2012年12月1日~2日、『Maker Faire Tokyo 2012』が開催された。『Maker Faire』は、世界最大のDIYの祭典。家族で楽しめる、発明と創造と役に立つ情報がいっぱいの展示会であり、“Maker”ムーブメントのお祭りだ。DIYとはみなさんご存知かと思うが日曜大工のことだ。日曜大工といっても本棚を作ったり屋根の修理をしたりするわけではない。マイコンで制御されたおもちゃを作ったり、飛行機やラジコンを作ったり、ロボットを作ったりといったような技術力を必要とするものを作っているのがこの『Maker Faire』におけるDIYだ。
出展する“Maker”は、技術愛好家からクラフト作家、教育者、ホビースト、エンジニア、アーティスト、学生、企業など非常に多岐にわたり、年齢も経歴もまちまち。『Maker Faire』の使命は、こうした何千何万という“Maker”たちや“Maker”の卵たちを、楽しませ、知識を与え、結びつけ、刺激することにあるという。2012年にサンフランシスコのベイエリアで開催した7回目の『Maker Faire』には、11万人以上もの人々が訪れた。日本では『Make: Tokyo Meeting』として2008年より開催されていたが、2012年から、全世界共通の名称『Maker Faire』としてリニューアル開催している。
●安価な基盤や3DプリンタによりDIYの裾野が広がった2012年
2012年は、安価なマイコン基板“Arduino(アルドゥイーノ)”の普及や、一般に入手可能となった“3Dプリンタ”などの影響もあって“ものづくり”、“DIY”ブームの年であった。特に“Arduino”を利用した作品は非常に多く、“Fabrication(組み立て製造)”人口の増加が伺えた。また、今年発売された“フリーミアム”の提唱者であるクリス・アンダーソンの著書『MAKERS』に代表されるように、“ものづくり”に対する注目度も高まっているようだ。
それでは実際に展示されていた作品をいくつかご紹介しよう。
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ボタンを押すと狙ったものが出てくるガチャポン、“マジカルガチャマシン”。昔懐かしいあのカプセルの中に、自分が選んだおもちゃが入っている感覚はなかなか味わえるものではない。カプセルにはキーホルダーやストラップなどが入っており、景品もなかなか凝ったデザインでおもしろかったぞ。
『ポップンミュージック』のような音ゲー。制作したのは津田塾大学の大学院生だ。プレイさせてもらったが、普通のゲーム感覚で楽しめ、思ったタイミングで入力判定もされている感覚も味わえた。残念ながら筆者は規定の点数に到達できなかったが、ハイスコアを記録した参加者には記念品もプレゼントされていたようだ。
デカいねこのぬいぐるみ。「これはなんですか?」と聞いてみると「足下にあるしっぽを踏んでみてください」と。言われるがままに踏んでみると怒った声で鳴くので思わず笑ってしまった。しっぽにセンサが入っており、踏むと反応するぬいぐるみだったのだ。ここのブースには暗いところでライトがつく5cmぐらいのホタルのぬいぐるみや、エサを近づけると反応するヒヨコなどかわいいおもちゃがたくさん展示されていた。
至って普通のそろばんのようだが、音声認識をして自動で弾くそろばん。「何円なり〜」と読み上げられたら、人間の手の動作のごとく計算をして数値をはじき出していた。結果をそのまま入力するのではなくちゃんと1玉と5玉を使い分けており、そろばんの計算方法のまま弾いていたのがおもしろかった。
今話題の3Dプリンタ。モデリングした3Dデータを使って半自動的に3D造形をしてくれるというプリンタだ。機械の上にある白い特殊な樹脂を溶かして造形するもの。歯車を2つ噛みあわせて回すこともできたり、かなり正確にプリントアウトすることが可能だ。細かい線のあるフィギュアも造形することができるなど、用途はまだまだこれから広がっていくことが予想される。一般販売されるようにはなったが、値段は10万円を超える価格であり、モデリングの技術も必要となるためお手頃感はまだ当分先のようだ。とはいえ、今後何かのムーブメントを巻き起こすポテンシャルを秘めていそうな機械だ。
●ものづくり大国ニッポン! “DIY”しようぜ!
たくさんの展示が所狭しと並んでいた『Maker Faire Tokyo 2012』。今回紹介できなかったブースの中にもおもしろそうなものがたくさんあった。両翼が独立して稼働する飛行機、全自動でそろえてくれるルービックキューブマシン、タブレット端末を傾けるだけで動作するロボットなどなど、多くのアイデアが集結したイベントであった。展示されているものの中には、視覚・聴覚・触覚や、明暗などを感知するセンサが組み込まれているものもあり、将来医療や介護の分野などで活躍しそうな技術も登場しているように感じた。出展者の“Maker”たちも自分たちの作った作品を前にお客さんが訪れるたびに活き活きとした表情で説明をしている様子を何度も目にした。特に、家族連れのお子さんが最新技術で作られたおもちゃを触っている様子などは見ているこちらとしてもワクワクする思いでいっぱいになった。
“ものづくり”の領域は身近なものから社会的なものまで幅広い。「これあったら便利かも、楽しいかも」といったちょっとした思いつきを形にするだけで、誰かを楽しませることができるかもしれないというのが“Maker”の醍醐味であるといえよう。“形にする”ためのコストも、技術の発達によってパーツが安価になったこともあり低下した。最近、ものづくりしてないなあというお父さんも、熱中するものを見つけたい大学生も来年は“Maker”として出展してみてはいかがだろうか。きっと楽しいよ!
Maker Faire Tokyo 2012
http://makezine.jp/[リンク]
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