「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
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今回は、2023年03月07日(火)配信のテキストをお届けします。
次回は、2023年03月21日(火)20:00の配信です。
お楽しみに!
2022/03/07配信のハイライト
- 「H3失敗のダメージ」と「効率のいい昆虫食とは」
- 「人口減と有権者の当事者性のなさ」と「行政と立法が癒着という問題」
- 「EV充電器の設置とカーシェアリング」
- 「Winnyが普及した可能性」と「AIによるラジオ」
- AIによる創造と「人間がデッチ上げた著作権」の関係
- 「スマホが普及した理由」と「インプットデバイスの少なさ」
「H3失敗のダメージ」と「効率のいい昆虫食とは」
山路:しょっぱなの話題、あんまりなんか楽しい話じゃないんだけど、これは言うとかんといかんかなーと。
小飼:僕のTLお通夜でしたね(笑)。笑っちゃいけないんだけど。
山路:前回でね、なんかこう次、頑張ってほしいなと言ってたところですよ。「ギャンブルに負けた感じ?」ってコメントがありますけど、ギャンブルに負けたんでしょうか。
小飼:いやー、だからそもそもギャンブルしなきゃ、ギャンブルしちゃったこと自体が問題なんだけれどもね。
山路:今回、前回弾さんも指摘してた「だいち3号」、それも載せて、それもなんというか無残に、
小飼:失われてしまったというような。
山路:これって、今回のはもう明らかに失敗じゃないですか。
小飼:うん。今回はもう失敗というしかない。なんと言ってもペイロードが失われたしね。
山路:誰が悪い、何が悪いって言えるんですか、今の時点で。
小飼:少なくとも、だいち3号をH3で打ち上げるって決めたのに関与した人たちというのは、これは責任は免れませんね。でも、H3自体が失敗したというのは、これはわりと普通というのか、想定の範囲というのか。
山路:ロケットは失敗するもんだぞっていう。
小飼:その通りです。
山路:特に初号機は。
小飼:初号機は。本当であれば、本番ペイロードなんていうのは3回ぐらい打ち上げてからにしたいんだよね。
山路:1回目はスターマンにしとけよと。
小飼:1回目はスターマンにしとけ。で、どこもそうやってて、日本も例外ではなかったんだけれども、なんでいきなり本番になったんだっけ?
山路:これはなんというか、お金の節約のためってこと?
小飼:っていうことらしいですね。H3の一番の売りというのは、H-IIよりも安いと。半額で打ち上げられますと。なので、失敗とかをカウントしなければ、H3で打ち上げることによって、50億円浮きますよと。しかも1号機というのは、本来は実験用なので、それで本番のを打ち上げれば、ロハも同然だと。実際、100億浮いたのも同じだと。だけど、ペイロードはあれだよね。安く見積もっても350億するんだよね。ペイロードのほうが高いんですよ。一点モノですから。
山路:じゃあその、つまんない節約のために、大損こいた結果になっちゃったっていう。
小飼:っていうことになりますね。
「ケチって400億溶ける」(コメント)
小飼:要するに下手の安物買い、H3を捕まえて安物というのもちょっと気が引けるところはありますけれども、本来は一番の売りで、しかもH3が100億が50億になったというのでも、それでもSpaceXに比べてしまうと高いんですよ。
山路:あそこバンバン再利用しますしね。
小飼:あっちは10億を切ってると言われてるので。
山路:10億かー(笑)。
小飼:日本だけではないです。よく商売上がったりにならないっていうところはありますよ。もちろん、軍用の需要があるんですけどもね。
山路:今回のってやっぱりダメージは相当デカいじゃないですか。
小飼:心理的ダメージがでかい。
山路:今までだいち3号ってけっこう期待されてましたよね。
小飼:ものすごい期待されてましたというのか、間が空きすぎた。本来であればH-IIAで打ち上げる予定だったんだよね。これをH3で打ち上げるのに決めたのは誰だっていう。2015年に変更になったらしいけど。
山路:そんな前から、前の時点で変更したのか、そうなのか。それで三菱重工の株価も暴落してるという。暴落ってほどでもないけどな。
小飼:いや、まぁ、でも確かにいいことなしが続いたよね。
山路:スペースジェットといい。
小飼:スペースジェットといい。
山路:これ、H3の今回の失敗って、どれくらい尾を引くもんなんでしょうかと。
小飼:なるべく尾を引いてほしくはないんだけれども、でも少なくとも、だいち3号を載せるって決めたやつというのは、これはきちっと更迭される必要がある。だから、そこはちゃんと落とし前つけてもらわないとダメだと思う。そこはもう失敗なので。
「ChatGPTに誰が悪いか聞いてみたい」(コメント)
小飼:ちょっとそれはさすがに、それはさすがに。
山路:ハルシネーションで適当なこと言われるだけだと思いますけどね(笑)。
小飼:その発想はちょっと危なすぎるわ。H3が失敗したことは、だいち3号が失われたことに比べれば屁みたいなもんなんで。というのが、本来は屁みたいなもんなんですよ、1号機というのは。初号機というのは。それに実を乗せるとは何事だという。
山路:いやいやいや。じゃあ、次。ちょっと最近話題になっているニュースで。これ、コオロギ食がなんか最近話題になっているじゃないですか。
小飼:あれを、無印のせんべいは僕も食べたこともあるし、あれだ、トラディショナルな昆虫食としては、ハチノコとかイナゴとかってあって、僕も食べたことあるし、中国の天津では、カイコのマユ、あ、マユじゃなかった、カイコのマユをひっぺ返して、だから展翅を取った後のサナギもなります。
山路:私はオーストラリアで、ウィッチェティ・グラブって言って、ガの幼虫、けっこうバターみたいな感じで、トロッとして美味しいんですけどね。フライパンで炒めて食うと、
小飼:だから、一つ不思議なのは、なんでコオロギかという。同じ昆虫食と言っても、ご存知の通り、昆虫って動物の種類の中では8割を占めてるわけですよね。圧倒的多数なわけですよね。だから、どの昆虫を食べるっていう、当然チョイスがあるはずなんですけど、コオロギに白羽の矢が立った理由って何なのか。
山路:これ、なんか昔聞いたような気がしたんだけど、その理由ちょっと、今パッと出てこないですね。イナゴとかでもべつにいいわけだし。
小飼:だからさっき言ったガの幼虫とかのほうが良さそうというのか、イナゴもそうですけれども、コオロギって不完全変態と言って、卵から生まれた時点でもう親のちっちゃい姿をしているわけですね、一齢幼虫の時点で普通に足が三対ある状態で生まれてくるのに対して、完全変態の昆虫というのは、
山路:チョウみたいな、
小飼:そう、ウジのフェーズがあって、イモムシのフェーズがあって、それがサナギになって、成虫になるっていうフェーズがあって。完全変態の昆虫のほうが、飼育効率はいいはずなんですよ。それはなぜかっていうと、完全変態の昆虫の特徴っていうのは、ひたすら食う時期と、ひたすら盛る時期が分かれていて。
山路:幼虫の時に食えば一番効率、
小飼:そうそう。サナギになる寸前に食うのが一番効率がいい。なんでそっちにしなかったんだろうな。
山路:これ、そもそもコオロギじゃないにしても、昆虫食、カロリーとかエネルギー効率の面から見たら、その投入したエネルギーに対して得られるそのタンパク質というかって言うんで考えると、鶏とか豚とかに比べてどうなんだろうみたいな。
小飼:鶏はかなり良くて、鶏であれば、鶏肉であれば120億人ぐらいいけるんじゃねっていう試算は確か、
山路:地球人口がね。それくらい増えても。
小飼:そうそう。よりも少し上がるのかな、昆虫にすると。鶏はとてもいい。ブロイラーにして肉にしてもいいですし、それだけではなくて、卵を産ませるという手もある。卵はやっぱりすごい良いじゃないですか。たぶん今、動物性タンパク質で、今ちょっと卵クライシスになってますけれども、それを考えてもなお、
山路:栄養価の高さとかで、
小飼:そう、栄養価の高さと、安さという点で、動物性タンパク質のソースとしてナンバーワンだと思いますよ。だから卵の利用はちょっと厳しいよな、昆虫の場合。
「コオロギを鶏に食べさせれば」(コメント)
小飼:いや、だからそうすると、そこで効率が落ちてしまう。
山路:できるだけこう、なんていうか、
小飼:それであれば、そもそも大豆を食べさせればいいし、それであれば人間がじかに大豆食ったっていいじゃんという。
山路:あるいは大豆を、代用肉作るとかね(笑)。いくらでもやり方はあるんだけど、ちょっとどうなんだろうな、昆虫食の変換効率みたいなもの。私は生理的嫌悪みたいなのは、べつに昆虫食自体には感じないんですけど。
小飼:しかも、コオロギは粉末にしちゃうしね。イナゴとか、あのまま、あの姿で、佃煮とかになってんだよ。
山路:それでも食う文化ある国じゃないですか、ハチの子も。いや、なんていうか、これ、コオロギが生理的にイヤって騒いでる人ってそんなに多いのかな?
小飼:あと、甲殻類アレルギーは当然、昆虫も引っかかるので、そこは注意してください。エビカニがダメな人はたぶんダメ。
山路:川エビとかの唐揚げ、普通に食う人がコオロギ嫌がるっていうのも、なかなかちょっと納得はいかない感じがあるんですけどもね(笑)。
小飼:コオロギというのか、昆虫食はとってもありだけれども、なぜコオロギなのかというのがちょっと引っかかってはいる。やっぱりあれかな、他で飼育ノウハウが確立してるのかな。
スタッフ:ちょっと調べてみたんですけれど、コオロギは飼育がしやすい。食生活が粗食で、飼料効率が高いっていうことらしいですね、
小飼:でもそれ言ったら、ウジムシはもっと高いしな。
「趣味で食うのは否定しないよ」(コメント)
スタッフ:1キログラムのタンパク質を生産するのに少なくすむっていう、
小飼:それは昆虫はほぼ全部共通で、同じ昆虫であれば、完全変態する種類の、最終齢幼虫をシメるのが一番効率がいいはずだという話です。
「なんでそんなに虫を食わせたいんだろう」(コメント)
小飼:虫を食わせたいというよりは、獣を食わせたくないんだよね。コオロギ屋って何かわかんないけど(笑)。
山路:環境負荷みたいなのが、
小飼:牛はべらぼうに高い。これはわかってる。で、うなぎとかもかなり高そうだよね。というのか、魚はよくわかってないんだよね、というのは完全に家畜化してるわけじゃないじゃないですか。
山路:そのエネルギーに関しては、外部不経済って言葉は正しいかな。
小飼:そうなの。本当に外部不経済なわけ。
山路:だからそれを組み入れた計算というのはそんなにされてないですよね。「魚介類でいいじゃん」っていうのは、それが狩猟でまかなってるからっていうところはありますよね。
小飼:豆腐大活躍っていうのはもう決まってて。理想を言えば、みんなもう豆腐だけ食おうよ、もう、グッバイお肉というのが最高だというのもわかってはいるんだけれども(笑)。
山路:まぁね、ちょっと時々肉は食いたくなりますけども(笑)。それは正直なところ。あと、社会ニュースで、これもびっくりしたというのか。
「大人になってから大豆アレルギーになってダメだ」(コメント)
小飼:それは悲しい。
山路:ええ、そんなことあるんですか?
小飼:日本で大豆アレルギーって辛いよな。豆腐だけじゃなくて、醤油とかも来るらしいし。そうかそうか。醤油味噌も来るらしいし。
山路:それは本当にご愁傷さまという。
小飼:そう、牛はまだ残る可能性というのは、牛乳はそんなに悪くないんだよね、使用効率が。じゃあここでクイズです。最も優秀なホルスタインの乳牛は、1年どれだけの乳を生産するでしょうか? ちなみに体重800キロくらいで、けっこうデカいんですけど。
山路:800キロくらい。1年間で?
小飼:1年で。すごいよ、おっぱいいっぱい。
山路:ぎょっとする、リッターで、
小飼:単位なんでもいいです。僕がわかれば。
山路:1トンとか?
小飼:20トン。
山路:20トン(笑)。
小飼:年間。1年。要は、半月で自分の体重と同じ量の乳を生産する、一番優秀な乳牛では。すごいでしょ?
山路:なんつーか、よくそんな便利な生き物がおったなっていう。
小飼:ねえ。ただし、いったん妊娠させて仔牛を産ませないと出ないっていうのは、そこはもうしょうがないというのか。そうですよ。乳牛の皆さんというのは、みんな経産婦なんですよ。意外と、それを忘れているのか、失念している人いるんだよ。
山路:それにしても、最近は飼料を使うことが多いでしょうけど、草食ってそれが乳に変わるとかすごいですよね。
小飼:20トンよ。いや、実は草以外のものも食べさせているというのも、その秘密には。要はグレインフェッドっていうんだけど。グラスフェッドではちょっとその数字は無理ですね。
山路:その栄養価の意味でってこと? それとも牛乳の出としてってこと?
小飼:出として。やっぱりタンパク質のソースとして、草というのはあんまり効率が良くないので。
山路:なるほどね。そこのところで結局、元のタンパク質、ある程度、
小飼:だから、トウモロコシ様々なんですよ。トウモロコシでなくて、ダイズも食わせてるのかな、でも、ダイズはけっこう植物食の中では高いほうなので。ほとんどグラスフェッドとは言っても、トウモロコシ食ってるはずです、この子たちは。
「人口減と有権者の当事者性のなさ」と「行政と立法が癒着という問題」
山路:社会面のニュースでもう一つ、この出生数、初の80人割れ、
小飼:これは日本の話だよね。
山路:ですです。
小飼:全世界で80万人って言ったら、それはちょっと超ヤバい。
山路:それはもう人類滅亡ですよ(笑)、
小飼:日本は想定の範囲内というのか、ただし、予定というのか、長期予測よりも10年早く来たと。だから、そこの部分っていうのは、政治だよなという(笑)。
山路:今まで、2016年ぐらいまでは結婚した夫婦はだいたい子供を産んでた。それがこう、それ以降は結婚しても産まなくなった、
小飼:できちゃったので籍を入れるっていうのもね。できちゃった婚改め、おめでた婚だっけ。
山路:なんかこれは異次元の少子化対策でどうにもならんような(笑)。
小飼:前にも言った通り、日本の人口が半減するというのは、ここまでは避けられないです。消滅するかどうかというところまで行くと、要は日本国外から新日本人を輸入できるかどうかですよね。だから日本人の自力努力ではもうどうしようもないっていうのは、この番組でも何度か言ってきた通りです。
山路:いやー、ただな、この移民とかをスムーズに受け入れられるバックグラウンドがあるのだろうかとは心配なところですね。
小飼:まぁ、人っこ一人いなくなった東京の廃墟に移民してくるというのも、それはなかなかサイエンスフィクション的に絵になるとは思うけれども、でも、もったない話ではあるよね。せっかくこれだけのインフラがあるので。だから、今いる日本人が絶滅しても、人類の誰かに有効活用してほしいというのはあるね。もう絶滅前提かよ(笑)。
山路:絶滅前提かよ(笑)。そういう政府の方々が言ったことが、子供の出生数が増えたら子供予算も倍増するぞという。
小飼:増やすのを遅らせるぐらいのことしかできないんだよね。いや、だからこういうのもなんだけども、政治的努力だけでも、出生率2.1を上回らせるっていうのは無理なんだよね。フランスがあれだけ頑張って1.9だから。
山路:それにしても、この発言ひどくないですか(笑)。出生率が上がったら子供予算は結果的に倍増するって、なんじゃそりゃっていう(笑)。
小飼:すごいね。
山路:すごいこと言ってませんかっていう。
スタッフ:ちょっと質問いいですか。リアリティを持ってわかってないっていうか、わからないんですけど、子供が減って少子化すると、具体的に何が困るんでしょう?
小飼:要は日本全体の人口が減る。その国自体の人口が減る。人口が減るってどういうことかっていうと、その人口を前提にしたサービスができなくなるっていうことなの。「世界が100人の村だったら」っていうのがあるけど、100人の村が90人になったら、100人の時にはできてたことができなくなるっていうことがいっぱいあるんですよ。
スタッフ:ただ以前、それこそ2年前くらいかな、弾さんに聞いた時に日本には移動の自由があるんだから、要は人口が減って不便になるところがあったりしたら、どんどんみんな集まっていってみたいな感じになるっていうんで、適当な形になっていく、仕組みとして、維持できる形になっていくのではないかと思うんですけど、
小飼:そんなこと言ってない、減るとは言ってるけど、維持できる形になるなんて言うのは全然言ってないよ。
スタッフ:それはそうですね。これはすみません、私のあれでした。
小飼:はい、いや、でもあなたのように、勝手に希望的観測している人たちは少なくない。というのか、日本人の過半はそうなんじゃないかな。落ち着くとこで落ち着くよっていうふうに思っていると思うけれども、でも例えば、日本の人口が1億2500万から1億になるっていうのはどういうことかっていうと、九州が丸々1個なくなるのと同じです、それって。
山路:減り方のスピードもありますよね。それがゆっくり減っていくんだったらいいけれど、あまりにも急激に減るんだったら、
小飼:急激に減るんですよ、急激に減るところまで決まってるわけですよ。そう、団塊の人たちっていうのも、まとめて生まれてきただけあって、まとめて亡くなるんです。まとめて死ぬんです。
山路:まぁ、ポイント・オブ・ノー・リターンを過ぎちゃった気はするけれども。
小飼:ただ、こうは言っても、少子化を止められた国っていうのはないんですよね。ある意味、成功例がない。先進国になると必ず、出生率というのは2を切るんですよね。もう、先進国の定義って言ってもいいかもしれないね。
山路:あるいはホモサピエンスの宿命、
小飼:インドですら減ってるんだから、今、
スタッフ:これもちょっとバカなことかもしれないですけど、一応聞きます、子供が増えるっていうのは不便であり、まぁ要は全然そういう便利でもないような世界というか、そういう場所のほうが子供って増えやすかったりとかするんですか?
小飼:いや、多死多産だったんですよ。昔は5人産んで3人生き残るみたいな世界だったわけです。
スタッフ:私の両親の世代はそうでしたね、確かに。
山路:あとやっぱり自動化が進んでない世界だと、人手として単純に必要だったっていうのはデカいんじゃないですかね。
小飼:あと大きな災害とか戦争のあととかっていうのも増えるというのはわかってます。だから単純に人を増やしたいだけだったら、実は答えは、
山路:戦争を起こす(笑)、
小飼:戦争でなくてもいいけど、戦争が一番手っ取り早いかな。幸福のどん底に人を落とせばいい。だからウクライナの出生率はもうすでにかなり上がってるはずだよね。ロシアも上がるんじゃないかと言われてますね、ちなみに。でも、そういうのがいいの? っていう話です。
「満員電車見てると減って欲しいんだ」(コメント)
山路:いや、満員電車はリモートワークで解決できると思うけど(笑)、
小飼:ここで一応言っておくと、人類は少子高齢化に全然慣れてないんです。日本も人口を減らすっていうのがずーっと国策だったんですよ。だから、こういうのもなんですけども、今の少子高齢化というのは、施策がうまくいった結果でもあるんですよね、というのか、まさに施策がうまくいった結果なんです。
山路:弾さん、ちなみにそこのところで人口抑制策を取ってなかった世界線があったとしたら、どうなってたと思います?
小飼:そうしたら地球はもっとヤバいことになってたでしょうね。もっと多くの土地が、
山路:農地に、
小飼:農地にされて、それで表土流出というのがもっと進んで、温暖化ももっと進んで、ということで、人口抑制のほうに人類がシフトしたというのは、これは正しいんですよ。
山路:マシな世界線ではあるわけだ。
小飼:そこは正しいけれども、じゃあどうやって高齢化を乗り切るのかっていうのは、まだこれでいけるんじゃないかというのが出てない。でも、これも前にも言った通り、そこでうまくやれば日本は世界に対して、すごい先輩ヅラできたんですけどね。俺たちはこうやって乗り切った、今度はお前らの番だって言えたんですけどね。
山路:いやいや、なかなか異次元の少子化、大変そうではありますね。
小飼:いや、異次元じゃなくて、この次元の話なんですよー。
スタッフ:じゃあ、すいません。ということはこれから日本のいろいろ制度やら何やら仕組みそのものとかが、激動のように変わっていくって、見ておいたほうがいいって、
小飼:激動しないところが問題なんです。
山路:うん、そう思うな(笑)。
スタッフ:えー。
山路:変わらずに既存の仕組みのまま、今まで増えてくることを前提にして作られた社会システムのまま、少子高齢化に向かうという。
小飼:昔のことしか知らない人が多数派だっていうことなんですよ。
スタッフ:そうするとショートしちゃうじゃないですか、
山路:だからショートしてるじゃないか(笑)。
スタッフ:もう本当に、要は沈むっていうか。
小飼:でも、沈んでるじゃん。
スタッフ:いや、まぁまぁまぁ、
山路:あなたの言っている通りになってるやんけ(笑)。
スタッフ:沈んでる最中だったら補償効くかもしれないですけど、沈んだ後に気がつくってことですか? そういう人たちって。
小飼:いや、だから沈んでるじゃん。さすがに沈んでるということまでは、明らかなわけですよ。
山路:気づいてない人は、それがヤバくなった時にはもうこの世にいないから気にしてないだけでしょっていう。
小飼:だから、他人ごと、異次元の話だと思ってる。ニュースとして、知識としては知ってるわけです。日本が地盤沈下してるというのは。
スタッフ:ああ、じゃあ異次元の少子化対策って言うのはそのとおりなんだ、
小飼:異次元というのは誰から見てと言ったら、日本国民から見て、なんですよ。異次元の話じゃん。だから日本という少子高齢化に悩んでいる国があります、他人事なんですよ。
スタッフ:なるほど。
山路:政治家の当事者意識のなさっていうことが、
小飼:政治家だけではなくて、有権者の当事者性のなさは、なさというよりも想像力の欠如ですよね。やっぱ、俺たちの頃の、で考えちゃうわけですよ。いや、だから、金が足りない? バイトすればいいじゃんとかさ、そんなバブルの頃はそれでよかったかもしれないけどさ。
スタッフ:いいコメント入ってますね、「マイクスタッフにはうんざり」って入りました、申し訳ございません。本当にすいません。
小飼:いやいやいや。でも、うんざり、なぜそれでうんざりするのかっていうのを考えるのは、うんざりから脱却するきっかけでもあるので。そこは責めないであげてください(笑)。
(コメントを見ながら)ああ、「若者には貧しくなる自由がある」ってさ、それ自由じゃないじゃん、お前が押し付けてるんじゃん(笑)。
山路:じゃあ、政治の話、もう一つ行っておきましょうか。「高市大臣が議員辞職を否定」というニュース。放送法をめぐる、その中でのやりとり、行政文書が捏造だというふうに高市氏は言って、でもそれは捏造ではなかったと。ちゃんとした行政文書だったと。だけど、その文書の内容が不正確だから、やっぱり大臣はやめませんと。
小飼:似たような話というのは、安倍晋三くんの時にもあったわけじゃん。それと似たような話があったけど、結局なんで辞めたかって言ったら、ヤバくなったからでしょ。パンデミックでヤバくなったからだよ。いや、それで現場から逃げたわけじゃん。
山路:この高市さんの話のイカすところは、この行政文書が作られたときの総務大臣が高市さんだったっていう(笑)、なかなかイカすと思いませんか。捏造だったら捏造だったで、不正確だったら不正確だったで、自分の責任。
小飼:ちょっと高市大臣って書いてあるけど、現在も大臣、これは元大臣にしないと(※編注:2023年3月7日現在、高市早苗は、経済安全保障担当大臣、内閣府特命担当大臣)。
山路:失礼、失礼。
小飼:これは、高市先生の肩を持つわけではないですけども、日本は三権分立とはいっても、行政と立法が癒着した構造を憲法で保障されている国でもありますよね。内閣の過半数は国会議員から選びなさいって憲法に書いてあるわけですから。それに従って、高市議員も高市大臣になったわけですけれども。だから、もういいじゃん、大臣じゃないでしょっていう開き直り方というのはありえますね。じゃあ、もう半分は議員でない人から選んでいいんでしょっていうことなんですけど、でも実際はあまり活用されてなかったですよね。
山路:ないですよね。
小飼:それを実は一番活用した人というのは、近年では小泉の親父ですよね。その中でたぶん、議員でなかった大臣として一番著名なのは竹中さんですよね。ハハハハ。
山路:総理大臣に取り立てられると、あそこまで権勢を振るうことができるものかというのはびっくりですよね。
小飼:だから内閣ってすごいんですよ。だから閣議決定ってすごいでしょ。
(コメントを見ながら)あっ、だからあれだ、高市先生が現大臣の時に議員を辞職して、大臣のままっていうのは、法的にはあり得るよな。だからそういうケースを作ってほしかったな。だから、議員の時代に大臣になったけれども、議員を辞めても大臣のままっていうのは法的にはあり得るはずなんだけど、それをやった人っている?
山路:日本の場合って、大臣って何かをやらせるための、そうやってアサインじゃなくて、何かの褒章として使うじゃないですか、大臣の椅子っていうのを。だからこそでしょうね。
小飼:アメリカだと、
山路:仕事せえっていう割り当てですけど。林外相が国会のためにG20を欠席したとニュース。これはいかがなもんでしょうかと。
小飼:日本らしいねと、だから、ここはあえて言うと、いかに立法府を大事にしたかということですね(笑)。
山路:確かに首尾は一貫してる。
小飼:そう、だから行政府の仕事よりも、立法府優先した結果、こうなったという見方もできますよね。
山路:じゃあ、政治絡みの話、もう一つ。これはG20の話なんですけど、これって林外相のやつって、もしもG20に本当に行かせたいと思うんだったら、どうすべき、誰がどうすべきだったと思います?
小飼:誰がどうすべきだったって言ったら、普通に「行く」ですよね。
山路:それは首相が押し切るべきだったということなんですかね。
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