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Vijuttoke22年12月号「The Brow Beat Live 2022 "幻覚" 2日目 2022年11月10日(木) 東京・豊洲 PIT」LIVE report

2022/12/22 18:00 投稿

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The Brow Beat HP

member:RYUJI / HAKUEI

The Brow Beat Live 2022  "幻覚" 2日目 2022年11月10日(木) 東京・豊洲 PIT」LIVE report

今年4月にメジャー1stアルバム『404』(通算では4作目)をリリースし、5月から6月にかけて行なったLINE CUBE SHIBUYA 2デイズをファイナルに据えた全国ツアー<The Brow Beat Live Tour 2022 “404”>を大成功で終わらせたThe Brow Beat。
そんな彼らが<The Brow Beat Live 2022 “幻覚”>と銘打ったスペシャル・ライブを、11月9日・10日に東京・豊洲PITで行なった。半年ぶりのライブということもあり、チケットは両日ともに瞬く間にソールドアウト。いいライブになることを確信して10日の公演に足を運んだところ、期待は裏切られることなく、The Brow Beatは予想を上まわる良質なライブで楽しませてくれた。

暗転した場内にオープニングSEが流れてメンバーが1人ずつステージに姿を現し、客席から大歓声と熱い拍手が湧き起る。場内が騒然となる中ライブはハードな「L.R」を皮切りに、狂騒感を放つ「404」とアップテンポの「銃声」を続けて聴かせる流れから始まった。今回のライブは手塚治虫氏の名作『ブラックジャック』がモチーフになっていてRyujiはブラックジャック、HAKUEIはドクターキリコを彷彿させる黒装束に身を包んでいる。ドレッシーないで立ちの2人が激しいステージングを展開しながら時に向き合い、時にステージの両端に立って歌う華やかな姿に目を奪われずにいられなかった。

力強さと抒情味を兼ね備えたRyujiの歌声とセクシーかつ毒気を含んだHAKUEIの歌声が織りなす立体的なツイン・ボーカルは魅力に富んでいるし、Narukaze(g)、CHIROLIYN(b)、かどしゅんたろう(dr)が奏でるタイトな轟音も心地好さに溢れている。1曲目からアクセル全開と思わせるテンションでライブをスタートさせ、そこからさらに加速する辺りはさすがの一言で、ライブ前半から場内のボルテージは一気に高まった。

「The Brow Beatです!昨日やり過ぎて、首が痛い。ちぎれそうなくらい痛い。なので、せっかくだから今日はここに首を置いて帰ろうと思います。もう言いたいこと分かりますよね。今日は声を出せるから、みんなも沢山声を出してもらって……節度を持って声を出してもらって、全員首を置いて帰ってください。いいですか!!」というRyujiのMCを挟んで、セカンド・ブロックではダークな雰囲気の「離人」や内面に鬱屈した怒りをRyujiの叩きつけるようなリーディングで見事に表現する「21グラム」、Ryujiが幅広い声域を活かしてエモーショナルに歌い上げるスロー・チューンの「灯篭流し」などが演奏された。

初夏に行なった全国ツアーの成果が表れているらしく、The Brow Beatの表現力やメリハリのつけ方などは更なる磨きがかかっている。この辺りは結成以来不動のメンバーで活動を行っている強みが出ていることは明白で、HAKUEIのプロデュース・スキルの高さを感じずにいられない。彼らの惹き込み力は圧倒的で、曲ごとにいろいろな世界に連れていかれるThe Brow Beatのライブならではの魅力的な感覚を十二分に味わせてくれた。

中盤では妖艶さが香る「CLOWN」や切迫した空気感とキャッチーさを兼ね備えた「BLACK SEEP」、超高速で疾走する「ジセイノク」などをプレイ。今回の公演は音源をフォローするライブではないため、RyujiとHAKUEIは今の自分達が本当に見せたいライブになるようにセットリストを組んだことは想像に難くない。多彩さを発揮しつつ凝縮された雰囲気のライブは本当に観応えがあったし、枠に捉われることなくいろいろな表情を見せていくスタイルが彼らの本質であることを、あらためて感じることができた。
「ラストに向かって、まだまだテンション上げていきたいと思います。いいですね、皆さん気合いが入っていらっしゃって。ただ、まだ俺らには勝ってない気がするな。いけるかい? いけるか!」というRyujiのアジテーションからライブは後半に入り、爽快感を湛えた「爆風」やアグレッシブな「シンデレラ」などが畳みかけるように放たれた。

再びハードなモードにシフトして、ステージ全体を使ったフィジカルなステージングを展開しながら安定感と勢いを併せ持った上質なサウンドを轟かせるメンバー達。“カッコいい!”と思う瞬間の連続にオーディエンスも熱いリアクションを見せ、場内の熱気はどんどん高まっていく。そんな中、Ryujiは「シンデレラ」の間奏でステージ中央に持ち出されたテーブルを使って、“テーブルクロス引き”を披露。残念ながら失敗に終わったが、客席からは大歓声が湧き起こっていた。攻撃性全開ともいえる「シンデレラ」でこういったパフォーマンスを行うセンスの良さも含めて、The Brow Beatの遊び心は本当に魅力的だ。

ハイエナジーな「OVER」でオーディエンスのテンションをさらに引き上げた後、「ラストいきましょう! 出し切って帰るぞ!」というRyujiの言葉と共に、本編のラストソングとして「ハレヴタイ」をプレイ。爽快感に溢れたサウンドと華麗なステージングで場内をひとつに纏め上げ、完全燃焼ライブならではの心地好い余韻を残してThe Brow Beatは本編を締め括った。

今回のライブは凝った演出などは特になく、純粋に音楽で勝負する内容になっていたが、物足りなさは全く感じなかった。The Brow Beatのライブはコスプレやゲーム、MVに出演した役者さんの登場といった“プラスα”で楽しませてくれるところも魅力だが、今回音楽だけでも魅了できることを示したのは大きいと思う。<The Brow Beat Live 2022 “幻覚”>に触れて、彼らがキャラクター性で注目を集めているのではなく、音楽的に優れているからこそ熱い支持を得ていることをあらためて実感した人は多かったに違いない。

もうひとつ、今回のライブは“声出しOK”ということで、曲間に客席のあちこちからメンバーを呼ぶ熱い声が聞こえたり、MCではRyujiとHAKUEIがお客さんと直接やり取りをするシーンがあるなど、非常に雰囲気がいいことが印象的だった。さらに、アンコールで演奏された「睡蓮」ではオーディエンスが一体になった合唱が起こり、続く「Browbeat」の出だしではコール&レスポンスも行なわれ、“みんな、この瞬間を心待ちにしていたんだな”と感じて胸が熱くなった。パンデミックが終息して、オーディエンスが何の制約もなくライブを楽しめるようになったら、The Brow Beatのライブは実に凄いことになることは確実といえる。1日も早く、その日がやってくることを願わずにいられない。

意欲的な動きで2022年を駆け抜け、<The Brow Beat Live 2022 “幻覚”>でそのポテンシャルの高さを遺憾なく発揮してみせたThe Brow Beat。更なる高みに登ることを強く予感させるライブだったこともあり、今後の彼らの動きにも大いに期待したい。

PHOTO 菅沼剛弘 / TEXT 村上孝之


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12月22日(木)18:00 HOWL / The Brow Beat LIVE report
12月23日(金)18:00 GOTCHAROCKA / The THIRTEEN
12月26日(月)18:00 KNOW麺 / Marvelous Cruelty / ZEILE
12月27日(火)18:00 ACME

SET LIST

1、L.R
2、404
3、銃声
MC
4、離人
5、火炎
6、21グラム
7、灯篭流し
MC
8、CLOWN
9、BLACK SHEEP 
10、ジセイノク
MC
11、爆風
12、シンデレラ
13、OVER
14、ハレヴタイ

EN1
1、睡蓮
2、Snow White 
3、Browbeat

EN2
1、Black & Black 
2、パラノイド・スター
3、日本

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