今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。
■続・マスコミはウケる記事を書きたがる(メカAG)
ある意味まともな研究者の分析というのは、素人にはわかりにくい。こういう長所がありますよ、そしてこういう短所がありますよ。こういう前提ならこうですよ。こっちの前提ならこうですよ。どの全体が正しいかは誰にもわかりません。こんな感じ(笑)。
これだと大衆にウケない。たとえば日本型雇用とアメリカ型雇用。それぞれ長所と短所がある。日本型雇用の長所はこうです。単勝はこうです。一方アメリカ型雇用の長所はこうです。短所はこうです。こういう前提なら日本型が有利です。こっちの前提ならアメリカ型が有利です。どっちの前提が正しいか?それはなんとも言えません。
まあ研究者が「これが正しい」と決定できるなら誰も苦労しないし、そもそも問題になってないはず。
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マスコミはこうした研究者の分析を取捨選択する。日本型雇用の短所はこうです。アメリカ型雇用の長所はこうです。この前提だとアメリカ型雇用が有利です、と。抜粋しただけでウソは書いてない。間違ってはいない。
でも、明らかにミスリードだろう。悪徳不動産屋の話のようなもの。都合のいいことは言い、都合の悪いことは黙っている。問い詰められると「だって質問しなかったじゃないですか」と(苦笑)。
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日本企業は生産性向上の努力が足りないという話はどうか?たとえば批判されたのが個人だったら、事実と異なれば反論して抗議するだろう。「おまえは何も努力してない」といわれれば、「そんなことはない、こういう努力を必要にして十分やっている」と。
じゃあ企業がマスコミに「生産性向上の努力が足りない」と叩かれた場合どうか?むしろ「努力していない」という誤解が広まった方が都合がいい面も少なくない。それを口実に「もっと努力しなければならない」と社員にはっぱを掛けられる。
うっかり「我が社は現状で十分努力をしており、これ以上何かする必要はない」なんて経営トップが言ってしまったら、社員は気が緩んでしまうだろう。社外からも「なんだ、あの会社は現状が限界なんだな」と思われてしまう。それは決してプラスにならない。
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だからどんなに理不尽な批判でも「その通り、ご批判は真摯に受け止め、いっそうの努力をしてまいります」というわけだ(笑)。マスコミは大企業に反省させたと自分たちの成果を喜び、大企業の経営トップはこれでさらに社員に効率化を求める口実ができたとほくそ笑み、国民も大企業のトップがしおらしくしてるのをみて旨をスカッとさせる。
さらに大企業の社員まで普段えばってる社長が釈明に追われているのを見てガス抜きできる。なんということだろう。誰も損をする人がいない!マスコミはすべての人間を幸せにしている、素晴らしい!
まあ、実際には損するのは社員なんだけどね。生産性を上げろとはっぱをかけられ、よりこき使われるようになるわけで。でもなんでか喜んでる(苦笑)。
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アベノミクス批判。インフレ政策というのは以前も述べたように基本的に庶民は辛い。給料は上がっていくが、物価の方が専攻して上がっていくから、坂道を登っていくような辛さがある。まあようするに辛さと引き換えに経済発展するわけだ(思惑通りいけば)。
でもそんなことストレートに為政者が国民に言ったら、猛反対されてインフレ政策は実現しない。それで国民が幸福になるならいいのだが、その場合緩やかな死だ。下り坂を転げ落ちていく。辛い上り坂か、死が待っている下り坂かの究極の選択。
そのため為政者はなるべく痛みの部分を隠そうとする。インフレ政策で経済は回復します。物価は上がりますが(すこし遅れて)給料も上がるので国民生活も(そんなに)辛くありません、と(笑)。
まあ、言ってることを注意深くよく読めば()内の文言も、読み取れるのだが、あまりおおっぴらには宣伝しない。あくまで経済は回復し、給料も上がるという部分だけを大声で言う。まあ仕方ないと思うんだよね。政治というのはそういうものだ。欠点のない政策なんてないんだから、あとはどうやって支持を取り付けるかの問題。
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しかしインフレ政策が実現されていけば当然、現実的な問題として、いままであまり国民に言わなかった欠点も現れてくる。で、マスコミは大喜びでそれを指摘する。「アベノミクス失敗!」と。「いや、想定の範囲内なんですけど…」というのが専門家の本音だろう。
でもこれまで欠点をあまりおおっぴらに国民に言ってこなかったのは事実だから、若干後ろめたさはある。なので「もう少し経てばだいじょぶですから」とかお茶を濁した弁明になる。そうなるとマスコミはますます張り切って(ry
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やっぱ物事は「裏」を読まないとね。それが面倒なら、あまり物事を考えないで流れのままに任せておくとか。中途半端に頭を使うと、「裏切られた」「騙された」と始終憤慨してないとならず、健康に悪い。
関連記事:
「マスコミはウケる記事を書きたがる」 2014年08月19日 『メカAG』
http://mechag.asks.jp/830583.html
執筆: この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2014年09月11日時点のものです。
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