日本維新の会は2日、4日に公示される参議院議員選挙で比例区から同党公認で出馬を予定していた社団法人理事長の吉田浩巳氏(51)が「諸般の事情により出馬を取りやめたい」と申し出たため、同氏の出馬を取り下げると発表しました。同党ではこれまでにも奈良県で新人の県議1名、比例区で元衆議院議員2名が資金難や橋下徹共同代表の「慰安婦」「風俗」発言に対する反発、それに伴う党支持率の低迷などを理由に相次いで出馬を取り下げており、今回の取り下げは4人目となります。
時事通信の記事では2日に吉田氏が奈良市内で記者会見し「橋下徹共同代表の従軍慰安婦発言以降、逆風にさらされ、厳しい空気が後援会や支持者にまで広がってきた。戦い抜きたかったが、苦渋の選択をした」と辞退の理由を述べたとされていますが、実は『Twitter』では数日前から吉田氏が出身校の同窓会名簿などを元に送付していたと見られる封書が写真付きで出回り「公職選挙法で禁止されている事前運動に抵触するのではないか」と指摘されていました。
問題の封書には挨拶状と、選挙期間中に候補者本人より各種名簿を元に投函する選挙ハガキ(比例区の場合は最大15万枚)が複数枚入っていたとされています。
選挙ハガキの表面に受け取った人が候補者を推薦したい知人の宛先を書いて封書で選挙事務所へ返送し、事務所が改めて発送する仕組みになっていますが、今回の事例では選挙公示前に選挙ハガキが到着したのが公職選挙法で禁止されている“事前運動”に抵触するおそれがあるとみられています。
挨拶状を出す場合はどの選挙に出るかを明示しなければ問題ないとする解釈もありますが、今回の封書では「平成二十五年執行 参議院(比例代表選出)議員選挙」と明記された選挙ハガキを同封しているのでそのような弁解は通じそうもありません。参院選を前に苦戦が伝えられる党にとって、今回の騒動がさらなるダメージとなるのは避けられなさそうです。
画像:『Twitter』で公開されていた問題の封書と選挙ハガキ
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