なった「アジャ様」覚醒の瞬間
http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1130398

④バイソン木村との哀しき別れ
http://ch.nicovideo.jp/dropkick/blomaga/ar1157304




――アジャさんの夢だった長与千種さんとの一戦ですが、全女のフロントはアジャさんに「本人と直接交渉してこい」というとんでもない提案をしてきたんですね。

アジャ そうなんですよねぇ。「ぜひ長与さんとシングルマッチをやらせていただきたいです」って会社にお願いしたんですけど。当時長与さんはGAEA JAPAN所属なので、会社同士の話し合いをしなくちゃいけない。でも、なかなか交渉が進まなくて、会社は私に「直接会って長与千種さんを口説いてこい!」と(笑)。

――無茶ぶりですね(笑)。

アジャ 「口説き落としたら両国国技館で組んでやるから」って言うんですよ。「え?それは会社が交渉することなんじゃないの?」っていう疑問はあったんですけど、「まあ長与さんと試合ができるんならいいや」って直接交渉したんですよ。

――アジャさんが長与さんにアポを取ってですか?

アジャ 長与さんにアポを取って(笑)。

――その画を想像するだけで面白いですねぇ。

アジャ それで会って話をしたら、長与さん個人として試合をやるのはやぶさかではない、と。ただ対会社となるといろいろあるから無理。まあ当たり前ですよね、会社同士で話し合ってダメなんですから(苦笑)。

――ハハハハハ。

アジャ ってことは、「全女にいるから長与さんと試合ができないんだ」って思っちゃったんですよ。私が身軽になればできるんじゃないかと。私がフリーになった理由のひとつはそれだったんですよね。その頃は対抗戦ブームが下火になってきて、全女の勢いにも陰りが見えてきて未払いだなんだって話も出てきてて。「よし、全女をやめよう!」と決めたんです。そして長与さんと戦って「プロレスもやめよう!」と。

――あ、引退も!

アジャ だって当時の女子プロレスってそんなに長いこと現役をやらないじゃないですか。引退して戻ってくる先輩はたくさんいましたけど、どこかで区切りを付けなきゃという考えはありましたね。

――憧れだった長与さんとの試合が区切りにふさわしいと。

アジャ でも、私が全女にいるかぎりは、GAEAの長与さんとは試合ができない。じゃあ実現できる方法といえば、長与さんがGAEAをやめることはできないから、私が全女をやめるしかないんだなって。

――全女をやめることに未練はなかったんですか?

アジャ うーん、私が赤いベルト(WWWA世界シングル王座)を他団体のダイナマイト関西に取られて、関西から豊田(真奈美)が取り返して、そこからまた神取(忍)が奪っていって……という流れで、私は赤いベルトの争いから外れていたし、会社からタイトルマッチの話があっても「いまさらやりませんよ」と言ってたんです。

――赤いベルトは目標に置きづらかったんですか?

アジャ その頃の赤いベルトって、いま話したようにいろんな選手のあいだをグルグルと回っていて、かつて私が命を懸けてでも欲しかったものではなくなってたんですね。

――全女の表も裏も取り仕切る象徴ではなくなっていた。前回お聞きしましたけど、ブル中野さんとのベルトを巡る争いはとにかく壮絶でした。

アジャ 昔は周りに先輩方がいようがいまいが、ベルトを持ってる人間が全女のトップという認識があったんです。でも、あの当時は私や北斗(晶)さんがベルトの上にいる感じで、チャンピオンが絶対的なトップではなくなってたんですね。北斗さんは「デンジャラスクイーン」として名前がありましたし。

――ベルトを超えた存在になってましたね。

アジャ ベルトの上に位置づけされてる自分に凄く違和感があったんです。それは自分が引退したり、全女から出ていかないから……かもしれませんけど。自分の中では一歩引いてる意識はあったんですけど、どうしてもアジャ・コングという名前は大きくて。チャンピオンじゃなくなってもトップとして扱ってくれて、凄く居心地はよかったんですけど、凄く不健全な感じがして。私が全女にいるかぎりはこのシチュエーションは崩れないし、お互いにとって不幸だなって。

――その不健全さも全女をやめる理由だったんですね。

アジャ やめれば誰にとってもプラスになるんじゃないかって。自分の気持ちもスッキリするし、全女の中も健全になるし。

――しかし、ベルトを中心とした秩序が崩れてしまったのは、全女という特殊な団体にかぎらずプロレス団体としても致命的欠陥ですよね。

アジャ そこにはきっかけがあるんですよ。私と北斗さんがNKホールでタイトルマッチをやるはずだったんですけど、北斗さんはヒザの手術をしたばっかりで、全然治りきってなくて。試合どころか、まともに動けるような状態ではなかったんですよ。

――本来ならば入院してなきゃいけない状態。北斗さんは全身ボロボロだったんですよね。

アジャ それもあってタイトルマッチではなく普通のシングルマッチに変更されたんですけども。私としては北斗さんが万全の状態でタイトルマッチがやりたいから、仕切り直しにしましょうって話になったんですけど。

――再戦の舞台は、東京ドーム「憧夢超女大戦」V☆TOP WOMAN日本選手権トーナメント決勝でしたね。

アジャ 赤いベルトが狂ったのは、あの東京ドームからなんですよ。全女にはベルトという頂点があるのにV☆TOP WOMANというトーナメントで「最強は誰だ?」とかやったでしょ。そこに私が出ることになれば「WWWAはV☆TOP WOMAN以下なの?」ってなるじゃないですか。

――ベルトの価値が崩れてしまいますね。

アジャ しかも各団体の代表を出すという話だったのに過半数が全女の選手でしょ。「全女だらけのトーナメントになんの価値があるんですか?」ってことで会社とケンカして、私は「全女代表はイヤだ」と。WWWA代表として出るし、途中で負けたらその場でベルトを返上するって言ったんです。

――チャンピオンの立場としては筋は通ってますね。

アジャ 会社は「いやいや、もっと気楽な気持ちで出てよ~」って(笑)。


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