●フラッシュアニメーション『にゃんころり』とは?
かつてインターネットで隆盛を誇ったフラッシュアニメーション。現在では様々な分野で活躍している、00年代のウェブ文化を創りあげた人たちが、自分のホームページで作品を公開していた時代があったのだ。そのクリエイターたちと賢プロダクション(以下、賢プロ)の新人声優がタッグを組んで作られたのがこのフラッシュアニメ『にゃんころり ~けんぷろ3姉妹の場合~』(以下、『にゃんころり』)だ。
『にゃんころり』は、毎月3日と18日の月2回、ニコニコチャンネル『にゃんころりチャンネル』(http://ch.nicovideo.jp/nya)で更新されている短編アニメ。賢プロの新人声優3人が演じる、ロリータ服を着た猫の三姉妹がゆるーい会話をしたり、ギリギリな会話をしたり、賢プロの先輩声優が遊びにきてみたりする癒し系(?)アニメだ。
監督は映像上映イベント『FRENZ』の主催である前田地生さん、キャラクターは『はちゅねミク』の生みの親であるイラストレーターの雪乃たまごさん、脚本は『ニコニコ大百科』でおいしそうな食べ物イラストをたくさん描いているkichiさん、アニメーションは『チルノのパーフェクトさんすう教室』や『魔法陣ゴルァゴルァ』などのフラッシュアニメを多数制作している宇田てとらさん、音楽は多数の東方Project楽曲アレンジやVOCALOID曲『しねばいいのに』を制作したどぶウサギこと坂本悟史さん、ロゴは100万再生を誇るボーカロイドPV『ローリンガール』やその他多数の作品を制作しているyama_koさん。この6人に共通しているのは、なんと全員が『ニコニコ大百科』に項目があるという点。『ニコニコ動画』はもちろん、かつてフラッシュアニメが大流行した時代にも活躍した有名なクリエイターたちによる手作り感溢れる作品なのだ。そしてその作品で三姉妹として活躍するのは、賢プロ所属の稲川英里さん、北原知奈さん、内藤有海さんの3人。3人は賢プロダクションが主催する声優オーディションのグランプリを獲得した新人声優たち。キャラクターデザインには声優自身の好きなものや特徴が取り入れられるなど、キャラクターと声優がシンクロしている部分もあるのだ。そんなアニメ『にゃんころり』の制作現場を少し覗いてみよう。
●チーム感のある和気あいあいとした収録現場
現場には記者を除く7人という少人数でこの日の収録が行われた。声優の稲川英里さん、北原知奈さん、内藤有海さんの3人のほかに、監督の前田地生さん、脚本のkichiさん、アニメーションの宇田てとらさんと、賢プロのマネージャー槙野真也さんという7人。槙野さんはマネージャーでありながら音声収録もこなし、収録スタジオも賢プロの社内スタジオで行なっているという低予算ぶりだ。少人数のため制作スタッフと声優の距離が短く、作品に対するお互いの意見を直接交わす場面が多く見られた。渡された台本を手に、セリフの読み方をチェックしたり、収録がプレスコ(声の収録後にアニメーションを作る方式)だったため、キャラクターがどういう動きをしているのかなどを確認していたぞ。
収録が始まり声優の3人が収録ブースに入ると、それまでのにぎやかな現場が急に静まり返り役者モードに切り替わるのに気づいた。打ち合わせや雑談の声もいい声だなあと思いながら聞いていたのだが、収録中の音声を聞くと「あ、これ『にゃんころり』だ! ネットで聞いたやつの本物だ!」という声でセリフを読み始めて、声優ってすげー!と改めて感じた。
●インタビュー ~けんぷろ3姉妹の場合~
長女スイミー役 稲川英里さん
好きなもの:
ポテチ、緑茶、音ゲー、ダンス、読書
声優として今後やってみたいこと:
「子ども向けの番組で活躍できるようになりたいです。あと、動物や無機物などの人間じゃないキャラクターを演じたいです」。
『にゃんころり』の魅力:
内容もそうなんですけど、セリフがおもしろいです。アニメーションも動きが細かいし、ギリギリのラインのネタがあるのでおもしろいです。
ゲームを3歳からやっているというほどのゲーム好きで今は音ゲーにハマっているよう。身長を伸ばしたいと思っているそうで、色々なアドバイスを聞いているのだがなかなか伸びない様子。牛乳を飲むといいよ、ジャンプするといいよ、というアドバイスを聞いたため、牛乳を飲んでからジャンプをするということに挑戦するも、ご想像のとおり大変なことになったそうだ。
次女セクル役 北原知奈さん
好きなもの:
紅茶、マカロン、スコーン、ロリータ服、Sound Horizon
声優として今後やってみたいこと:
「他の人と被らない声質とよく言っていただけるので、たくさんの人に好きになってもらいたいです。あと、キャラソンを歌ってみたいです。アシスタントで出演しているTOKYO FMのラジオ番組『あべながの野望 ~他力本願の変~』などアニメ以外でも活躍していきたいです」。
『にゃんころり』の魅力:
ゴシックなものを見るのも着るのも好きなので、ゴシックな洋服を着たねこちゃんたちが会話しているというまずキャラクターが好きです。でも、そこに触れないところも好きです(笑)。
ニックネームはちな嬢。大体毎朝ミルクティーを飲むというほどのヘビー紅茶ユーザー。話が止まらないのではないか、と焦るぐらいにサンホラの話を熱く語っていたのが印象に残った。密かに流行らせたいと思っているのが「キタキタ北原ー\(^o^)/」。ラジオ『あべながの野望』でも使用しているフレーズなので気になった方はラジオも要チェックだ。
三女アティ役 内藤有海さん
好きなもの:
HYSTERIC GLAMOUR、『魔法陣グルグル』
声優として今後やってみたいこと:
「少年役とか、ボーイッシュなキャラクターをやりたいです。また、アティちゃんみたいな無邪気なキャラや、ギャグもやってみたいです」。
『にゃんころり』の魅力:
『にゃんころり』は色々なところにこだわりがあるところです。ミステリーの回でコナン・ドイルがデザインされていたり、毎回効果音も手作りされてるのですが、鍋の音をすごく力入れていたりして手抜きをせずクオリティが高いので、私もがんばらないと、って思います。
アニメ内では末っ子だけど、3人の中では一番年上でしっかりしている内藤さん。元気が伝わってくる笑顔がとても印象的だ。最初はいじられキャラだった内藤さん演じるアティも、徐々にツッコミ役に回ることが増えてきているのも中の人の影響があるのかもしれない。
●『にゃんころり ~けんぷろ3姉妹の場合~』番組情報
映像の「Chisey」と声優の「賢プロダクション」によるオリジナルFlashアニメーションシリーズです。
ロリータ服を着た猫達の雑談をお楽しみ下さい。
時々、賢プロの人気声優がゲスト参加することも!?
『にゃんころり ~けんぷろ3姉妹の場合~』は毎月3日と18日の月2回、ニコニコチャンネル『にゃんころりチャンネル』にて配信中。今回取材させていただいたのはテレビアニメでいう第1クール最終回にあたる13話の収録。これまでを振り返るような内容となっており、2月3日の配信までに全12話を観ておくとより一層楽しめるに違いない。サクサク観られる平均4分ぐらいの作品なので、新作に備えて鑑賞した後、これからの活躍にも期待しよう!
声優:
稲川英里 @greentea_senbei
北原知奈 @Jyouou_Heika
内藤有海 @buttersand8
監督:前田地生 http://chisey.jp/
キャラ:雪乃たまご http://www.pocopoco.cc/
脚本:kichi http://dic.nicovideo.jp/id/1544764
映像:宇田てとら http://tetlapot.net/
音響:坂本悟史 http://www.dobuusagi.com/
ロゴ:yama_ko http://www.yama-ko.net/
にゃんころりチャンネル
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