「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
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 今回は、2020年09月15日(火)配信をお届けします。

 次回は、2021年02月02日(火)20:00の配信です。

 お楽しみに!

2020/09/15配信のハイライト

  • Apple Watchの心電図についてと、NVIDIAをめぐる話題
  • ドコモ口座事件はなにが問題だったのか?
  • 新政権による行政のデジタル化と地銀の再編
  • SFの話題と大坂なおみについて「国籍日本でいいですか?」
  • アメリカの諜報の闇とロシアの軍事力
  • EVトラックのニコラから考えるEVと「水素社会は来ない!」

Apple Watchの心電図についてと、NVIDIAをめぐる話題

山路:今日はタイトルはそのドコモ口座事件になってるんですけれども、まあちょっと軽い話題から。

小飼:ドコモって……それは、美味しいものはちょっと後でいただく、美味しいって言っちゃっていいのかな。

山路:語ることありすぎますよね、ドコモ口座の事件っていうのは。ちょっと軽いところで言うと、今日の夜に、深夜2時ぐらいになるんですか、Appleの発表会があるという。

小飼:そう、またというのもあれだけど、なんか一晩ずれたというのか。

山路:この論弾とね。

小飼:米国時間で火曜日というのあれなんだよね、日本で水曜日なんだよね。

山路:前回のWWDCがちょっとイレギュラーだったんですかね、月曜の夜にできて。

小飼:そうなんですよ、だからその話題で。

山路:Apple Watchが出るんじゃないかとか、それはほぼ確定なんだろうけど。あとiPadとか。

小飼:まぁ確実に確定したものをしてれば、新製品でない方の現行のApple WatchでもECG、

山路:心電図?

小飼:心電図、が出るようになる。どうなるのかなというはあれなんだけどね、だから期待3割不安7割ぐらいだという。

山路:え、なんに対する不安?

小飼:なぜかというと、僕、心電図が奇形なんですよ、WPW症候群というのに当たるらしくって、波形がほかの普通の人と違うらしくて。それで一度精密検査しろっていうふうに献血の現場で言われたのでしたところ、心臓がちょっとそっぽ向いてるらしい。ちゃんと機能してるんだけれども、そっぽ向いてるらしくて。

山路:そっぽ向いているというのは、なんか、らしいっちゃらしいような気も。

小飼:Apple Watchはそれをどう評価するという。だから知らない間に変なところに通知をしてたりされると、ちょっと俺としては困るなあと。

「北斗神拳が効かない体質か」(コメント)

小飼:そうかもしれない。秘孔が突かれないタイプかもしれない。

山路:今まで心臓とか病気したことは?

小飼:病気したことない。強いて言えば頻脈だっていう風に言われてたけど、それは別に奇形のうちでもなんでもないので。

山路:へえ。でもその辺の所っていうのはなんか情報が集まると、アップルのほうも改良するかもしれないし。

小飼:あとApple WatchのECGは、心拍と違ってというのか、あずかり知らぬところで測るというタイプではなくて、ちゃんと明示的にこうやって(Apple Watchのデジタルクラウンに指を当てながら)測るものなので、そこは安心かな。

山路:時々、心拍数あがったりすると、Apple Watchが警告発してびっくりすることとかあったりしますけど、心電図でもアラートくるんですよね、確か。

小飼:心電図も、心電計は明示的に使わなければいけない。

山路:まぁそれはそうなんだけど。

小飼:明示的に測らなければいけない。そうなんですよ。

「心電図エラーだらけなの」(コメント)

小飼:どうなんだろうな。WPW症候群って言うのはわりかし多い、奇形波形らしいので。

山路:へええ。いや、でもなんかそれはレビューやってもらいたいっすよね。

小飼:次の、たぶん新しいやつにならないとパルスオキシメーターはつかないと思いますね。

山路:血液中の酸素を見るという。

小飼:ただSpO2はどの程度正確か、あるいはどの程度不正確かっていうのはかなり気になるところですね。っていうのも、普通のパルスオキシメーターっていうの挟み込むんですよ。で、センサーの反対側からちゃんと光を当ててるんですよ。

山路:それをこの手首のとこに当てるだけでできるのかと。

小飼:まあ、もちろん反射光を見てもできるので。だから原理的には透過光でないと駄目だということはないけれど。でも透過光のほうが原理的にやっぱりいい精度が出るんだけども、1パーセントの精度というのは無理でも、たとえば3パーセント位の精度で、もう普通はかなり100パーに近い数字なんですね、98とか。で、95とかを切っただけでもかなり苦しくなっても、90切ってるって言う風になったら、もう確実に異常事態なので。それがわかる程度であれば、たぶんこっち側でもできるのかな。

「日本人が開発したんだっけ」(コメント)

小飼:パルスオキシメーターは日本の発明ですね。

山路:へえ、すごいな、見てる人めっちゃ詳しいですね。それってちなみに、心電図計で今回の厚生省の許諾があって、有効になりそうだって話じゃないですか。

小飼:わからん。わからん。「おま国」の可能性はかなりあるよ。こういう物というのは。

山路:これはまた心電図とは別の認可でっていうことに。

小飼:別の認可でっていうことで。

山路:そうかそうか、じゃあすぐに買い換えるかどうか……。

小飼:あるいはでも、認可としてではなくて、医療機器ではなくて、たしかFitbitが先行してるんですよね、で、Fitbitでついてるやつというのはどういう位置づけだったんだっけ? だから医療用っていう風に謳わなければ、その機能はオンにしといていいんじゃなかったっけ。でもそれは米国法だっけ? ちょっとそこら辺はわかんないけど。

山路:でもアップルはたぶん本当にヘルスケア事業とか本格的にやりたいと思ってるだろうから、中途半端にやらないでけっこうがっつり

小飼:初めはどっちかって言うと虚栄心をくすぐる方向にいってたんだけど、今そっちの方向というのはもうほとんどスルーで。

山路:なんかセラミックで高いやつとか出してましたけど。

小飼:でもせいぜいセラミックやん、その前のやつは金とか出してた。

山路:あー、はいはい。今は本当にガチでヘルスケアやってますもんね。そのApple、相当相変わらず強気な……。相変わらず世界最大企業だけあっていろいろ注目もされて、たとえばストリーミングゲームの配信なんかでもまたちょっとApp Store絡みで揉めてたりとかするという。ストリーミングゲームの配信をいちおう可能にはしたんだけど。

小飼:でもタイトルごとに許諾を得ろと。みかじめ料払えと。

山路:それストリーミングゲームサービスじゃねえじゃん。

小飼:ストリーミングの意味ってどこにあるんや! っていう(笑)やつですよね。確かに普通のアプリでも実質タダの、タダの専用webブラウザっていうのは少なくないんだけれど、ただ画面をパススルーするだけのアプリというのも、もちろんあるんだけれども。

小飼:ただそれ以前に、ストリーミングゲームってなんかやけに静かだなあと。1年前ぐらい前はもっと鳴り物入りで

山路:Googleのストラディアでしたっけ。

小飼:Stadia。Stadiaとあとあれだ、

山路:xCloud。

小飼:と、NVIDIAがやろうとしている、何だったっけ、

山路:なんだっけ、ちょっと名前忘れたけど。思ったほどパフォーマンスが出なかったってことなんですかね。レイテンシーとかその辺のやつは。

小飼:どうなんだろうね。

「PSのもある」(コメント)

小飼:いやアイデアそのものは素晴らしいんですよ。というのも、やはり家庭用のにするっていうのは、ただでさえ高性能なCPUでなければいけないのに、だからぞんざいに扱われるというのを意味してるわけだ。で、家庭用に動くと言うようにコンソールを作った上で、しかも高いと買ってもらえないわけじゃないですか。PS3の時にかなり強気の値段をつけて、それで一時期ソニー、ヤバかったもんね。

山路:オリジナルのね、独自のCPUまで開発してやってましたもんね。

小飼:そういったものと言うのは、もうクラウドのおかげで問題自体が消滅しちゃうわけですよね。いつでもデプロイできるから。

山路:理屈ではそうなんだけど、なんか意外に。

小飼:ただそのあいだの回線って、そこまで太いかっていうのは。

山路:特にアメリカって、そんなに速いとこではないですよね。その都市部とかではけっこう、カリフォルニアとかだったら、

小飼:だからあれだろうね、回線チェックして残念でしたっていう人はむしろアメリカのほうが多いような気がする。

山路:日本はなんだかんだ言って最悪でもADSLとかはなんか通じてるみたいな。

小飼:ADSLじゃちょっと無理だと思うぞ。

山路:えっ、でも数メガ出たら

小飼:ADSLだと720p……30fって……圧縮がバリッとかかれば、そんくらいは行けるかもしれないけれども。でもADSLだとやっぱ苦しいよ。回線速度というより、レイテンシー、やっぱりかなり大きいのと。

「ADSLでオンラインゲーに来ないでー」(コメント)

ヤマジ:やり込んでる人なのかな(笑)
 じゃあそこのところでもう一つ、IT絡みで、でかいIT絡みで言うとこれはちょっと外すわけにいかないのかなと思ったのがNVIDIA。

小飼:はい。

山路:これ、近年稀に見るでかさではないですか。話、話題的には。

小飼:でかい話だったはずなんだけどもね。これが2年前とかだったら大騒ぎになるだろうけれども、今、少なくとも株価的にはインテルよりも……。

山路:NVIDIAも。

小飼:そうそう、デバイスカンパニーというのはいっぱいあるんですよ。もちろんNVIDIAもそうですけども、Qualcommもそうだし。

山路:えっ、Qualcommってインテル超えてました?

小飼:超えてます(編注:2020年9月の時点では、Qualcommの株価はインテルを超えていない)。

山路:超えてますか。そうか。

小飼:だけどそこをどの程度コントロールするんだろうね。だから、実にちょっと変な格好になるわけですね。NVIDIAはご存知の通り、Switchの中に入ってるTegraとかも作ってるので、今のところはNVIDIAというのはArmの一顧客なんですよね。当然NVIDIAのコンペティターもArmアーキテクチャを使ってるわけですよね。

山路:Appleシリコン。

小飼:まぁAppleシリコンは別格だと思うんですけれども、Snapdragonとかもうもろ競合じゃないですか。スナドラちゃんとかもうもろ競合じゃないですか、Tegraと。モバイルの世界ではもうSnapdragonがもう圧勝したわけですけれども、だけれども、ちゃんとNVIDIAもTegraとかでクリンチしてるわけです。べつに一掃されたわけではないわけですよね。

山路:これ、まだ具体的にどうやってライセンスをやってくかってことは明らかにしてないんですよね。それでArmの創業者がNVIDIAの買収に反対運動を起こしてるみたい。

小飼:あれがよくわかんない、ソフトバンクに買われるのがOKで、NVIDIAに買われるのがダメなの? わかんない。

山路:それはやっぱり同じ業界のものだから、反発するってことなんですかねって言う。

小飼:いや、ようわからん。

山路:なんて言うのか、心配されたことって他でもありましたね、たとえばMicrosoftがGitHubを買収した時なんかってちょっと構図的には似てません? 共有、多くの人が中立的な立場であることを期待してるGitHubをマイクロソフトが買収する時ってけっこう心配する人も多かった。

小飼:なんだけれども、でもマイクロソフトの場合、大騒ぎにならなかったのは、その前の根回しをきちっとしてたからですよ。もう我々はあなた方の敵じゃないですよっていうを、それはもうなるようになってから、だからずっとそういうメッセージを出し続けてたので。

山路:新しいCEOのナディラさん。

小飼:そう、だからどれくらいかかって、数年オーダーで地ならししてるんですよね。

山路:確かにな、開発環境とかなんかもいろいろオープンソースで提供して。なるほどね。だいぶ違う訳か。

小飼:そう、だからそういう地ならしも根回しも終わってないところに、とりあえず売ってるから買った感が、外から見てるとするよね。で、孫さん、いちおう言葉ではもうArmをIoT時代のセンターにするみたいなこと言ってませんでした?

山路:言ってましたね、もろに(笑)

小飼:傍から見てるとほんとただの会社転がしじゃん。

山路:っていうか、やむにやまれず金がないからとりあえず手放したっていう。

小飼:そういう風に見えちゃいますよね。でも、やむにやまれずというよりも、どう経営したらいいのか分かんないっていうのが(笑)。そのへんはNVIDIAのほうが一日の長がありますよね。実際にGPUを設計して出してきたわけですから。

山路:今回のそのArm、NVIDIAの騒ぎって米中戦争と関係あったりするんですかね。

小飼:その可能性はなきにしもあらんだけれども、でも孫さん、中国から完全に足抜けって出来るのかなと思う。

山路:アリババ持ってるし。

小飼:だけども、ジャック・マーが役員から抜けたじゃないですか。だから脱中国シフトをある程度進めてるんだなーっていうのは、傍から見てても。

「GeForce NOW」(コメント)

小飼:ありがとうございます。GeForce NOWのNOWがぜんぜん出てこなかった。

山路:さっきのNVIDIAがやるゲームのストリーミングサービスですね。

小飼:そうそう、さっきの「NVIDIAがやってんのはGeForce、あー……」って言ってたやつです。すいません。本当に固有名詞を覚えるのが……

山路:「IoTってついぞ流行らなかった感」ってコメントにあるんですけど。いやIoTって言葉はけっこう流行ってますよ。

小飼:IoTっていうより、もうあまりに当たり前になったので、わざわざIoTなんて言うまでもないという。

山路:コンシューマー向けプロダクツにはあんまりIoTってキャッチコピーはつけないかもしれないけれど、ちょっとこの企業向けの案件とかになるとIoTってめちゃめちゃ使ってますよね。

小飼:たとえば東京ガスとかがスマートメーター、スマートメーターって騒がないのと同じです。実際はちゃっかりあっさりなってるんですよね。

「ユビキタスも死語になった」(コメント)

山路:そうですよね、IoTってある意味ユビキタスの言い換えとも言えなくもないと言うか。あとこれ、じゃあIT絡みででかい買収騒ぎと言うか、まだなってないんだけれど、TikTok。

小飼:あれはなんなの、いったい。

山路:オラクルが買うやら買わないやら。もう結局、バイトダンスからオラクルにはディールができないみたいな話が来たという話もありますし、まだ確定じゃないんですけど。

小飼:あの強面のオラクルとすごい、何と言えばいいのか。

山路:インスタ世代の、キラキラ系の(笑)

小飼:なんかあれだよね、水戸黄門がラップやってる(笑)

山路:オラクルって水戸黄門って位置づけなんだ、そうなんだ(笑)

小飼:少なくとも老舗ではあるでしょ。

山路:ただ、ちょっと読んだ記事では

小飼:つかねえよなあ

山路:Oracle Cloudの顧客として、TikTokでかいんじゃないかという話が。

小飼:でもわざわざこんなことしなくても、裁判は起きにくくなってるわけだから、取りに行くのは比較的楽なんじゃない。っていうのは思うんだけども。だからわざわざTikTokに話を持っていかなくても

「シナジーが存在しなさそう」(コメント)

小飼:ねえ。

山路:とりあえず話題のとこにイッチョカミしとこうっていうことだったりすんのかな、ラリー・エリソンが。これもよう分からん話ですね。じゃあもう一つ、でかいIT企業絡みでなんかGoogleが城下町を作ろうという計画をしてるという話が。サンフランシスコなんかでもこう家賃がすごい高騰してたりとかするから、もうなんかある意味

小飼:まぁマウンテンデューですけどね。

小飼:ああ、サンフランシスコというよりはね。なんと言うのか、日本の会社っぽくなってってます?

小飼:いや、城下町って言うけれども、むしろgatedコミュニティを連想しますね、僕は。で、今もう住宅とキャンパスの間というのは、Wi-Fi付きのバスで往復してるわけじゃないですか。だから既にバーチャルgatedコミュニティなってるというのを、バーチャルをとり止めるというそれだけの話なのかみたいな(笑)

山路:Googleとか、割とシリコンバレー系のIT企業ってリベラルな印象があるけれど、その語ってる事となんか実際の人材の交流ってのは分断……

小飼:リベラルなんですよ。で、何でリベラルでいられるかっていう風に言うと、実際にお高くとまれるだけの金があるからです、はい。こういうのいい言葉がないんです、だからリベラルリベラルって一口に言いますけれども、もうそれこそこれも一昔ふた昔前のイメージですけども、それこそバークレーのキャンパスで葉っぱ吸ってるヒッピーもリベラルであれば、いくつもの企業の顧問を持ち回りして、お金持ってブイブイ言わせてたヤッピー、これも古い言葉で、かなり古い言葉ですけども、だからもう明らかにヤッピーなわけですよ。

山路:けっこう、そういうトランプ支持者なんかな反発っていうのも、そういうお高くとまりやがって的な、気に食わねえっていうのもありますよねっていう。

小飼:そうなんですよ。だから綺麗事言いやがってというのはね。

山路:なるほどね。これ、そういうちょっと今、分断的な話題が出たとこでIT絡みで政治の話から抜けられねーよみたいなことの話で言っていくと、これGitHub……

小飼:これ、お前らが──あえて言いますよ──どれほどド盲なことを言っているのか、というのが分かりつつも、でもその気持ちもとてもよくわかるっていうのは、バカと一緒に仕事しなくていいって言うのがこんなに楽だとはっていうのは、もう口を揃えて言うんですね。GooglersだけではなくてMicrosoftieはもそうですし。

山路:Appler、Applerって言えばいいのかな、何ていうのか知らんけど(笑)。それはなんて言うのかな。

小飼:いやでもAppleはなんかちょっと違うと思うんです。Appleの方が僕はけっこう中でどつき合いをしてた時代というの知ってるから、という偏見もあるのかもしれないですけれども、社員同士がお互いに優しくない印象がありますね(笑)

山路:(笑)。足引っ張り合って権力争いをしてる……

小飼:その前にたとえば入社するとLANの設定とかっていうのを誰も手伝ってくれないとかね。

山路:Appleで?

小飼:よく聞く話でね。

山路:へええ。いやいや企業文化、なんかAppleの入社試験ではいかにAppleが好きかっていう、Appleについての細かい質問がいっぱい出るらしいですけどね。

小飼:ええー、それどうなんだろう。まぁでも僕が知ってるたちというのはそういうAppleに応募して入った人たちではなくって。

山路:ヘッドハンティングが来た人?

小飼:そう、引っこ抜かれた人たちばっかりなので。

山路:増井さんもそうでしたよね。

小飼:増井さんもそうですね。

山路:ゲストで来ていただいた。

小飼:そうです、IMEを作ってくれって懇願されて。

山路:iPhoneの日本語入力システムですよね。増井さん、Appleからの連絡が留守電に入ってても、とても本物とは思わないから、そのまま聞き逃すところだったみたいなことを言ってなかったけ。

「フリック入力」(コメント)

山路:そうですそうです。POBoxなんかの話ですよね。あれフリック、増井さんいなかったら、本当にフリック入力なかったかもしれない。こんなに、少なくとも流行ってなかった可能性が大いにありますよ。じゃあこれ、どうしましょう、ドコモの話行きますか。

ドコモ口座事件はなにが問題だったのか?

小飼:まぁドコモ話って言っちゃうと、ドコモ当然悪いんだけども、ドコモが一番悪いわけではないのでちょっと気の毒ではありますね。でも最初に発覚した業者としては大手だということで。あとやっぱり「ドコモロ座」の印象があまりに強い(笑)

山路:言葉のおもしろさがね。今はすごい大きく話題になってる、けっこう皆さんご存知なんじゃないかと思うんですけれども。ドコモが銀行から送金できるサービスドコモ口座というサービスをやっていたと。それを銀行の口座と紐付けするんですけど、紐付けの認証が甘かったと言えばいいのかな。

小飼:そう、だから、これのポイントはドコモ口座事件という字面だけ見ると、ドコモ口座を持ってる人が被害にあったって印象があるでしょ。違うんですよ。何が違うかって言うと、ドコモ口座なのかドコモロザなのか、ぜんぜんそんなこと知らないという人がいつの間に引き落とし設定をされて、いつの間にお金を抜かれてたと。で、お金の抜かれてた先がドコモ口座だと。

山路:恐ろしいですよね。こんな事件聞いたことないっていう。

小飼:そう。

山路:オンライン口座で。

小飼:だからこれ、家に例えたら、住んでる間にいつの間に勝手口を作られて、いつの間に入られてたと言うね。