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命の値段につけ込むのはちょっとえげつない ~臓器海外移植の業界がムゴいことになっている~

2013/04/23 14:04 投稿

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命の値段につけ込むのはちょっとえげつない ~臓器海外移植の業界がムゴいこ とになっている~

今回はうさみのりやさんのブログ『うさみのりやのブログGT~三十路の元官僚、独立するの巻~』からご寄稿いただきました。

■命の値段につけ込むのはちょっとえげつない ~臓器海外移植の業界がムゴいことになっている~
最近ちょっとした友人の縁で臓器移植業界について調べています。
・・・・・冒頭からかなりのインパクトで恐縮です。

でも調べていて感じるのは、臓器移植というとおどろおどろしい世界に聞こえるけど、誰にでも関係しうる話だっていうことです。生活の無理がたたったり遺伝的な問題だったりで、腎不全になり肝不全なりで内臓が機能しなくなったら、現代の医学では根本治療としては臓器を換えるしかないんです。IPS細胞をつかった再生医療が実現すればこうした状況は変わる訳ですが、それにはまだまだ障壁があって10年後、20年後くらいになりそうです。

で、今回お話ししたいのは、アメリカや中国といった海外へ渡航して臓器移植をする「臓器海外移植」業界の話です。基本的に臓器移植は自国内に閉じて行われることが望ましい、とされているのですが、現実に日本人はあまり臓器提供に積極的ではありません。アメリカでは年間7000人~8000人程度提供者がいるのに、日本では年間100人程度なので圧倒的に提供者がたりない状況で、希望者の1/10も移植手術を受けることができません。(詳細は以下のページをご参考にしてください)

「脳死下での臓器提供者数の推移(年別)(PDFデータ)」 平成24年11月09日 『厚生労働省』

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002o6g6-att/2r9852000002o6kt.pdf

余談ですが、日本で提供者が少ないのは宗教的な事情だそうです。

欧米の価値観だと魂の抜けた身体は「モノ」という感覚らしいので、例えば交通事故で親戚が助からないと分かった時点で直ぐに臓器提供の手続きに移る人も比較的多いようのですが、日本人は例え息絶えても生きている時の延長線上で人間の身体を扱うのでそうはいかないようです。私自身死ぬ間際とはいえ自分の身体から臓器が抜き取られるのは少し抵抗を感じますしね。とはいえ日本では毎年2万人近い臓器移植希望者がいて、その中の多くの人が移植を待ちながら亡くなっている状況なので、個人的には臓器提供教育というものをもう少し進めるべきだと思っています。

話はそれましたがそんなわけで、日本では難病で時間的猶予がなくなってくると海外に渡航して臓器移植をする「臓器海外移植」を多くの場合検討せざるを得ません。国内にはこの臓器海外移植をサポートする団体がいくつかあるのですが、この業界が結構ムゴいことになっている。例えばある団体*1、「中国でES細胞を点滴で打ち込めば難病なんてたちまち治る」、なんていう分けの分からない話を堂々とぶち上げて2000万円ほど搾取しています。きっと中国ではすごいイノベーションが起きているのでしょう。

*1:「インドネシアで腎臓移植を受け死亡 同じ仲介者で」 2012年09月13日 『糖尿病ニュースストッカー』
http://news.tubasa7.net/?p=728

「iPS細胞も悪用される!被害者遺族が語った「臓器再生詐欺」極悪手口 vol.1」 2012年11月17日 『livedoorニュース』

http://news.livedoor.com/article/detail/7150164/

他にも臓器移植の準備ができてもいないのに患者を海外へ連れ出して3ヶ月くらいホテルに詰め込んで法外な滞在費を請求していたり、「○○ちゃんが海外で臓器移植しないとこのままじゃ死んでしまうんです!!」と世間にアピールして、実費を大きく上回る募金を集めて大部分を自分の懐にいれてしまったりといった詐欺まがいの話*2が横行しているようです。(「死ぬ死ぬ詐欺」*3という言葉で検索するとなかなか激しい記事がたくさん出てきます。)

*2:「中国での腎臓移植話で「1,000万円詐取」 - 神戸の男性が民間団体を告訴」 2011年01月05日 『ウィキニュース』
http://ja.wikinews.org/wiki/中国での腎臓移植話で「1,000万円詐取」_-_神戸の男性が民間団体を告訴

*3:「「死ぬ死ぬ詐欺」の検索結果」 『Google』
http://www.google.co.jp/search?&q=死ぬ死ぬ詐欺

普通の状態ではこんな怪しい話に騙されるはずありませんから、皆さん「何とか生き延びたい」とか「人の命を救いたい」という気持ちでついついガードが甘くなってしまうのでしょう。自業自得と言えばそうですが、やっぱりカワイソウな気がします。

何が言いたいのかというと、人の危機的状況や善意につけ込むようなビジネスは許しがたいということです。根本には日本人の臓器提供者が圧倒的に足りないことに問題があるような気がするのですが、急に提供者が増えるということはなさそうなのですし、重要なテーマだとお思うのでこの業界についてもうちょっと調べて何らかの形でまとめてみたいと思います。

取り留めのない話になりましたが、いつ誰が重い病気にかかるかわからないですし、その時は皆さんも詐欺まがいの話に巻き込まれないようにくれぐれもご注意してください。

ではでは今日はこんなところで。

執筆: この記事はうさみのりやさんのブログ『うさみのりやのブログGT~三十路の元官僚、独立するの巻~』からご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2013年04月18日時点のものです。

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