花束をもらったにも関わらず、複雑な心境を隠せない人々がいる。受取人は家宅侵入や路上強盗の被害者たち。差出人は慰める友人でも償おうとする犯人でもない。英国のロンドン警視庁である。犯人逮捕の見込めない家宅侵入や路上強盗の被害者に対し、花束を贈っているというのだ。英『テレグラフ』電子版が伝えている。

ロンドン北部のバーネット・ロンドン特別区。家宅侵入事件の検挙率が非常に低いことで知られており、昨年(2012年)はたったの12.8パーセントに留まった。昨年11月以来、ロンドン警視庁は事件の解決が見込めない被害者300名に花束を贈っている。「精神的ショックを和らげる」と評価する声の一方、「花束よりも犯人を捕まえて欲しい」という批判的な意見も。

自宅でノートパソコンやカメラなどが盗まれていたサラ・ミラーさん(55歳)。警察側は事件現場で指紋採取を行った直後、ミラーさんに対して「残念ですが、証拠が不十分なので…」というメッセージカードを残していた。その翌日、花束(25ポンド=約3,500円相当)と花屋で使える引換券(5ポンド分)と地元警察からのメッセージカードが届けられたとのこと。ミラーさんは「花束でうまく丸めこもうとしているのでは…」と疑念を拭えていない。

警察から被害者に贈られた花束だが、そのまま花屋に寄付されるケースも相次いでいるらしい。ちなみに警察当局のスポークスマンは「(花束を贈るという)シンプルな意思表示で被害者との対話が進み、安心な暮らしを再びという思いを込めている」と声明を出している。

画像: 今回のニュースを伝える英『テレグラフ』電子版のキャプチャー

http://www.telegraph.co.uk/news/uknews/crime/9962899/Burgled-maam-Have-some-flowers-courtesy-of-the-police.html

※この記事はガジェ通ウェブライターの「香椎みるめ」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?

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