今回はメカAGさんのブログ『疑似科学ニュース』からご寄稿いただきました。
■日本とスウェーデンはどちらが高福祉社会か(疑似科学ニュース)
たまたま目についた記事。
「3_1.スウェーデンの国家財政」 2013年05月28日 『スウェーデンに学ぶ、日本の再構築』
http://www.hilife.or.jp/sweden/?cat=10
スウェーデンは国家予算の使い道として、社会保障や医療などに56%支出されているが、日本はわずか31%だという。つまり日本は福祉社会ではないという。
ん~でもね、ちょっとトリックがある。スウェーデンの場合歳入の98%が税収だという。すばらしいことだ。日本は47%で、残りは早い話借金。
* * *
でもね…。とりあえず過去の借金を考えないことにしてみる。
「日本の財政関係資料 平成26年2月 (PDFデータ)」 『財務省』
http://www.mof.go.jp/budget/fiscal_condition/related_data/sy014_26_02.pdf
一般会計の約96兆円のうち社会保障関係の支出は31兆円。歳入の方は所得税・法人税・消費税・その他で50兆円。つまり税収の31/50=62%は社会保障の支出なんだよね。
* * *
歳出全体を考えた時社会保障が31%になるのは、歳出の23兆円(23%)が過去の借金の返済に使われているから。でもこの部分は新たに借金することで、これまでの借金を返しているのだから、財政赤字は問題だけど、国民にとっては直接的にはあまり関係ない。
国民が払っている税金50兆円のうち、社会保障に31兆円が使われているのだから、税金の使い道としては日本は高福祉社会だと思うんだよね。
一方スウェーデンは歳入の98%が税収というのだから、日本の場合のような借金返済分は、ほとんどないのではなかろうか。だから正味税収の56%が社会保障に使われているのだろう。
* * *
ちなみに歳入の半分(41兆円)は借金だが、このうち23兆円は過去の借金の返済に使われているだけだから、新たに借金が増えているのはその半分の18兆円ぐらい。だからたいしたことないとはいわないけど、借金で借金を返済していて仮にプラマイゼロなら、それなりに安定しているわけで、実質的には実際は借金してないのと同じだよね。実際には新たな借金の額の方が多いから、それは問題だけど。
執筆: この記事はメカAGさんのブログ『疑似科学ニュース』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2014年05月21日時点のものです。
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