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小飼弾の論弾 #174「都知事の職の重さと、暴力の怖さを知り尽くした中国」

2020/09/09 07:00 投稿

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 「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
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 今回は、2020年07月07日(火)配信その1をお届けします。

 次回は、2020年9月15日(火)20:00の配信です。

 お楽しみに!

2020/07/07配信のハイライト(その1)

  • 「政治によって1番動かない」東京の都知事選
  • 全体像が見えないマイナポイントとQR決済テコ入れの謎
  • オンラインでは学べない大学の「経験」と「環境」
  • 中国から見た香港の歴史問題

「政治によって1番動かない」東京の都知事選

「都民の皆さん、こんばんわ」(コメント)

山路:まずは都知事選からいきますかね? 都知事選、いかがです? 弾さん的に見て面白かったですか?

小飼:いやまぁ、つまらない結果ではあるんだけども、なんでこんなつまらない結果が出たのかっていうのは、いろいろ考えておいたほうがいいのかなと。

山路:それぞれの人がっていう?

小飼:うん、それぞれの人がっていうことで。ちなみにですね、現職の得票数というのは、歴代2位だったそうです。だから単に選挙で勝ったというだけじゃなくて、圧勝したわけです。

山路:うんうん。59.70%の得票率と書いてありますね。

小飼:まあ要するに全投票の6割。なんですけども、ここで1つ、クイズです。では歴代の投票数第1位は誰でしょう?

山路:わりと意外性のある人なんですよね。きっと、わざわざそういうからには。

小飼:はい、ああ正解出ましたね。猪瀬直樹さんです。

山路:えー!? そうなんだ。

小飼:はい、ええとですね、今回の小池百合子票は、366万だったそうですけれども。猪瀬さんはなんと433万。

山路:へえだいぶ差ついてますね。

小飼:434万ですね。8936って書いてあるから。何がいいたいかっていうと、それくらい圧勝した人でも、つまらないスキャンダル1つですっ飛ぶというのか、都知事も。

山路:5000万円がカバンに入ったか入らないかみたいな。

小飼:数千億単位の銭失いをしても、そういうスキャンダルがなければ、ずっと居座れるのも都知事なんですよね、慎太郎君とか。

山路:なんか5000万円がちょっと可愛く思えてきますよね。数千億円に比べると。

小飼:数千億円。だから、まず外形標準課税を銀行に対して課した時に、それは法的に駄目だろうとかいう時で、当然そういった法を通した場合というのは、単にお金を返すだけではなくって、その間いったん払った税金というのに利子つけて返さなきゃいけない。

山路:うんうん。

小飼:はい。で、何だったっけ? 東京何銀行だったっけ?

山路:ええと、何たら銀行、何か変な順番にしたんですよね。名前を。

小飼:それは大学の名前だと思う。このあいだ、めでたく都立大学に戻った。

山路:ああそうか、銀行何だっけ? ああ新銀行東京だ。やっぱり順番変じゃないですか。アハハ

小飼:やっぱり順番変でした。失礼しました。だからこういうのを合わせると、あれなんですよね、東京都の懐は少なくとも5000億くらいは傷ついているんですよね。でももっと酷かったのはあれです。前回の、今回ではなくて、前回の小池百合子さんの対抗馬だった増田(寛也)。

山路:ああはい、岩手県知事だった?

小飼:そう、その時に、まぁ東京都というのは地方交付金というのを貰えない唯一の都道府県なんですけども、だからそこが、東京からかっぱらうお金を増やした人なんです。その人が東京都からかっぱらったお金というのが、1兆円下らないといわれている、だから慎太郎君よりも上がいたんです。選挙では落選したけどね。

山路:これって結局お金の金額が大きくなりすぎると、普通の人は現実感がなくなっちゃうから。

小飼:別の言い方をすると、余程の阿呆でも出来るんですよ。

山路:アハハ、そっち。

小飼:だからそろそろソフトバンクの犬とかにやらせたらどうでしょうね。

山路:孫さんじゃなくてソフトバンクの犬のほうなんだ(笑)

小飼:うん。いや、だから人間やってる必要あるのかと。

山路:今回再選された小池さんも、べつに公約を果たしているわけでもなんでもないという。

小飼:ね。

山路:あげた公約1つも、満員電車はコロナのお陰でちょっと解消したのかな。

小飼:いやそれさ、百合子先生のお陰じゃないよね。いやもちろん百合子先生が、新型コロナウイルスのゲノムを開発したとかそういうのであれば別だけど、それはありえないよね、流石に。

山路:うーん、これ、結局誰がやっても東京は変わらんのでしょうか? みたいな気すらするんですけど、逆に。

小飼:こういう言い方もなんだけども、政治によって1番動かない。何で動かないかといったらもう経済がクソでかいから。何だけども、今回出した休業補償金とかというのは、かなり都の懐にとっても痛いはずなんですよ。それどうやって出てるのかな? でも今回の選挙の段階ではまだあれですからね、都の予算というのはまだわかってないですからね。

山路:うんうん。へえ、これいろいろ都知事選の前には『女帝 小池百合子』とか発売されたりとか、何かものすごい逆風になるのかなと思いきや、全くそういうのが影響なかったというのも面白いですよね。

小飼:いや、都知事という職は、都知事になるよりも都知事の椅子をスキャンダルから守り抜くほうが大変なポジションだというのは明らかになっちゃいましたからね。こう言うのも何ですけれども、要は歴代知事の得票率で勝った人というのが、5000万円という非常にせこい、都知事という職の性格を考えれば、非常にせこいスキャンダルですっ飛んだ後に、舛添都知事になって、だからこれまた非常にせこいスキャンダルですっ飛んでるわけですよね。

山路:5000万円とか、有名な作家とか普通に稼げるやんと思うんですけどもね、本当に。

小飼:いや稼げるというよりも、選挙資金で貰った? 要はカバンのデモです。とにかく小さい奴、みみっちい奴だというふうに思われると、わりと簡単に椅子から転げ落ちてしまうという。

山路:ああ。

小飼:だからその点、百合子先生は風呂敷はいっぱい広げます。

山路:畳んだことがないけれど。

小飼:そう、だからせこくはみえない。

「舛添はせこいけど、都政はちゃんとしてたという認識でOK?」(コメント)

小飼:僕はけっこう高く評価してますよ。たとえば皆さんも入れてるかもしれないですけど、東京防災という小冊子で今アプリにもなってますけども、あれは舛添さんが作らせた筈です。

山路:へえ。けっこう出来いいですよね、あれは。

小飼:けっこう出来いい。

山路:ふーん、ああそうなんだ、そうなんだ。これ、何か弾さん普段からさんざんこう大阪の悪口、言ってるじゃないですか。

小飼:だからそれ、大阪の悪口を言ってるんじゃなくて、大阪が悪いの。単に今の大阪の現状を述べると、悪いことを言ったことになってしまうというだけで、僕が悪いんじゃない、大阪が悪いの。

山路:アハハ。「大阪人って、もう日本人分けたほうがいいんじゃないか」みたいなことまでこの前言ってたけど、今回の都知事選の結果はそれは……。

小飼:何だったっけ? 4位につけてた人、ええと。

山路:ええと小野さんですね、小野泰輔さん。

小飼:うん、この人があれだったっけ、維新の回し者だったっけ?

山路:そうですね。まあ維新から推薦を得ているということではありますけど。

小飼:まあ、でもあれだよね、ギリギリ10%切って。確か10%切ると供託金没収だっけ?

山路:没収ですね。でも300万円。

小飼:300万だしね。

山路:広告費というか広報宣伝費と思えば、そんなに高いもんでもないという。何かいろいろその話題になってた人とかも、あんまり延びなかったですよね。宇都宮さんも山本太郎さんも、さっきの小野さんも、あとN国の立花さんとか結局。

小飼:どっちかというと、人数いっぱい出てたけれども、まあ都知事選というよりは、都知事信任投票みたいな感じでしたね、で信任されたと。

山路:ああ。これは何か東京都民は心配したほうがいいのか、多少は希望は持ってもいいのか、どっちともない、ぜんぜん暮らしには影響ないんですかね?

小飼:いや、というのも普段の暮らしで都がどれくらい出て来るかっていう。さっき慎太郎は5000億円くらい都の財布から削ったし、増田はその倍削ったって言ったけども、だけど東京傾いたわけではないでしょう?

山路:うーん、そうかそうか、経済がでかいというのはそういうことか。

小飼:そうことなんですよ。経済がでかいので、たとえばそう、医療費にしても東京だと中学生までは全額補助なんですよね。

山路:うんうん。

小飼:なんですけども、隣の神奈川県がないので、長女は神奈川県の中高一貫校に行ってたんですけれども、それでちょっと友人に驚かれてたので。なんかちょろっと怪我して、その学校の近くの病院に行ったんだけど、この場合は都のやってるやつが効かないから、いったん立て替えて。

山路:へえ。

小飼:そうすると、都からその分の現金が来るみたいなこととかやった記憶が、とはいってもな、もう何年前だ? もう10年くらい前。でも高校からは普通に3割なんですよね、東京でも。それはとにかくとして、いちおうなんか金銭面では他よりはやや手厚い。

山路:うん、それに日本全国で見ると、平均年収とかって東京とかも圧倒的に高かったりもするから。

小飼:それはある。

山路:たぶんそういう意味で、上を誰にして、少々失政をしたところであんまり都民がダメージを感じづらいというのはあるなあ。

小飼:そうなんです。都政を弄ぶ余地があるんですよ。

山路:なるほどな。日本に比べて台湾の大臣が優秀みたいなのと同じような感じで。

小飼:そうそう。これがもっと小さなところだと、首長の優劣というのがもろ出るじゃないですか。だからその点で、1番お気の毒というのはやっぱりここで出てきてしまうんですけど、大阪ですよね。

山路:アハハ

小飼:だから本来、大きな経済の筈なんだけど、年々削れていく。でも年々削れてるのに、行政コストをもっと削ったと言って自慢している。挙げ句は雨合羽ですよ。

山路:なんかこう落ち目になっていくと、でもちょっと過激なことをやらないといけないというのは、人でも組織でも同じなのかなという気がしなくもないですけどね。

小飼:うん、そういうふうにみえるよね。まあでもね、大阪はね、昔は期待してたんだけどね。

山路:昔ってどれくらい前?

小飼:うん10年くらい前かな、やっぱり日本、流石に日本は首都圏だけ元気なら元気になれるほど、小さな国じゃないんですよ。

山路:うん、人口の10%以上は集まっているとはいえ。

小飼:それは東京都だけの場合ね。首都圏の場合、2割5分なので、韓国とソウルくらいなのか。でも韓国は日本よりも都市も人口もずっとコンパクトなんですよね。半分いかないわけですよ。
 なので、東京だけいくら世界最大の都市とはいっても、それだけでは足りないだろうと。だから結局、大阪が頑張ってくれないと、日本全体がよくなるというのは、難しいよと言ってたけれども、うん。

山路:なるほどな。大阪のいかんというのは、けっこう日本全体のやつにも関わってくるんですかね?

小飼:関わってくるの。

山路:ああ、そうですか。これから。じゃあ大阪が元気になったら、日本もちょっと元気になる芽は。

小飼:いや、だから今のところは東京しかないので、で、久々に東京にとって大きなマイナス要因が出来たよね、だから密を避けようと思ったら、都を避けようと。久しぶりに。久しぶりにほんの僅か、月単位での統計なんですけど、東京都民の人口が減ったと。でも年単位の統計ではついに1400万台の大台に載ったと。

山路:1400万もういったんですか?

小飼:東京都が。

全体像が見えないマイナポイントとQR決済テコ入れの謎

「大阪ワクチン、ヤバいか」(コメント)

山路:うーん、大阪ワクチンちょっとヤバいっすよね。とりあえずじゃあまた例によって、給付金の話。

小飼:ああそうそう。

山路:給付金のこと、聞きますかね?

小飼:そうそうまだ行き渡ってないようなので。前回やっと半分に達したんだっけ?

山路:ええとじゃあ10万円の定額給付金のアンケートを。

小飼:流石にきたよ、あ、出ました。

「人多すぎ」(コメント)

山路:ああ1400万人のことですね。

「大阪ワクチン、ヤバいか?」(コメント)

山路:大阪がワクチンの治験とかを勝手に承認とかを早めるみたいなこと言ってた話ですかね?

小飼:いや教育と医療に絡む話というのは、要は根性が通用しない世界のものというのはもう、悉く駄目だというふうに。

山路:何か府のレベルでそういうことって出来る話じゃないと思うんですけど、違うんすかね? そんなんで認可みたいなもんていうのは、そんな府のレベルで出来ないですよね。

小飼:いや、雨合羽配るところだよ、QUOカード配るところだよ、何を期待してんの?
 おお、でもあれか、まだ4人に1人が申し込んだ段階。まだ申し込んでいないというのは、これは流石に仕方がないかな。

山路:さっさと申し込んだほうがいいっすよ。これ。

小飼:でも本来であれば申し込まなくても受け取れる性格のものではあったのよね。僕が言い続けたのは、それはそう国保健保のレイヤーでやれと。これであれば全員に行き着くから。

山路:向こうから振り込んでこいっていう話ですよね。

小飼:そうそう。だから日本で唯一プッシュ型が成立するというのは、そこなんですよ。

「拒否ると前例が出来ちゃうのがやばいんだっけ?」(コメント)

小飼:あと寄付を強要されているので、寄付したくないのでという。

山路:職場とかそういう役所で言うってずるいですよね。なんかあのへんの寄付を、何となく空気によって寄付を強要するのは。

小飼:ズルいというのではなくて、ストライキやっていいと思うんだよな。それ言ったら、どこの大学病院だっけ? ボーナスゼロにするって言ったら、そう看護師の半分くらいが辞めるって。

山路:それはいいことだと思いますね、ちゃんと意見は言わないとなという。これコメントでも「マイナポイントは?」って、マイナポイントの話もちょっとしましょうか。

小飼:ああ、あれ。

山路:アハハ、マイナポイント如何でした? 弾さん申し込みました?

小飼:じつは申し込んでしまったんですよ。それはなぜかと言うと、そのマイナポイントを受け取るマーチャントからの広告が来たというのが1つ。

山路:うんうん、ああマイナポイントというのはですね、マイナンバーと紐付け。

小飼:ああ、これでやった。流石に。もちろんあれですよ、古いバーチャルマシンを引っ張ってくれば、あれも使えなくもなかっただけど、でもいろんなものがわかんない。マイナポイントというのは、申し込んでみたものの。
 要はマイナンバーカードを持っている人には、いろんなポイントサービスというのは日本にはありますよね。そのポイントサービスやっている業者に2万ポイントを使うと、国がもう5000ポイント上げましょうと、そういう制度らしいです。でもまず、なんでポイントなの?

山路:それもわからないですよね。

小飼:たぶん何をしたいかっていったら、マイナンバーカードを普及させたいんだと思うんですけれども、だとしたら、新規取得した人には役所の窓口に行ってやるんですけども、取った人はご存知だと思う、その場で5000円あげればいいだけの話じゃない?

 

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