毎週土曜午後11時30分からNHK総合にて放送中の「タイムスクープハンター」シーズン5。「タイムスクープハンター」はタイムスクープ社という未来の通信社の記者=時空ジャーナリストの沢嶋雄一(要潤)が、タイムワープ技術を使い、教科書に載らない名もなき人々に密着し、記録した映像から歴史の真実を追いかけるという歴史エンターティメントで、高い人気を誇っています。
6月29日に放送される回のテーマは「江戸時代のものまね」。「爆笑!ものまね大作戦」と題し、町の一角にある小さな居酒屋を舞台に、飲み会が模様されると、得意のものまねを披露する職人たちの姿に迫ります。江戸時代から存在したものまね芸と言う庶民の娯楽に沢嶋はどんな密着取材を行うのか、とても興味深いテーマです。
「タイムスクープハンター」は基本となる台本はあるものの、ほぼリハーサルなし。スタッフ・キャストが現場の状況に応じてアイデアを出し合いながら撮影を進めるのだとか。要さん演じる沢嶋は“カメラを構えて撮影している”という設定のため、自身が写り込むことはほとんどありません。そのため、ナレーションを後で吹きこんで、本当は現場にいないのではないかと思う人もいるかもしれません。しかし、実際にはカメラのすぐ脇にピッタリとはりついているのです。
8月31日には遂に『劇場版タイムスクープハンター 安土城 最後の1日』が公開。テレビ版の面白さはそのままに格段にスケールアップした映像が、スクリーンに登場します。5月中旬、茨城にあるワープステーション江戸で行われた撮影現場にて、要さん、監督が映画の撮影の裏側について語ったコメントをご紹介。番組ファンはもちろん、歴史好きの方は要チェックです。
――今回劇場版で、「安土城」という大きなテーマを選んだのは、テレビではできないスケールの大きいものをやりたいという思いがあったのでしょうか?念願叶ったという感じ?
監督:そうですね。そういう思いはありました。映画にするならお城でやりたいと思っていました。落城する瞬間とか、お城での戦いとか。戦国時代の戦争を描きたいと思っていて、その中でもお城を舞台にやりたかった。安土城の焼失というのは、歴史の中でも最大のミステリーとされていて、それを題材にすれば良いエンタテインメントになるのではと思い、今回、舞台に選びました。
――映画化の話は、監督から提案したのですか?周りからされたのでしょうか?
監督:自分は世界観から入るのが好きで、その世界観をテレビにも、映画にも、小説にもできるような、広がりを持てるようなものが、自分のやりたいと思うことには多いんです。一つやると最初につくったものだけに収まらないで、「これを映画にもできるんじゃないか」と同時に考えてしまう。タイムスクープハンターも自然発生的にやりたいなと考えていました。「タイムスクープ社」という世界観はテレビでは時間的に描けないので、映画にしてできればと。最初に企画を考えたときから、そこまで視野に入っていました。
――第一シリーズのころから?
監督:そうですね。実際、漫画にもしていただきましたし、そういうほうが楽しいですよね。一つ作って終わりっていうんではなくで、いろいろな楽しみ方があったほうが。
――要さんは、劇場版の話がきたとき、是非やりたいという感じでしたか?
要:そうですね。監督を100%信頼していますので、映画になろうが、シーズン6、7と続こうが、毎回面白いものを作ってくれるんだろうなと思っています。
――できあがったものだけ見ていると、「要さん主役だけどあんまり出てこなくて楽しているなあ」なんて思う人もいるかもしれませんよね(笑)。実は本当にずっと現場にいらっしゃるんですね。
要:まあいつもは楽ですよ(笑)。でも映画は本当に大変でしたね。両方に気を使っていたので。インタビューしなきゃいけないし、自分の演技もあるし。
監督:演出するほうも大変でした。
――(テレビ版の撮影現場を拝見して)監督から「映画みたいにしないでくれ」という声があったようですが、劇場版とテレビ版とでは演出上の違いがありますか?
監督:基本的になるべく同じようにやっています。そこが難しいです。タイムワープ先の時代の人たちは、いつものようにドキュメンタリー風にやればいいけれど、タイムスクープ社の人たちはドラマとしてストーリーを進めなければいけないので、セリフがどうしても説明的になって映画的になってしまいがち。お芝居じゃない、アドリブを要求したり、ハプニングを期待してやっています。
要:監督は、あまりNGを出さないんです。
監督:NGテイクでも、20%はすごく良い部分があったりする。我々には編集があるじゃないですか(笑)。あとでOKだった部分を選んでつなげるんです。だから全部OK。基本的にNGという考え方はありません。
――今まで描かれていなかったタイムスクープ社の内部の世界観の詳細というのは、もともと決まっていたものですか?
監督:なんとなく、漠然とはありました。どのくらいの規模で、どういう組織で、第一調査部が有名な事件を扱って、第二調査部が名もなき人々の姿を追うっていうのは、最初から設定として決まっていました。タイムスクープ社みたいな会社があれば、当然有名な事件を扱う部署もあるだろうし、世界中に支社があって、世界の歴史も追っているだろうし、みたいな。
――◆要さんは「沢嶋雄一」を演じることが、ライフワークになりつつあると思うのですが、あとどれくらい続けたいと思っていますか?
要:それはもう、おじいさんになってもやりますよ。(タイムスクープ社の)本部にいるかもしれないですけど。映画でいう、宇津井さんのポジション(笑。)本当にもうライフワークですね。監督とは8年くらいの付き合いになりますし、中尾作品をやっているのは自分しか想像できません。
――映画の見どころを教えてください。
監督:もう全部が見どころです。テレビを見てくださっている方も、映画から初めて見るという方も楽しめると思います。テレビ版の面白さを踏まえつつ、さらに次の次元にいっていると思うので、映画はより面白いと思います。その映画を見て、面白かったらテレビも見て、と相乗効果ですね。映画もテレビも、メディアを超えてこの世界観を観客、視聴者が楽しんでくれたらなと思います。
要:監督のおっしゃる通りです。テレビ版を見てくださっている方は120%満足していただけると思いますし、初めての方はすごい衝撃を受けると思います。そういう映画に仕上がっています。
――どうもありがとうございました!
『劇場版タイムスクープハンター 安土城 最後の1日』
http://timescoop.jp/
8月31日(土)新宿ピカデリー他 全国ロードショー
(C)2013 TSH Film Partners
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