名前:石井一二(いしい・いちじ)
政党:元自民党参議院議員(3期18年)
生年月日:1936年7月24日
血液型:
趣味:チェス、ゴルフ
好きな食べ物:[カウンターで食べる]寿司
ホームページ:http://www.picotec.jp/
Q1:なぜ政治家になったのですか?
僕はね、サラリーマンを二年ほどやっていたんですよ、でもちょっと現状を打開したいな、と思って、貨物船に乗ってアメリカに行ったんですよ。少し割愛しますがいろいろ苦労して、帰国した。それから事業家を目指して、それはうまくいっていたんだけれど、日本全体をみているとね、やはりその中に入って自分で行動を起こさないと世の中変わらないと、だからうまくいっていた事業から一歩外れて、政治の道に入ろうと思った。ただ、まずはね、地方議会からやろうと思って、県会議員になったのが34歳でした。12年、3期務めて、それから国会議員になりました。
外から批判しても世の中よくならない、実際に自分でその中に飛び込んで改革をしよう!というのが主なきっかけでした。
Q2:政治家になる前はどのような仕事や活動をしていましたか?
事業をやってて、アメリカに留学して国際的な分野の活動をしてきたから、国際的な仕事というと、当時は、アメリカのスーパーマーケットの「買いつけ」を日本でやってモノを輸出してたんです。輸出貢献企業という、当時は、ドルを稼いでくれということだから、毎年表彰されていましたよ。
─国家政策とリンクした感じですか?
大きく言えばそうなるよね、ただまぁ、トヨタが自動車を輸出するようなのとは桁が違いますけどね。当時はね、ワンダラー(1ドル)ブラウスなんていうのが出てて、ニューヨークで日本のブラウスが1ドルで売っているというのがセンセーショナルになったような時代で「安かろう、悪かろう、日本製品」というところから始まってたんです。怒られるかもわからないけれど、今の中国や台湾とかね...そういう時代に僕はそれをやっていたわけなんです。
Q3:どのような政策にいちばん力を入れていたか?
何かひとつというよりも、世の中全般を見て、中小企業問題もあれば、国家全体の問題もある、地方政治と国の問題も違うし、大きな夢だけ描いても、実際、いち政治家が実行出来ることは小さいですよね。一点集中的にこれだけ、というのではなく全般に政治をやろうと思ったんです。
Q4:今の社会の問題を通して政治家が重視すべきところは?
今と当時は違うけれども、今であれば、ものすごく政治に無駄が多いからね。ここは民主党がやっていることと合致するんですが、特に官僚の天下りだとか、用もないのに外郭団体をたくさん作る。そういうムダを無くすことによって、世の中の行政的な資金の効率がよくなり、結果、国民の幸福度の増強ということになるんじゃないかと思うんです。だから、基本的に民主党の政策には賛成しているんです。
Q5:今回の「政権交代」をどう感じていますか?
交代して大ボラ吹いているけれど、「実際に実行してくれるのか?」と、僕は重視してみている。ただ、やろうとしているターゲットは正しいと思う。もうちょっと見てみないと、言うだけで終わるか実行できるか、これからでしょう。だけど、日本は変わりつつある、というのは肌で感じます。
─一時期、小泉・竹中路線で「自民党をぶっ壊す」という流れがありましたが、あの当時と今と違いますか?
違いますね、あの当時小泉さんがやったことは、今から比較すると非常に間違いが多い。だけども、結果として自民党はぶっ壊れちゃったわけだから、彼の公約は正しかったのかもしれない。だけど、今からのは「基本的な路線を変えよう」ということですからね、小泉さんの言うものとは違うんです。
─「基本的な路線」とは?
たとえば、はっきりと「天下りは禁止!」というところや、公共事業の見直し、ダムを中心に一旦凍結しようとかね、そういうところが見えるんです。
小泉さんのときは、何となく勢いよく今ある路線をを突っ走るイメージでね、特に規制緩和なんてことをやって、自由競争を大いに推奨したりしたわけだけれども、タクシー業界なんて非常に悲惨なものですよ。それから議員年金も思い切ってカットしてたけれど、これは、積立金的な要素のある年金なんですね。だから、やったことはやや間違っていて、僕なんて被害者なんですよ。小泉さんのやったことというのは、緻密なデータに基づいた政策決定というものではなくて、勘と度胸で行ったところがあると思うんです。
それに比べて民主党は、マニフェストがあって、やっていることはもう少し理論的だと思うし、今朝もテレビ見ていたら、成田空港と羽田空港の問題があって、非常に現実的な議論だと思う。
─今までの自民党ができなかったことをやっている?
できなかったというより、しようと思わなかったことを、新たに柱を立ててやりだしている。自民党がやろうと思ってターゲットに向かっていたけれどできなかった、という意味ではないんですよ。アングルと視野が違う話なんです。
Q6:民主党は政権を維持するのに必要なポイントなどは?
できたばかりで、もう少し見ないと分からない。新たに増えた議員は「ひよこ」みたいなものでしょう?右も左もわからない。今までの野党の立場で批判していた人たちが、一生懸命新しいことをやって・・・民主党について語るには時間が必要、半年後だね。
─1993年にも転換期があった、それに比べて、今回の政権交代はどう映りますか?
55年体制というのは、大きな政界大編成という区切りだったわけですが、その途中の1993年というのは、ちっぽけなひとつの変動期であって、今回はガラッと変わった政治大改革なのです。その途中の内閣がどうだったっていうのは、いわばちいさな波のような話で、大きな波としては、55年体制と今回の政権交代、この2つじゃないでしょうか。
Q7:自民党は再生できますか?
これは、民主党がいかにうまくマニフェストに、あるいは、国民とのお約束にのっとって、国民の目線から見て、自分たちの幸福度という面できちんとやっていくかどうか、ですよ。民主党がエラーしたら自民党しかないんだから、民主党の政治がうまくいくかどうにかかっているワケです。ただ、近い将来...例えば来年の参議院選挙、4年後の衆議院選挙までの再生はありえない。
Q8:企業献金廃止に反対ですか?賛成ですか?
これはね〜、ないと政治ができないと思います。方向としては、これからは個人献金なのだろうけれど、日本で個人がお金を出すというのはまだまだ少ないんですよね。アメリカなら個人献金でオバマさんなんか非常に多くの献金を集めてきているが、日本で「個人献金をお願いします」と言ってもなかなか難しいですよ。そういう意味でも企業に献金をお願いせざるえない。ただね、上限を決めないと、「出してやるからこれやってくれ」みたいな古いパターンの取引が起こるのはいけない。
個人献金については、ちゃんとした口座を設けて、そこへ振り込んで、振り込んだ人が課税対象から外れるような制度化すればいい。ただアメリカほどは集まらない、それだけ国民の政治にお金を出そう」という理解度が薄い。
Q9:日本をどのような国にしたいですか?
BRICs(ブリックス)という言葉があるでしょう?ブラジル、ロシア、インド、中国ね、これらは、国力が大きいし資源もあるし人口も多い。これらの国に対し、今までのように「日本の方が上ですよ」というのをキープしにくくなっている。シンガポールのような小さな国が、第二次大戦以降のびてきて、今でも高い数字を保っているけれど、ああいう生き方をしたら日本も生きる道がある。中国には及ばないけれど、アジアの第二の大国として世界をリードしていく力はあるんじゃないかと思う。
日本の特徴というのは、島国根性!一国一民族主義というのはもの凄く強いんですよ。顔も言葉も同じ。そして、国際的な移民や難民の受け入れに壁が高い。しかし、これはいつまでもこうというワケにはいかないのだから、徐々に緩んできて国際化が進んでいくでしょう。
少子化時代で労働力が足りない分野もあるので、国際化をもっと進めて、世界中をマーケットに...技術レベルを高くして、環境問題もそう、世界に貢献しながら、先進国としての立場をかろうじて維持していく。それでいいのではないでしょうか?200年、300年後のことは分かりません。
BRICs(ブリックス)
ブラジル(Brazil)、ロシア(Russia)、インド(India)、中国(China)の頭文字を合わせた言葉。近ごろ経済成長著しいこれら4つの新興国をまとめてこう呼ぶ。
Q10:国民に対してひと言を!
よく働き、自分の義務を果たし、善良な国民として生きていってもらいたい、ということですが、むしろ、マスコミ、特に週刊誌なんか、なんでもかんでも政治の足をひっぱるような記事を書く、そのことによって内閣の寿命が短くなる、政治家の地位も低くなるという...報道規制じゃないけれど、マスコミ、特に二流紙、三流紙が、気品と品格と常識をもって記事をかいてもらいたい。
国民に対しては、いろんな人がいるから一概に言えないけれど、清く正しく生きていくことが、結果として、国家がよくなるということになるのではないかと思う。
石井一二(いしい・いちじ)プロフィール
政治評論家。元自民党副幹事長、参議院議員18年、兵庫県議12年、徳田虎雄と自由連合を設立。現在は徳州会理事長代理。兄は民主党参議院議員:石井一(いしい・はじめ)。
ブロマガ会員ならもっと楽しめる!
- 会員限定の新着記事が読み放題!※1
- 動画や生放送などの追加コンテンツが見放題!※2
-
- ※1、入会月以降の記事が対象になります。
- ※2、チャンネルによって、見放題になるコンテンツは異なります。
THE JOURNAL
THE JOURNAL編集部
月額:¥550 (税込)