今回は国立科学博物館『科博メールマガジン第524号(発行日:2013年5月30日)』からご寄稿いただきました。
■インターネット・アザミ図鑑の公開によせて(国立科学博物館 植物研究部 門田 裕一)
もうすぐ「インターネット・アザミ図鑑」が当館のホームページで公開されます。
この図鑑では日本産アザミ属の全種、154種を取り上げ、それらを画像と文字で解説しています。
分類が難しいとされてきたアザミ属植物の同定に役立つとともに、この図鑑を通じて、日本産植物の多様性がより理解されることを願っています。
この図鑑には、現時点では正式には発表されていない種も「新称」として含まれています。図鑑の前文にも書きましたが、未発表のものを敢えて掲載したのは次のような理由からです。
これまでの研究の結果、日本産アザミ属には分布域の非常に狭い種が多く含まれることが分かってきました。その全てが日本の固有種で、同時に絶滅危惧植物でもあります。実際、調査・研究を進めていく間に消滅してしまった産地も少なくないのです。種の存在すら認められないうちに地上から姿を消してしまう、そんな危機感を持つに至ったため、公表に踏み切ることにしました。
「新称」のアザミについての正式な発表はこれから順次行なっていきます。
今年9月には企画展「日本のアザミの秘密」(仮称)の開催を予定しています。この企画展では日本のアザミの多様性だけではなく、人との関わりなどを始めとした日本のアザミにまつわる「秘密」を紹介します。
執筆: この記事は国立科学博物館『科博メールマガジン第524号(発行日:2013年5月30日)』からご寄稿いただきました。
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