大図書館の羊飼い

筧京太郎は、読書が生き甲斐の高校二年生。 優秀な人材が集うマンモス校「汐美学園」に通い、一人きりの図書部で本を読みながら、 必要以上に他者と関わる事無く、平穏な毎日を過ごしていた。 ある朝、筧に一通のメールが届く。 「今日、貴方の運命を変える出来事があるでしょう」 差出人は「羊飼い」。 それは頑張る人の願いを何でも叶えてくれるという、汐美学園で最も有名な謎の存在からのメールだった。 その直後、筧は自らの第六感で同級生の少女を路面電車の脱線事故から救う。 そしてそこから筧の日常は急速に騒がしくなって行く。 筧が助けた少女、白崎つぐみは図書部に入り、学園をより楽しくするという「汐美ハッピープロジェクト」に筧を勧誘する。 期限付きで承諾した筧だったが、部長である白崎やその友人の桜庭、後から入部した後輩の鈴木や御園、 図書委員の小太刀という個性的なメンバーに囲まれて日々を過ごす内に、だんだん筧の心境にも変化が現れて-- 学園の小さな悩みを解決して行くことで、図書部は絆を深めて行く。 その一方で、彼らのそばにはいつも不思議な羊飼いの示唆があった。 羊飼いとは何者なのか、その目的は何なのか。 徐々に核心に近づく筧に、一つの真実が明かされる。 重大な選択を迫られた筧が、最後に出した答えとは--
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